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---2--- 草原 目覚めそして行動

 さわさわと耳に心地よい草が風でなびく音を聞き男の意識が徐々に覚醒へと向かうが、男は心地よい草の音色よりも、肌寒さを感じ、目を覚ます。


さむ(・・)


 とりあえず男の視界には、青空が見え。

 男は、あの自らに自称を付けた神が本物の神様であったのだと実感すると共に、第二の人生を今迄居た世界とは別の異世界にて始められる事に感謝する。


「お!青空じゃん、これは転生成功って事でいいんだよな! あの神様に本当に感謝だな、ありがとな神様」


 そして、男は今置かれている状況を確認する為に上半身を起こそうとするが、全身にうまく力が入らない事に気付く。

 転生後、しばらくは身動き一つ出来ない事を男は全く知らされていない。


 あの自らに自称を付けた神は、男には転生後の注意点をうっかり伝え忘れているのだ。 一応当の本人はその事に全く気付いてはいません。

 そして男は身体が動かせない事を知り、転生後、初の大ピンチを迎えている事を悟り思考が混乱状態へ陥る。


「おい、おいおいおいこれは何の冗談だよ。

 折角第二の人生を異世界で過ごせるってのに、転生後すぐに死ぬとか勘弁してくれよ。


 体が全くもって動かないじゃね~かよ~一体どうなってんだよ~。

 クソ―あの自らに自称を付けた神め~気まぐれで助けるにしても仕事が雑すぎだろ~がぁぁぁ~。

 さっきの俺の感謝の気持と言葉を返しやがれ~。


 クソ~これ一体どうすればいいんだよ。

 取り敢えず何でもいいから動け、動け、動け、動け~俺の身体動け~」


 数分間、男は必死に体をどうにか動かそうと試す。そして漸く顔を左右に少しだけだが動かせる様になる。

 右を見ても左を見ても、視界に捉えられるのは五センチ程の草のみと、空は青空で太陽の位置が高く時間がお昼位だと言う事だけはハッキリしている。

 あともう一つハッキリ分かっている事は昼だと言うのに凄く肌寒いと言う事。

 季節は分からないが冬に近づいているか、又は、冬が終わり春になって間もないかという気候の外に居るのだろうと男は理解し思わず死を悟るが、冷静に現状自身の身に起きた事柄を分析し始める。

 転生後まったく動かなかった体が、時間経過は定かではないが現時点で顔を左右に動かせるようになった事、少しではあるが指先が動くようになってきている事を考慮し、しばらく経てば体は完全に動かせるようになる可能性が高いとの一つの結論を出す。

 そして男はあの自らに自称を付けた神のする事だ、どうせこのジタバタする光景をどこかから見て腹を抱え笑っているに違いないと思いながら、逆に身体が動くようになるまで動かず淡々と身体を動かし納得する様を見せ付けあのあの自らに自称を付けた神にツマラナイと言わせてやろうと考え目を静かに閉じ全神経を研ぎ澄まして体の各部が動く気配が感じ取れる様に成るまで唯只管に時をやり過ごす。

 案の定、手が、腕が、動かせるような感覚を覚え始める。


「よし腕が少しだがあげられるようになってきたな。 予想通り動くまでに時間がかかるようだな。

 これはゲームでよくある麻痺を食らって一時的に行動不能になるアレと一緒って事だな。


 しっかし自らに自称を付ける位、抜けた神だとは思っていたが、それにしても転生直後一時的な麻痺状態になり動けなくなるってのは結構重要な事だろ、これは転生前にちゃんと教えておくとかしてくれよな、本当に不親切すぎる神なよな全く。

 まぁ~それも自分で考えて行動するのが、この世界での「冒険だよ~!」「人生だよ~!」とか言いそうなのが目に浮かぶな!」


 一応悪態を吐いてみるがあの自らに自称を付ける神が不貞腐れた表情で現れるとかはなく唯々時間だけが過ぎていく。 そして時間の経過と共に腹筋にも力が入れられるかもと男は感じ取り、寝ながらではあるが数回腹に力を入れたり緩めたり上半身を起こす準備をする。

