---25--- フジイデ王国 奴隷との出会い
橋の上から衛兵団の隊長に声を掛けられたので、シアキは女性陣達の頭を撫でる行為を止め、声のする方を見上げる。
そして至福の時間を邪魔され少し殺気立った眼で女性陣達は衛兵団の隊長に視線を向ける。
衛兵団の隊長は橋の下に居る先程フードを被って居た者達を眼にし、衛兵の職務である他種族の国内への侵入を阻止するという責務を果たすべきかと悩む。
恐らく角があるので魔族だ。もう一人は角の形状から見て竜人と思われる。
だが眼下の二名は、この「ラ」の名を持つ神族が連れている仲間なので、ここは敢えて何も言わないし、何もしないでおく事にする。
この国の王族や貴族達に、どうして侵入させたとの責めを受けようとも、私の行動は正しかったと言ってやる。
もし機嫌を損ねれば、命、いやこの世界がなくなるのだ。
ここは、触れないのが最善な策だと判断する。
いやもう二名の存在を見なかった事にする、いや見た事を忘れる、いや今忘れたと心に言い聞かせる。
「すみません。皆様の手配の解除が終わりました。
どうぞ梯子を降ろしますので、それを登って、こちらに上がってきてください。
この様な無礼な先導しか出来ず申し訳ありません。
なにぶん移動系の魔法を使える者がおりませんので、お許しください。
そして先程の無礼な態度のお詫びにもなりませんが、冒険者組合まで、ご案内させていただきます。
あと、登られた後で少しお話がありますのでお聞きいただけたら幸いです」
橋の上からゆっくりと慎重に梯子を降ろしてくる。
「よし皆、橋の上迄の、あの高さ位なら跳躍で登れるだろ?。
梯子なんて、ちんたら登ってるだけで、時間の無駄遣いだ、正直登るのは面倒だし飛んでしまうぞ」
その問い掛けに全員笑顔で頷き、少し助走をして跳躍する。
見事に衛兵団の隊長の横の橋の欄干に、女性陣は静かに着地するが、シアキは加減を間違え、橋を飛び越えて、また反対側の河原へ消えていった。
その様子を見た女性陣は笑い出す。
「っぷふぁははははは、もうなになに~おっかしぃ~ホントなに飛び越えて行くってナニ~あはははもうホント、そう言う所シアキらしいわ~もう笑い取りすぎだよ~っぷふふふ」
「っぷふふふ、何ですかその飛び越えて行っちゃうとか、っぷ、っぷ、っぷふぁはははははもうダメ~おかしすぎますよ~本当にそういう所、シアキさんらしいですよね~あははは、もうダメ、本当に最近笑い過ぎてお腹が痛いですよふふふふ...」
「あははは、何じゃ、何じゃ、っぷふふ、この程度の高さで加減を間違えて飛び越えるとか有り得んじゃろ、全くシアキ殿は、全く、まったく、何を考えておるのじゃ、本当にシアキ殿は侮りがたしじゃ、少しでも気を抜くと本当に笑い死にさせられてしまうかもじゃな、っぷ、でもアレは無いのぉ~っぷ、っぷ、っぷ...」
全員何やら笑いのツボにはまってしまっている。
また橋の横で梯子を降ろしている衛兵団の隊長、偶々偶然橋の上を往来中の旅行者や通行人達、この現場に居合わせ目撃した全衛兵達は、その信じられない光景を目の当たりにし驚愕の余り一切言も発せずその場で動く事を忘れ固まってしまう。
そして一拍の時間をおいてバツが悪そうに、反対側の欄干に再度河原から加減して跳躍して来たシアキが降り立つ。
「すまん少し加減を間違えた。
はぁ~ビビった~まさかちょっと力んだだけであんなに飛ぶとは正直思わなかったぞ」
女性陣は欄干から降り満面の笑みを浮かべながら一旦シアキの下に集まる。
全員で先程の悪態を吐いていた、今は梯子を降ろしている衛兵団の隊長を務めていると事を主張していた衛兵の下へ歩みを進める。
そのシアキ達が衛兵の前に到着すると一斉に衛兵達は片膝をつき最敬礼と言わんばかりに頭を下げる。
その光景を偶然居合わせた旅行者や通行人達は場合によっては橋の上で即戦闘行為が行われるのではないかと不安もあり出来るだけ身動きはせずその場で留まり不和を買わないように注意を払いながら、黙って状況を見極めようとしている。
橋の上の只ならぬ雰囲気を察したシアキはこれ以上目立つ事は要らぬ誤解を招き善からぬ噂が広がり自身が立てている計画をまた修正しなければいけなくなると判断し直ちに衛兵達を立たせ通常業務に戻さなければいけないとの結論を出す。
「隊長さん、そちらの身勝手な行動で俺達をこれ以上不用意に目立たせる行為は止めてもらえますか?正直苛立ちますのでね。
あと案内に関してはあなたと他二名程だけで結構ですから、今すぐ他の衛兵達を通常業務に戻してこの場の正常化を図ってください、いいですね」
一方的に内容を伝えた後、シアキは作り笑いを浮かべ橋の上に偶々偶然居合わせてこの場を目撃している旅行者や通行人達に向け声を掛ける。
「ご通行中の皆様、大変お騒がせしました。