 力が入る事の確認を終えた男は腹筋に力を籠め上半身を起こす。

 そして先ず最初に男は周囲の確認を開始する。

 目にした光景は、まさに四方牧歌的な草原地そのモノのが眼前に広がっている。


 右手には遠いが山脈があるが、此処からでは、遠くて(ふもと)付近に人が住むような村や町があるのかは確認できない。

 左手と後ろ手には遠くに森林があるが、もちろん人が住むような村も町もないし、注意書き程度の看板等の人工物すら確認できない。

 前方は少し小高い丘があるが、その先がどうなっているのかも今の段階では確認する事はできない。

 ()しては、男の周囲に生き物すら何もいないのだ。

 ただ草原のど真ん中と言う感じの個所に、あの自ら自称を付けた神様によって男は転生させられていたのだ。


「てか、なんで草原のど真ん中に転生されてるんだよ。

 ふつう村の近くとか、人にすぐ会える箇所に転生してくれるとかじゃないのかよ。


 おまけに転生直後は体が一切動かせないってのに肉食獣とかに発見され捕食されてたらどうするんだよ。

 ホントあのふざけた奴のする事は一々腹が立つな、もうこれも想定内で絶対どこかで見て腹抱えて笑ってやがるに違いないよな!。


 まぁ~実際、転生前のあのやり取りの時、場所の指定はしてなかったのは俺だしあの時は冒険できるそんな世界って言っただけだしな~一々腹立てててもしょうがないしこれからの事だけに集中するか。

 でも実際問題此処から自力で村や町に辿り着かないとだが...見渡す限り文明圏は確認できないぞ。

 はぁ~転生後のっけから生死を掛けた冒険の始まるとか冗談じゃないぞ。

 愚痴っても仕方ない取敢えずあの自ら自称を付けた神の機嫌を損ねるのは得策ではないし、現に転生させてくれたってのは事実だから其処だけは感謝だな」


 あの軽いノリの、あの自らに自称を付けた神のする事なので、異世界に転生させてくれただけマシと思い心底感謝はしていないが、何処かでこの様子を見られている可能性を考慮し感謝だけを述べ再度辺りを見渡しながら次にやるべき事の思考を巡らせるが、物凄い肌寒さに身震いをし漸くここで自身の身体がどうなっているかを確かめる為に視線を自身の体へ向け男は目をこれでもかと見開き驚愕する。


特にヨボヨボの老人と言う訳でもなく肌艶の良い若い十八歳前後の肉体で一切無駄な贅肉も付いてはおらず、()してや痩せ細っている訳でもない、筋肉も着く所にある程度付き、言うなれば細マッチョと呼称して良い体である。

身長は目測であるが元の身体同様、百七十台後半、又は、百八十台前半であろと認識出来る身長。

体の一部が欠損しているとか、鱗があるとかも一切無い、傷一つない完璧な人の、男の、健康的な体そのものである。


 なら何故男が目をこれでもかと見開き驚愕しているかと言うと、それは今、男は何も身に纏っていない全裸(マッパ)いや正確には、股間部分に楓の葉の様な形状をした三十センチ位の葉が乗せられた状態という、ほぼ全裸(マッパ)状態の姿を目にしたから驚愕しているのである。


「楓の葉みたいなの葉っぱを付けただけの状態の、ほぼほぼ全裸(マッパ)姿なだよ!。

 何でこんな姿で、しかもこの寒さで草原のど真ん中みたいな個所に転生させてんだよアイツは!頭おかしんじゃねのかよ。


 てか服はどうした服は!せめてボロ布とかでもいいから着せとけよ。

 そもそもこんな姿でどうやって人が住む所に行けって言うんだよ、この世界の法律は知らないが、こんな姿で村や町に入ったら確実に変質者として逮捕され即効で人生終わりじゃないか。 いやいやいやもう考えるな!兎に角この状況は非常に不味い状況だし一刻も早く何とかしないと社会的に人生が終わ前に肉食の野生動物に襲われて終わりってのも有り得るぞ」


 この姿を良識のある者に見られた際の自身の社会的な立場の回避方法や野生の肉食動物に襲われて絶命している光景が男の中で過りそれらの解決策を模索し始める。


「って!色々考えるよりも、先ずは服を何とかしないと寒さで凍え死ぬかもだな。

 な、何とか暖がとれそうな服に成りそうな物は・・」


 この頃にはもう完全に体は自由に動くようになっているので立ち上がり改めて範囲に服として使用可能な物が何かないかを目視で探すが一切服として利用できそうなモノが何も無い事を知る。


「うぅ~さむ、どうすんだよコレ、一体どうすれば良いんだよ」


 服に使えそうなモノがないのならと、今度はこの世界で兎に角目先文明圏にたどり着くまでに生き残る為の手段を得なければと考え、転生前に行った自らに自称を付けた神とのやり取りを思い返す。


「たしか、モンスターがいて、剣や弓や魔法やらで、ステータスがあって、エルフや悪魔や獣人や鬼人は竜人やら種族いっぱい居てとか、そんな世界を頼んだんだよな俺。

 そこで冒険とかしたいって願ったんだっけ!!。

 こんな状態でRPGの様なゲーム見たいな世界に放り込めって頼んでないぞ。

 てかどうするんだよ葉っぱだけ装備した、防御力のない全裸(マッパ)状態でモンスターと遭遇して一撃でも攻撃を受けたら確実に即死決定だよな...。

 あぁ~駄目だ何度思い返しても突破口となる物は思い当たらないぞ、これは本格的にヤバすぎる状況だな・・・」


 男はあの時時間を迫られたとはいえ色々確認を取らずに安易な内容のみで転生を頼んでしまった事に少し後悔しこの後をどうするべきか考え視線を下げ自身の股間部分にピッタリと張り付くようにある、楓の葉に似た形状の大きな葉っぱが目に入り男はこの状況に違和感を覚える。 現状立って居る状態なのに葉っぱは紐で腰に巻かれているとかではなく唯単にソコに有るのだ。 男は試しに激しくその場から駆けてみたり、急に停止してみたり、勢い良くその場で回転してみたり、その場で飛び跳ねてみたり、不意に屈んでみたりしてみるが、葉っぱは落ちたりズレたりせず常に股間部分を隠すかのように定位置を維持し続けている。


「なんだ?、これってまさかこの世界では普通の防具だったりするのか?。

 いやいやいや、どんな世界であれ、こんな変質者な格好が防具として認められている訳がないだろうし、そもそもコレの何処に防御力があるんだって話だよな。

 絶対に変質者として捕まる要素しかないぞ、ってそれよりも昼でこの寒さだとしたら、夜になったら絶対こんな格好でいると凍死してしまうぞ。

 本当に何とかしないと、考えろ俺、こういう時こそ冷静にだぞ俺、思考しろ考えるんだ俺、思い出せ、思い出せ、この世界に来る前のやり取りを...生き抜く為のヒントを思い出せ」


 しばらく何ができるのか、あのやり取りが本当ならと、冷静にはなれず焦りながら思考を巡らせる。


「RPGのゲームみたいな事が出来るとするなら、各ステータスを弄れたりとかアイテムボックスが必ずあるはずだ。

 もう一度周囲にそんな物が装置されてたり、武器や服が用意されてないか確かめるか」


 男は再度周辺の草を掻き分けてアイテムボックスや武器や服が無いか探してみるが、それらしい物はどこにも見当たらない。


「くそ、本当に何もないじゃね~か。

 ...次だ次、魔法だ、魔法が使える世界を望んだから魔法が何か使えるはずだ。

 魔法、魔法、魔法、出ろ~。

 火よ出よ~、ん~、火よ~、ん~出ろぉ~。

 水よ~、水よ~、水ぅ~、ん~出ろぉ~。

 風よ~何でもいいから出てくれ~...」


 男は必死に手を前や頭上に(かざ)したりしながら、出ろ~っと叫んでみるが一切何も出ない事を確認し次に「ステータスとか出ろ」っと念じてみる。

 すると前方数センチの箇所に半透明の薄い縦三十センチ、横二十センチ程度の画面の様なものが出現する。

 少し非現実的な事が眼前で起きたので男は驚きはしたが、もう半ばこの世界は何でもありだと思ってきているので眼前の物が何であれ恐れず目を通していく。

 それはまるで、RPG系のゲームによくあるステータス画面そっくりであった。

 内容に目を通し[装備]項目欄に、“大き目の葉っぱ”、と表情されていた。


 服がないかと男は視線を下に向ける、すると画面はゆっくりと下にスクロールし、視線を上にやると上へとスクロールされたので感覚的に視線で操作が出来る事を理解する。


 そして下にスクロールし保有アイテム項目欄内容を見る。

 全く期待をしていなかったが改めて保有アイテムが何もない事を改めて確認し、第二の人生がこれで終わったと男は思い、この後この草原のど真ん中で股間に大きな葉っぱを装備した、ほぼ全裸姿の男が夜の寒さで凍死している情けない自身の最期となる光景を思い浮かべてしまう。