この度他種族の方々の協力を得てこの国の衛兵達へ抜打ちによる不法入国者に対する実技訓練を実施しておりました。
またこの国の衛兵はとても優秀で規定課題数を無事熟し訓練過程を先程全て終了致しました。
皆様のご協力に感謝申し上げると共に訓練終了の挨拶と代えさせていただきます」
綺麗に頭を下げ踵を返し衛兵団の隊長を務める衛兵に冷たい視線を合わせる。
視線を受けた衛兵団の隊長を務める衛兵は、この茶番は何だと思いつつも指示された事を今すぐ実行しなければこの国にとってとんでもなく不幸な状況に成る事だけは確信が持てるので、慌てて団員達に指示を出す。
「皆これで訓練は終了である、ソコとソコの副隊長二名は残り私と共に案内の任につけ。
他の者は今すぐ各々の通常業務に戻れ」
その一言を聞き、残る様に指示された副隊長はこの世の終わりだと言う表情を浮かべ、残りの者達は安堵の表情を浮かべこの場を逃げるかのように足早に去って行った。
衛兵団の隊長を務める衛兵はシアキの前に立ち綺麗に一礼した後口を開く。
「では、私フジイデ王国衛兵団所属で隊長を務めさせて頂いているこのデデルク・サンドが皆様の案内を務めさせていただきます。
では、先ずは冒険者組合の方へご案内するので宜しいのでしょうか?。
あと皆様をどのようにお呼びすれば宜しいでしょうか?」
案内をすると言い自分を売り込んできた衛兵団の隊長に正直ウザさを覚える。
またどう呼べば良いかと聞かれたが正直興味無い相手なので適当に受け答えをする。
「一応私の事は敬称は其方の自由で構わないので「マムラ」と呼んでください。
正直隊長さんの名前とか覚えられないので、今後隊長さんっとお呼びしますね。
冒険者組合は自分達で探しますので、場所や方角だけ教えてください。
あと案内は検問所って所へのみ私達を案内してください」
「マムラ様ですね。
当国内の検問所は、この橋の先にあります。あの円柱の中に構えております。
もしかして盗賊を討伐さ換金なさるのでしょうか?」
最後の質問に答える気はないので無視し、指さされた方角に眼を向ける。
橋が終わる個所に橋と一体化した建物?いやデカい円形の支柱がある。
どうも目的地はすぐそこに在ったようで案内を頼む必要はなかったようだ。
移動は殆どしなくて良いと知り、早速ルルに向け盗賊を連れて来る様に頼む為に口を開く。
だが文言が口から出るまでの刹那の時間でシアキは生きた盗賊を引き渡して尋問された盗賊が村の存在を衛兵に漏らし、村の存在を知ったこの国が復讐を兼ねて自分達が旅をして留守の間に森が対処しきれない数の軍勢で襲撃を仕掛けてくる可能性があり、エラル達獣人をみすみす殺害される光景が脳裏を過ったので、今回は極力情報が漏れない様に死体だけを換金する事を決めるのだった。
「ルルすまんが、あの橋の終わる円柱の箇所で待ってるからさ、盗賊共の死体になった奴らだけ連れてきてくれるか。
残りの生きた連中は今の状況だと連れて来ると何を喋るか分からんし、あの村の労働力として良いってエラル達に伝えてくれ。
もしエラル達が一緒に暮らしたくないって言ったら、その場で全員討伐して、この場に連れてきてくれ、頼めるか?」
「うぅ~んヤダ。 換金とかすぐ終わんないし~そう言うのは~冒険者登録して~ご飯食べた後にしようよ~」
「ん!そんなに盗賊の換金って時間がかかるのか!。
でも換金しないと今俺達は一切金を持ってないし飯も現状何も食えないだぞ。
まぁ~拠点に帰ってラフェルの美味しい飯を食うのもいいけど、折角だし外で飯食って帰りたいんだがな~...うぅぅ~ん手っ取り早く飯代稼ぐ方法か~」
料理を誉められたラフェルが照れながらモジモジしている可愛いらしい姿をシアキは見ながら心を和ませ、思考を巡らせる。
だが次の瞬間、全く空気を読まず衛兵団の隊長を務める衛兵が話しに割って入ってくる。
「少し宜しいでしょうか?・・」
正直苛立ちと殺意を覚えたがこの橋の上でその様な事をすれば通行人達に目撃され要らぬ噂が広がると思い、シアキは我慢し無言で頷いて見せ話を促す。
「・・簡易換金であれば数分で換金が可能なので先ずは簡易換金をされては如何でしょう?。
簡易換金の場合は金額が少なくなりますが、今回特例で詳細換金金額との差額分を後日お支払いすると言うのはいかがでしょう?。
詳細換金は、その盗賊一人一人の悪行を全て精査するので二日は掛かり差額分のお支払いは二日後となりますが、それでよろしければいかがでしょうか?。
あと差し出がましいのですが我国の国王が皆様に内謁したいと申しております。
御食事は是非我国の国王と御一緒に会食すると言うのはいかがでしょう?。
勿論御食事は全てコチラで最高の物をご用意させて頂きます。
どうでしょうかマムラ様?」
何やら衛兵団の隊長の計らいで盗賊の詳細換金は時間要するが、最初簡易換金で前金をくれ、後日詳細換金金額との差額分を後金でくれるとの事は正直歓迎するないようだったが、この国の国王との会食は正直面倒事を押し付けられる予感が犇々するので会食だけは丁重にお断りしたいと思うが、空腹をタダで満たせるなら食事だけをして他は全て無視すれば問題ない事だと刹那の時間で結論を出す。
「うぅ~ん、王様と食事か~正直面倒な事を言われるだろうな~でも腹減ってるし、タダで食事が出来るなら、いいか。
まぁ~面倒事は全て無視すればいいんだしな、よし皆俺は腹減ったし飯を食いたいから王様と食事をするがいいよな?。
てかどんな料理が出るんだろうな、考えただけでワクワクするな王族が食す料理ってそりゃ~豪華で凄いんだろうな~。
ってその前にルル盗賊を連れてきてくれ、何か差額分を後払いでくれるみたいだし、その簡易換金ってのを先に済ませて前金を貰ってさ、冒険者登録済ませて武器屋にでも後で皆で行こうぜ。
おぁ~何かすげ~ワクワクしてきた~さっきまでのイライラが吹っ飛んだぜ」
凄く楽しそうなシアキの姿を見て女性陣達は微笑を浮かべる。
「私はシアキさんが、それでいいならいいですよ」
「我はシアキ殿がしたい事をしたいので、それでよいのじゃ」
「もうシアキは~お腹が減ると~ご飯の事しか考えないんだね~。
まぁ~私もお腹すいたし~ラフェルちゃんの料理より不味いだろうけど賛成~。
ふふふ~シアキ楽しそうだね~きっと凄く驚くよ~。
さてそうと決まれば早速連れて来るけど~どうするの盗賊全員連れて来る?」
「おう、めっちゃ驚くような料理だろうな~ホント楽しみだぜ。
いやルル連れて来るのは討伐した連中だけでいい、生きてる奴は拷問で下手にアレコレと喋られて余計な面倒事を引き起こされるのは嫌だからな。
そうだな~生きてる奴には、村の連中と奴隷契約でもして悪さ出来ないようして労働とかさせて、あの村で一生刑に服させて十分反省させればいいんじゃないか。
あとるる絶対にエラルちゃんだけには奴隷契約とかはさせるなよ、修行を終えて強く成ったら村を出て俺達と一緒に行動するかもなんだからな。
ではルル俺達はあそこで待ってるから、今言った感じで頼めるか」
「ふふふ、ホントシアキらしいわ~。
分かった~そんな感じでやってくるよ~。 じゃ~数分だけ待ってて~」
そう言い残しルルはヒュヒュク村に転移していった。
眼前から唐突にルルが消えた事に、衛兵団の隊長と副隊長の三名は驚き腰を抜かし、その場に膝から崩れ落ちる。
助け起こすのは面倒なので、教えられた検問所へシアキは歩みを進める。
勿論女性陣もその後に続く。
「でもシアキさん正直どうですか?。
私達が動くと、こんなに派手な厄介事が起きると思うので私の国にこっそり妹達を見に行くって出来るんでしょうか?」
「ラフェル殿、そんなのは聞くまでも無い、我も皆の最初の目的は聞いたが、その妹君を陰からこっそり見守ると言うのは恐らく出来ないと思うのじゃ。
我等が動くと恐らくどこでもこの様に騒がしくなるじゃろうしな。
況してやシアキ殿の目的は他種族全員と、その・け・っこん・じゃからな、否が応でも騒がしくなるぞきっと」
赤面し最後少し口ごもりながら発言していたのでシアキの耳には内容がちゃんと聞き取れていなかったがラフェルはフェンラが赤面しているので何となく言いたい事が理解出来たようで、何故かラフェル迄もが赤面しモジモジし始める。
両者の反応を確認しシアキはどうしたものかと思うが下手に内容を聞いて墓穴を掘る事に成るのが容易に予想出来なので敢えて触れずに質問内容にのみ返答をしようと思考を巡らせる。
そして当初の目的が少し変わってしまうが一つ良い案を思い付く。
「そうだな~フェンラの言う通りだろうな~実際問題こっそりってのは結構難しいかもしれないよな。
うぅ~ん、今一つだけ良い方法を思い付いた事があるんだけどさ。
これは当初の目的と少し外れるから気を悪くしたら言ってくれ謝るから。
あくまでも俺の個人的な見解だからな、今から話す事は聞き流してくれて構わないから一応聞くだけ聞いてくれるか。
俺の中ではさ、自分の名前を偽る事なく前面に出してフェンラを助けた時のラフェルの姿は格好良かったからなラフェルには自国の王に成ったらどうかと思ってたりするんだよ」
「え!何言ってるんですかシアキさん」
「いや俺さ、フェンラを助けたあの時から少し考えてたんだよ、ラフェルがもう王に成った後にさ、今王位に就いているであろう、二番目か三番目の奴等に国の運営を丸投げしてさ、その妹達に高い地位を約束しその身を守れとか命令してしまえばいいんじゃないかってさ?。