「いやいや、俺の第二の人生そんなことで終わらせね~てかまだ終わってね~ぞ絶対に生き延びてやる」


 生きる意欲を奮い立たせ、最後の希望がまだ残されている事を信じて最後の最後まで画面を下へスクロールしていく。

 そして最期の最期取説欄が目に入る。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

[簡単な取り扱い説明だよ~]


ステータスは開くってイメージ(考えるだけ)で開けるよ~。

かっこよく呪文叫びながら開いても他人には見えないから滑稽だよ。


 一.この画面は本人にしか見えないよ~。


 二.服は書き換え可能だよ~・・・。

   あと書き換えの条件は説明で教えた通りだよ。


 三.他者のステータスも書き換え可能だよ~。

   書き換えは計画的に!!


 四.内容の書き換えとかは、画面操作とかは思考するだけでイケるよ~。

   あ!でも面倒なら口で言っても大丈夫だよ~。


                    byあなたの神より

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 取説を見た男は、あの自ら自称を付けた神様に何も説明されてないのに「あと条件は説明で教えた通りだよ」という項目を見て、イラッとする。

 あの自称神が眼前に居たら頭にげんこつを入れてやりたいと怒りを覚える。


 だが、服は書き換え出来ると言う事が何んとなく解ったので、変質者で逮捕され人生終わり路線は回避できる希望が見えた。

 一先ず服を何とかしようと男は書き換える事に決め行動する。


「うーん、服の銘柄とか解んないし、この世界の一般的な服も知らないしどうすか・・・。

 とりあえず当たり障りのない文言で書き入れてみるか」


 ステータス画面の装備欄に[ 一般服上下、下着、靴、ベルト ]と念じ書き換えてみた。

 すると、一瞬にして、葉っぱだけの装備から表示通りの装備品を身に纏う事が出来た。


「これは便利だ。どうせなら鉄の鎧ってのにしてみるか」


 だが書き換えても反応はない。一度限りのようだと男は諦める。


「しっかし、この世界の一般服上下って、これは麻のボロボロな服上下だよな。

 どうなってんだ?一般の個々の生活レベルとか気になるけど、それはまた今度おいおい知ればいいか。


 よしひとまず服は、何とかなった。


 あとはこの世界の情報が欲しい。

 取敢えずは人が住む箇所を探さねば話にならないよな」


 男は前方の約五百メートルの小高い丘を登ることを決めて歩みを進める。

 丘を登り切り一息付き、周辺を見渡す。


 前方の森の中から、微かにだが薄いが煙が上がっているのが確認できた。

 恐らく、そこに人がいる、そう確信をした男は、その方向へ駆け出した。


 森に近づき、森の入り口手前付近で立ち止まり、ゴクリと唾を飲み込む。

 ビル五階建て程の高さの木々が生え、幹の幅はどれも軽自動車一台分はあるそんな木々がそそり立っている。


 しかも奥の木々が若干動いているそんか感覚までする。

 下手に足を踏み入れたら結構厄介そうな森の前に男はボロ麻の服を着て立っているのだ。


「しっかし、これは確実に、こんなボロ布のような服の装備で入ったらいけない所だよな。

 甲冑とか着て弓や剣とか持って入らないと駄目だよな流石に死ぬなこれ。


 でも人が居る手掛りは、今の所確実なのは、あの丘で確認した薄い煙だけだし、方角的に眼前の先を真っ直ぐに進んでいけば、出会えるはずなんだよな~。

 どうしたものか、あの山脈の(ふもと)に、人が住む村や町が有るか保証無いしな~煙も偶然だし今逃すと煙のあった方角なんて分んなくなるよな。

 やっぱり此処は危険でも、この森の先に居るであろう人か知的生命体と接触できる確実な方を選ぶ方が望みはあるよな。


 もう今の所は手掛かりはあの煙だけだし、あそこに行くしかないのは分かるが、本当に大丈夫か?......ってここで悩んでても餓死して死ぬかもしれないし腹を括るしかないか。