それでさラフェルを転送魔法で危険な目に合わせた中途半端野郎を見つけ出して一発キッツ~いのをお見舞して、そのまま俺達は新たな目的を見つけて冒険の旅に出るってのはどうかな~ってな、案外この方が面白くないか?。
実際俺は小さいけど村持ちになったけど長の地位はヒュヒュクさんに丸投げしたしな、まぁ~村と国って少し規模が違うけどやったら結構面白そうだと思わないか?」
提案内容を聞きラフェルは驚きの表情を浮かべる。
―― シアキさんの話だと私が国へ戻り正当王位継承権を主張し現国王から王位を奪い王位に就いて、その後は王位を奪った相手に国運営を丸投げするって事ですよね。
いやいやいやそんな無責任な国の運営をしている国など聞いた事はないですよ。
そんな運営をしている国など・・あ!・・あるシアキはその方法で村の運営を任せ冒険の旅を続けているですよね。
でも国と村だと規模が・・いやこの国の国王がシアキさんに内謁を申し出て会食するのは、恐らく同盟を持ち掛ける為で間違いないでしょうし、無理矢理にもあの村は国であると宣言し周辺各国に使者を送り国として認めさせるでしょうね。
そうなればこの世界に国運営を丸投げする悪しき実例が一つ出来るんですよね。
仮に私が王位に就いて国の運営を丸投げするとして国民達が納得するでしょうか?いやいやこれは考えるまでも無く納得なんてしないでしょうね。
それにただでさえ内戦や他国との争いが絶えない私の国で丸投げなんてしたら一年も経たずに国が崩壊しちゃいますよね。
もし可能となったら確かに名前を偽る必要もなくなりますし堂々とシアキの仲間の一人になれる気がしますよね。
そして私とシアキさんが結婚したら、ふふふ私の全てをシアキさんに捧げてシアキさんはこの世界で魔族領も手に入れる事が出来るってのは私的にも凄く魅力的なんですよね~。
あぁ~ルルちゃん私今凄くシアキさんの言葉に揺れ動いちゃってますよ~...。
少しラフェルは考えに飲み込まれてしまい、沈黙の時が数秒間流れる。
その真剣に沈黙し悩む姿を見たシアキはこの発言はもう少し計画を練ってから話すべきで失敗だったと少し後悔し慌て取り繕うような笑みを浮かべ声を掛ける。
「ラフェルそんなに思い詰めて悩む必要はないって、これはあくまで俺の個人的な見解だからさ、な、な」
声を掛けられた事でラフェルは思考を中断し少し残念そうな笑みを浮かべながら口を開く。
「あはは、やっぱり静かに見守るのは無理そうですよね。
あと提案された内容を私なりに検討してみましたが、やはり私の国は内戦や他国と争ってますし難しいので現実的じゃない気がします。
実際数日中にシアキさんのあの村は周辺国から国として認知されちゃう訳ですし、この世界に国を丸投げで運営してる実例が出来る訳ですから自国で取り入れて成功するなら私もやってみたいかもと一瞬思っちゃいましたよ。
でも私の国でそれをやったとしても、すぐ内戦が起こり他国からは攻められてしまい一夜にして国が滅亡するか、一年以内に国が滅亡しちゃってますねきっと...」
なにやらラフェルの口から耳を疑う返答が返ってきた。
さも平然と手に入れた村が数日中に周辺の国から国に認められると言っている。
確かに己の中だけで計画している内容の中には外拠点であるあの村を発展させ国規模に押し上げようとは考えていたが、それは数十年単位の話しである。
それなのに思考や策略経略等々の謀を巡らせるのが苦手と考えていたラフェルの口から「数日中に」と日程を限定する文言が何故出たのか疑問い思いその結論にどうして至ったのかを聞こうと思ったが、追随する様にフェンラも口を開く。
「確かにラフェル殿言う通りじゃな、今日の会食時にこの国の国王は我等の村を強引にでも国として認めるじゃろうし、数日経てば周辺国には国として周知されるじゃろうな。
そうなると一国の運営を他者に丸投げしている国になるんじゃな、それは我も聞いた事ないし実に面白い運営方法じゃな。
まぁ~実際他国がこの方法を取り入れても年中内戦や他国との戦争が勃発し冒険の旅所じゃなくなるじゃろうな」
アレコレ考えるより両者に聞いた方が早いと判断しシアキは質問を投げかける。
「いや、待て待て二人共、なんでこの国の王と食事するでいきなり何も無い村一つを国扱いするって話が出てくるんだ?」
両者はシアキに向け何を今更言っているのだと言いたげな表情を浮かべながら小首を傾げ返答する。
「ん?シアキ殿、この国の王がこの短時間で我等に内々で謁見したいと言ってきたのじゃぞ?。
もうこの国の王は我等を目上の強国として扱っておる証拠で、内密に会いたいと言う事は戦時における国間の同盟が狙いしかないじゃろ?じゃから村では体裁が保てぬで強引にでも国として認める事がシアキ殿は分かってて会食に応じたのじゃろ?。
それに先程面倒事は全て無視すると申しておったではないか?。
その面倒事が同盟に関する事柄じゃと気付いておったのじゃろ?」
「そうですよ?今更どうしたんですか?シアキさん。
こんなに早くに王族が私達と内々で謁見したいと言ってきたのは、同盟しかないと思いますが?」
実際シアキは高度な文明が発展した世界で暮していたので、同盟等の仕組みに関して疎いので、この世界の住人であるラフェルとフェンラが同見解を口にしているので多分その様な結果となると確信する。
改めてシアキはこの世界の常識が無く無知を晒していると痛感し、このままでは誰にも明かしていない計画を思い通りに進める事は難しくその都度計画を微調整で見直しをしていく必要があるとの結論に至るのだった。
正直シアキは今回は少し王族達と一緒にタダ飯を食いに行く程度と軽く考え、会食の席でこの国に悪さを働く悪い連中の討伐を持ち掛けられたり、自分達がこの国に悪さをしない行動制約をされたり、各種面倒事を押し付けられる事は想定していただけである。
―― この世界の常識は俺の元居た世界の常識とは暴力的で稚拙過ぎるんだよな~深読みしきれてないな~それに二人に何て言おう?下手に取り繕うと返ってややこしくなりそうだし、ここは唯々タダ飯を食いに行くつもりだったって素直に白状しておくか。
「俺はこの国の国王に面倒事を押し付けられるっていうおまけ付きだがそれらを全て無視しての、タダ飯を皆と一緒に食べに行くつもりだったんだかがな...そっか~そんな事に成るかもなんだな、はははは」
ポリポリと頭を掻きバツの悪そうな表情を浮かべて返答するシアキの姿を見て両者は目をこれでもかと見開き驚愕する。
「「え!」」
「本当にシアキさんらしいですね。
そんな抜けた所があるから良いんですよね、でも今回はちょっと驚きましたよ。
あぁ~今、思うとあのルルちゃんの発言は、こうなるって分ってたんだな~やっぱりルルちゃんにはまだまだ敵わないな~」
「何じゃ分からず快諾してたのか!。
ホントにシアキ殿達と居ると驚かされるし楽しいのぉ~。
その様な抜けた所もまた良いものじゃな、ふふ、恐らく我はその様な所があるから惚れたのじゃろうな」
そんな雑談で少し驚きつつも、ゆっくり歩いていたにもかかわらず目的地に到着してしまった。 案内役は置いて来たのでこの後はどうしたものかと考えていると後ろから息を切らし血相を掻いて衛兵達三名が駆け寄ってくる。
「はぁ~はぁ~申し訳ありません案内をする者が腰を抜かしてしまい遅れました。
どうぞ皆様中へ、応接室にご案内させて頂きます。
お仲間の神族様が到着されるまでそちらでお寛ぎください」
衛兵団の隊長招きで検問所なる建物の中に入る。
入って左手に地下へ続くらせん階段が設けられている。
中央奥にはテーブルカウンターが設けられ、そこには受付嬢が座っている。
入って右手に扉がある。
地下の方からは悲鳴やうめき声が聞こえてくる。
恐らく盗賊や罪人が拷問や尋問をされているんだろう。
地下がどのような作りになってるかは分からないが、恐らく聞こえてくる複数の声の音量の差が数階層あると感じさせる。
衛兵団の隊長の先導により、右手側の扉の方へ向かう。
扉を開けるとそこには絨毯が綺麗に敷かれた階段が現れた。
一行は階段を上り二階部分に到着する。
廊下も綺麗な絨毯が敷かれている。二階部分は客人と商談する迎える為に作られたのだと分かる。
部屋が六つ程あり、その扉の前には「空室」「商談中」と掲げられたプレートが掛けられている。
そして「空室」となっている一つの部屋に通される。
部屋にも階段や廊下同様に見事な絨毯が敷かれている。
中央には商談用のテーブルがあり、向かい合うようにソファーが置かれている。
左壁には何かの絵画が飾られている。
右手側には、本棚が置かれている。立派な応接室と言った感じだ。
そして部屋の中央の天井付近に、光源がある。
これは見た事があるルルが作った光源そっくりだ。
少し知った物があり嬉しくなるシアキであった。
そして扉を閉めた途端先程まで聞こえていた、各種うめき声等は聞こえなくなった。
「では、この部屋でお待ちください。今すぐ係りの奴隷に飲み物を持たせます」
衛兵団の隊長がそう言い再度部屋の扉をあけると、うめき声が聞こえる。
そしてまた扉が閉められると聞こえなくなった。
この不思議な現象は何かとシアキは二人に尋ねる。
「なぁ~二人共、変な質問するけどいいか?。 外のうめき声とかが全く聞こえなくなったのはなんでだ?」
「あぁ~これが遮音魔法道具の効果ですよ」
「そうじゃぞ。シアキ殿は皆から聞いた通り全くもって何も知らぬのじゃな」
そして扉ががコンコンと叩かれる。なぜノック音が聞こえるのかとシアキは質問したくなるが、中からの応答なく扉が開かれたので全員視線を扉へと向ける。