 それに根拠は無いが、ゲームとかだと序盤のモンスターは弱かったりするし、選択画面等は出ない以上、突き進んで冒険をして生き延びるしかない。

 そうだ覚悟を決めろ俺、拾った第二の人生は、この世界で冒険をする為だ、気合だ気合い、よし」


 男は一歩森に足を踏み入れた所で、躊躇し足を止めてしまう。


「で、で、でも何かナイフや草を切る物は必要だよな、うんうん欲しいな・・・それくらいは必要だし、これはビビッて躊躇してるとかじゃないぞ。

 モンスターがいるんだし武器は必要ってだけだ、何かないか?...そ、そうだ、ステータスで装備に武器書き込んだら武器作れたりするんじゃない?。

 そうだよ服みたいに武器が現れるだろ、よしこれは試して損はないよな」

 

 眼前の入ったら容易に出れそうにない森を前にしモンスターがいるかもしれない世界と思っている男の心の危険度センサーが危険である判断しいる。


 早速、男はステータス画面を開く。

 再度開く事も、あんな取説でも一度は目にしたので二回目は容易に開く事が出来た。

 そして装備欄に武器をナイフと書き込んでみた。

 だが、武器は服の時の様に現れる事はなかった。


「なんだよ武器はダメなのかよ、初回サービスで錆びたナイフでもくれよ」


 武器が出に入らないので男は気持ちを切り替え、安全策が講じれないかを考えながら自身のステータス内容を再度確認していく。

--------------------------------------------------------

 マムラ・シアキ

 [18歳][男性][人族_人族_人]

-----------------[上書き][削除][書き換え][接続][切断]---

[主職] 冒険者Lv1


[副職] なし

-[副職予備選択]-----------------------------------------

 打撃魔術士 Lv1 射撃魔術士 Lv1 魔撃魔術士 Lv1

-[装備]----------------------------[▼開く][△閉じる]---

----[装備済み]

 一般着上下 下着 靴 ベルト

-[保有アイテム]-----------------------------------------

 

-[能力]----------------------------[▼開く][△閉じる]---

[総体力値] 350/350(+-)(0)

[総精神力値] 300/300(+-)(0)

[回避値] 10(+-)(0)

[技量値] 30(+-)(0)

[打撃力値] 100(+-)(0)

[射撃力値] 100(+-)(0)

[魔撃力値] 100(+-)(0)

[総攻撃力] [300]

[打撃防御値] 90(+-)(0)

[射撃防御値] 90(+-)(0)

[魔撃防御値] 90(+-)(0)

[総防御力] [270]

[能力値割振り] [300] 0(+-)(300) 

[時限付き(1日)能力値割振り] 0(+-)(300) 

-[取得能力]---------------------------------------------

 ステータス閲覧&割り振り操作

 他者のステータス閲覧&割り振り操作

 打撃魔法 射撃魔法 魔撃魔法 転移魔法(4)

--------------------------------------------------------


「クソ、そもそもこの世界の一般が分からんから、各値が普通かすら分からんな。

 俺のレベルが一だから、滅茶苦茶弱いってことだよな。

 だが取得能力欄に魔法とかあるし魔法は絶対に使えるって事だよな?。

 なんでさっき試した時に何も出なかったんだ?」


 あの自らに自称を付ける神に、この男 (マムラ・シアキと言う者、以降シアキと呼称する)は、転生されたこの世界の様々な理や魔法についての知識、()してやこのステータスの使い方すら何一つとして教えられていないのだ。


 ステータス内容を見る限り自身でも何かしらの魔法は使用出来ると何となく理解したシアキは先程使用出来なかったのは、何か設定をしないと使えないのではと考え、少しだけゲームではどうだったかと思考を巡らせる。


「もしかして、RPGのゲームでよくある、サブ職や本職にしないと使用出来ないって事か?」


 自身の推測を立証する為、シアキはステータスを操作して[副職]の欄に[魔撃魔術士 Lv1]をセットする。

 セットすると少しではあるが、魔撃力値が十上がり魔撃防御値が十上がり他の項目は一切上がらなかった。

 微動ではあるが変動した事を確認したシアキは、これで魔法が何かしら使用可能状態になったと直感し内容を保存しステータスを閉じ、早速魔法が使えるかを試してみる。

 そして元の世界で見たアニメや映画の様に、色々ポーズを取ってみたり、其れらしい呪文を叫んでみたり、地面にそれらしい魔法陣を描いてみたり、手を振ってみたりするが、魔法の「ま」の字を感じさせるものは一切発動しないかった。