少し汚れた衣装を身に纏った女の子が居た。
服装は薄い茶色を基本とした服装。
スカート部分や服のあちこち、ほつれを直したようなものを着ている。
身長は恐らく百四十五センチ前後、やせ形。
髪は黒髪のショートではあるが、眼下まで前髪が掛かっている。
その者は白い汚れのないエプロンを着け、お盆に三個飲み物が入ったコップと、ちょっとした茶菓子を乗せ入室してきた。 何処か危なっかしい。
転倒しなければよいがと全員が心配してしまう思うほど、よろよろと歩きをし運んでくる。
案の定、数回躓き転倒しそうになっていたが無事お盆の上の物をばら撒いたり零したりする事もなくテーブルまで辿り着いた。
「お待たせしました。お飲み物と菓子をお持ちしました」
少し何処か危なっかしさがあるその女の子は各々の前に飲み物と茶菓子をおいていく。 その配膳行為に対しシアキは極々当たり前のように感謝を述べる。
「ありがと~」
感謝を述べられた女の子は、慌ててその場に頭を擦り付け綺麗な土下座をして感謝を述べる。
「め、滅相もありません。このような私めに感謝をして頂けるなど恐れ多いです」
その行為を見て慌ててシアキは席を立ちその子を立たせる。
「ごめん、えっとそんな事しないで立ってくれ?。
えっと・・・ラフェル、フェンラこれはどういう事だ?」
そのシアキの慌てぶりが実におかしいく二人は愛おしく思う。
何故と言われても原因はただ一つだ。
この世界では通常の奴隷と戦闘奴隷とが存在している。
戦闘奴隷は世界法律で守られ地位も補償されている。
だが、普通のただの奴隷は最も底辺な酷い扱を受けるのだ。
そんな普通の奴隷が配膳しようが、善い行いをしようが感謝を述べたりしない。
でもシアキは、さも当然とばかりにその普通の奴隷に対し感謝を述べたのだ。
「本当にシアキさんらしいです。
えっとですね~戦闘奴隷は世界法律で守られ地位も補償されているんですが、ただのその子の様な普通の奴隷は最も底辺な酷い扱を受けるものなんです。
この世界において普通の奴隷を殺そうが、怪我をさせようが、また食事を与えず餓死させようが、各種生体実験で死亡させようが、誰も哀れんだり、況してや善い行いをしたからと言って感謝をしたりする事は無いんですよ。
だからその奴隷の子はシアキさんに感謝の言葉を貰って、今、凄く驚いたんですよ」
「そうじゃな、シアキ殿はそう言う感覚が無い事は良いと思うのじゃよ。
そのお陰で我等もこうして仲間となったのじゃからな。
でもシアキ殿、誰とでも平気で話すのは困りものじゃぞ」
「そっか驚かせたのか、てっきり何か失礼な事をしたのかと思ったよ。
しかしごめんな、えっとキミは名前は何て言うのかな?」
眼前の男が奴隷の身である自分に対して優しく声を掛けてくるので、どう対処したらいいのか分からず、眼を見開き全身硬直し顔が引き攣らせる。
でも質問された内容には答えなくてはならないのだが、名前を聞かれたが、答えられない。
奴隷にされた際、名を奪われたので教える事が出来ないのでさらに固まる。
聞いたのに教えなかったと、理不尽な理由で折檻され、この男の気が済むまで殴り続けられると覚悟し歯を食いしばりまたさらに硬直する。
「シアキさん、その子は恐らく奴隷にされた際、主従契約で名前と記憶を殆ど奪われてると思いますよ。 なので聞いても答えられないと思いますよ」
胸糞悪い説明を受けていると奴隷の子のお腹が盛大に「グゥ~」っと音を出す。
奴隷の子は自分の腹がなった事で、さらなる恐怖を覚え自身の腹を殴りたい気持ちになった。
奴隷仲間で話の途中に腹の音を鳴らし無礼だと言われ殺されたと聞いた事を思い出し、涙が溢れて来る。
「お!やっぱりキミ、お腹減ってるんだな。 そっかそんなに泣きたくなる程に腹減ってったんだな。 そうだよなさっきからキミ血色悪いしフラフラしてたもんな、さっきのラフェルの話し聞く限りだとちゃんと食事を貰ってないなこれは。
俺も人の事をとやかく言えた立場じゃないけどさ、奴隷だからってこんな扱いするとか正直許せないぞ。
えっとうぅ~ん名前が無いってのは不便だな。
よし一応キミの事を仮名で「リム」としてリムちゃんと呼ぶな。
えっとリムちゃん、俺の横に座ってテーブルに置いている皆のお菓子を食べな。
この部屋に居る間は俺達の前でそんなに畏まる事も脅える事もないからな。
正直そう言う行為はやめてくれ。
それとさっき配膳してくれた事は本当に感謝して当然だと思って俺はリムちゃんに感謝を口にしただけだからな。
よし何か俺凄く腹が立ってきた、ラフェル、ここに衛兵団の隊長を呼んでくれ。
リムちゃんの主人をここに連れて来いって言ってやる。
そしてその主人にガツンと文句を言ってやる」
「ふふ、本当にシアキさんらしいですね。 ちょっと待っててくださいね」
扉を開けると衛兵団の隊長を務める衛兵が立っていた。
室内は遮音されているので、中の様子が分からない。
恐らくは奴隷が出たら中の状況を聞き入れ替わりで入る手筈になっていたのだろう。
予想に反して不意にラフェルが扉を開けた事に驚く。
何故?この者が扉を開けたのか疑問に思い、室内に眼をやる。
そこでは通常では考えられない光景があった。
室内で奴隷が客人の男の横に座り菓子を食べているのだ。
そして勘違いする、これは自分が奴隷を叩き切る様をこの者達は見たいのだと。
なんと悪趣味な事をさせるのかと思いながら、長剣を抜き、素早く室内に入り奴隷に切りかかろうとする。
だが予想に反して即座にその長剣を竜人が素手で握り破壊し三つ目で睨まれこう告げられる。
「はい、そこまでじゃ。
この部屋では、そのような無礼な抜刀沙汰を起こすのは許さぬでの。
我の主が、この奴隷の子に食事をさせておるのじゃ邪魔をするでない。
あとこの奴隷の主人をここに連れて来るのじゃ。
猶予は我の仲間のルル殿が戻るまでの間じゃ。
そんなに時間は無いぞ。
早ようせぬと我の主の機嫌を損ねるでな、問答している時間は無いぞ。
早よう呼んでここに連れてこんと、この国の連中は後悔する事になるぞ」
それを聞くなり血の気が引いた青い顔になり慌てて衛兵団の隊長を務める衛兵は駆け出して行った。
その慌てて走り去っていく人族の姿を見てフェンラは笑い出す。
「ははは何じゃあの無様な走りは。 しかし我はどうしたのじゃろうな、その様な奴隷が死のうが平気なのにのぉ~。
シアキ殿のやる事を邪魔されて少しキレてしもうたわ」
「ははは、フェンラちゃんも仲間になったって証拠ですよ。
私もその奴隷の子の命は正直どうでもいいですが、もし奴隷の子に武器が振り降ろされていたら同じ行動してましたよ。
でも先にフェンラちゃんが動いて武器を砕き、的確に交渉しちゃうから私の出番はありませんでしたよ」
「いや~さっきのフェンラは凄かったな~。
もしかして交渉とか駆け引きとか上手いんじゃないか?。
なんか話し方もキリっとして凄みがあったしな。
今後も交渉とか掛け引きとかはフェンラがやってくれると助かるんだかな」
三人が楽しそうに会話をしているのを、奴隷のリムと懐けられた子は、菓子を食べるように指示されているので、こんな異常事態の中なでも忠実に言われた内容を実行しびくびくしながら菓子を頬張り様子を伺っている。
「ん?そんなに脅えなくて大丈夫だぞ。
リムちゃんのご主人をここに呼びつけて、リムちゃんと他の奴隷達にちゃんと食事を摂らせろって言ってやるだけだ。
もし従わないって悪態吐いたら、そんな主人は俺達が引っ叩いてやる。
あとこの国の法律とかどうなってんだ?。
こんな子を奴隷にするとか全く、王に一応会うからその時に俺の目の届く範囲で胸糞悪い事したら承知しないぞって言ってやる」
そしてシアキは少し眉間に皺を寄せ唸り考え込む。
「うぅぅ~ん.........よし決めた! あ!うぅ~ん今から走って行って間に合おうかな~・・。
ホントに奴隷の件とかちょっとした事を伝えたいのに遠距離にいる相手と会話が出来ないってのは痛いな~。
俺の転移ってまだ使えないのかな~再使用までにどれ位で回復するんだ?。
これルルに聞いときゃよかったな・・仕方ない回復してるか確認してみるか」
確認の為にシアキは自身のステータスを開く。 転移魔法(1)ってなっているので一回だけ使用可能状態である事が確認出来た。
先程一回目を使用したのが大体二時間位前だったかとシアキは思い返す。
回復迄に約百二十分掛かるのかと頭で計算し今の所は納得する。
「お!一回だけ使えるな、片道切符か。 うぅ~ん行き違いになる可能性もあるがルルなら何回でも使えるし問題はないか」
一人で結論を出したシアキは目線をテーブルに向けた後ラフェルに指示を出す。
「あ!ラフェルそんな菓子だけじゃその子の空腹は満たせないだろうから、下に居る連中に何か食べ物を持ってこさせて食べさせてやってくれ。
俺はちょっと急いでルルの所に行って来るな。
俺達の村、いや国になるかもしれないんだったな。
俺の国で、奴隷に対しこんな酷い扱いをされると胸糞悪いからさ、俺の国では奴隷は職の一つにしようと思ってるんだがさ、移動前に二人共、今俺が思い付いている奴隷の取扱い条件ってのを聞いて率直な感想聞かせてくれるか。
一つ目は、奴隷にしても、ちゃんと栄養を取らせて飯は食べさせてやる事。
二つ目は、奴隷にしても、病気や怪我をしたらちゃんと治療する事
三つ目は、奴隷にしても、住居と衣服はちゃんと用意してやる事。
四つ目は、奴隷にしても、名前を奪う事や、記憶を奪うとかの行為は禁止。
どうだろう?こんな感じで伝えて徹底させようと思うんだが?