「なんだよ~使えないのかよ、やっぱり正しい呪文とかあるんだろうな。

 はぁ~今の俺は一切魔法の呪文を知らないから何も魔法は使えないって事か。

 小さくてもいいから火とかドバーって出れば焚火で暖がとれるのに...」


 火が出る様な思考し愚痴を溢しながら手を振った次の瞬間。

 手の平から火が、火力の低いガスバーナー程度ではあるが確実に放出された。


「!おぉぉ火がシュボ~って出たな、火が出たぞ、スゲ~魔法使えるんだ本当に」


 少し感動し二回程、手の平から火を出してシアキは納得の表情を浮かべる。


「難しい呪文は無しで火が手の平から出るってイメージが大切って事だろうな。

 取敢えずは魔法はイメージって事で今の所は納得しておくしかないな。 本当に手探りだな正に冒険って感じだな。


 よしこれなら草とか焼き払いながら何とか先に進めるな。

 ・

 ・・・

 ・・・・

 ん、いやいやそんな事したら山火事になるじゃん、そんな事したら絶対放火魔として捕まるよな。

 そうだ!!水だよ、水魔法を使って高水圧で切るとか出来るかも、もしかして俺って結構この世界に順応できるかもな。

 よし水がシューって出るイメージ、イメージんんん~。

 ・・出ない...ってなんだよ~まさか火だけしか今は出せないのか??。

 はぁ~魔法って結構不便かもしれないな、取り敢えず森の中では極力魔法は使わない方向で暖を取る際は慎重にしないとだな」

 

 森の中での魔法使用を諦めたシアキは魔法使用でどの項目が変化するのかを確認する為にステータスを開き確認する。

 総精神力値が二百九十になっており、数秒眺めるが短時間での自動回復はない事を確認し終える。


「思ったより一回の精神力の消費量は少ないが、魔法は精神力が減って、短時間での自動回復はしないのか。

 精神力がゼロになったらどうなるんだ?気絶か?死ぬのか?わからんな~。

 でも魔法は、慎重に見極めて使う必要がありそうだな。

 肝心な所で精神力がゼロになってしまった場合怖いし、ここは細目にチェックする事を心掛けないとだな。

 よし取敢えず基本戦術はモンスターと遭遇したら、行動を見極めて兎に角逃げるって事にして武器は森で手頃な大きさの枝を拾ってこん棒にか先端削って槍にして、原始的だが石を投げて投石もありか。

 寝床は現場で安全な所を探すしかないとして最大の問題は食料だが~食べれそうな木の実や果実を見つけたら取敢えず確保だな。


 今考えるれる中ではいい考えだ、よしもう一回口にだして再確認しておこう。

 まず森に入ったら武器を探す、それから食料の確保をする、そして安全な寝床になりそうな個所の選定をする。

 モンスターと遭遇したら、行動を見極めて兎に角逃げる。 


 よし声に出して、やる事を言ったら、少し冷静になれた気がする。


 あとは念のため、素手だしこのステータスの[時限付き(1日)能力値割振り]ってのを、各防御と各攻撃に均等に五十づつ振っておこう。

 恐らくは一日限定で強くなるチート操作みたいなものだろうな」


 ステータス内容を弄り保存した後、ステータスを閉じる。


「よし、取敢えず、今出来る安全策はこれで終わりだ、気合い入れて煙の見えた方角を目指し進み、人と接触して情報を得るぞ~。

 ガンバレ俺、負けるな俺、いざ未知の世界の森の中へ~」


 根拠のない自信を装備した状態でシアキは、森の中に進み消えていく。

 そしてこの森は、ただのデカい木々が生えるだけの森ではない、森自体が一種のモンスターで別名がある事を、知る由もない。

---2話目のみの後書き----------------------------------------

2話目最後まで読んでくださりありがとうございます。

どうでしたか?楽しんで頂けたならうれしいですが。


では、次3話目で、お会いしましょう。

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