但し奴隷にもちゃんと労働はさせるぞ。
あと奴隷は主人の性的な事も含めて身の回りの世話や労働を支える職って俺は考えているからな不当な扱いに関しても罰を主人に課すつもりだ」
「凄くいいんじゃないですかそれ。
私達の他種族間交流村で・・いや他種族間交流国では奴隷は「主人の身の回りの世話や労働を支える職」ってそれいいですね。
他種族間交流国として実にふさわしいですよ。
その性的ってのは余計ですが、奴隷ですし仕方ないですね」
「我は端からシアキ殿のする事には大賛成じゃよ
しっかし我等ではそんな発想は思いつかん事をシアキ殿は良く思い付く者じゃ、正にシアキ殿はこの世界の異端児じゃな。
でもその条件は正直戦闘奴隷よりも待遇が良いから普通の奴隷に成りたがる者がおるかもじゃな」
二人の意見は賛成のようだ。
奴隷のリムと懐けた子が、眼をパチパチして期待したように見ている。
もしそんな好条件で奴隷が出来るなら、この横に居る男の奴隷になりたいと思うのであった。
「リムちゃんをこの国にも俺がこの事を法律を持ち込めるかは分からんが。
もし俺の今は村だが時期に国になるんだがな、今の待遇に不満があり主人を乗り換えたいとおもうなら俺の国はいつでもリムちゃんを歓迎すからな。
そうだ、ラフェル、フェンラ、序でに一つ聞きたいんだが奴隷契約って破棄とか、主人の乗り換えとかってできるのか?」
「出来ますよ。その主人が奴隷の主従契約を解除すればいいだけです。
ただ契約解除は、その奴隷の主じゃないと出来ません。
そして恐らく奴隷を持つくらいですから裕福で相当性根が腐っている連中や特殊な性癖の持ち主が多いですし・・まず奴隷を手放さないと思いますよ」
「ラフェル殿の言う通りじゃぞ。
でも安心せいシアキ殿。一つ手があるでの。
その主人が死ねば自動的に奴隷の主従契約は解除されるのじゃ。
もし欲しい奴隷が主持ちであれば、その主を殺して手に入れると言うのも手じゃぞ。
この世界じゃこの手も一般的じゃでな、一つの手として覚えておくとよいぞ」
「はははフェンラは結構物騒な事を言うな。
でもこの世界じゃ当り前なんだな。そっか何となく分かった考えとく。
それじゃ~転移片道切符だが回復したし、ちょっとルルの所に行ってくるな。
後は二人に任せるからな、すぐ帰って来るからそれまでよろしくな。
きっとエラル達、いきなり自分達の村が国として扱いとかされるって聞いたら驚くぞ。
どんなモフモフに毛を逆立てるんだろうな楽しみだ」
そう言い残し悪い笑みを浮かべた状態で転移してしまった。
残されたラフェルはやれやれっと頭を横にゆっくり振り、さっきまでシアキが座ってぬくもりが残っている奴隷の子の横に座る。
そしてフェンラは扉を開け下に向かい大声で食事を持って来るように大声で叫ぶ。
その光景を見た奴隷のリムと懐けられた子は、自身にとんでもない奇跡としか思えない位の信じられない状況が繰り広げられている事を、ただ見守る事しかできないのであった。
--- 25話目のみの後書き----------------------------------------
25話目最後まで読んでくださりありがとうございます。
どうでしたか?楽しんで頂けたならうれしいですが。
では、次26話目で、お会いしましょう。




