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---13--- 冒険前に・・・ そして出発森の外へ

 早朝、何時もの起床時間よりも早くにシアキは目を覚ました。

 寝起きの鈍化した思考で今日の予定と二人には内緒で考えている己のこの世界での最終目的をどの様に気付かれずに進めるかの思考を巡らせつつ上半身を起こし数分間部屋の一点を唯々ボーっと見つめる。


―― .........取り敢えずこのまま素の性格を抑え込み演技を続ければ元の世界とは全く違った人生を歩めそうだな、実に楽しみだ。

 さて今日は旅立ち初日だし、やっぱり普段着用と違ったデザインの服に新調はしておきたいな・・。


 割り当てられた部屋内にはシアキしかいないので徐にシアキはベッドの上に立ち一切躊躇する事無く一気に衣服を脱ぎ捨て全裸(まっぱ)となる。


 数分間ベッドの上で全裸(まっぱ)状態で腕組みをしながらどんな服装にしようかと悩み始める。


―― 一応俺は駆け出しの冒険者成り立てだしあまり悪目立ちはしたくないから普通の感じかいいんだが、この世界の冒険者が防具の下にどんなのを着てるのか知らんしな~そもそも防具を付けるのかな?うぅぅ~ん分からんどうしよう.........。


 割り当てられている室内には暖炉等の暖房設備はない。 よって全裸(まっぱ)なシアキの身体はドンドン冷えていく。 そして身体が自発的に暖を取ろうとぶるりと身を震わせる。


「!すうぅ~さむ...流石にこの格好で考え込むと風邪引くかもだな!。

 まぁ~ここで考えてても仕方ない。冒険者組合で他の冒険者の装備状況を確認するまでは防具は無しにしておくか。

 取敢えずはラフェルがフード系の衣装は必須だって言ってたし、それに合う様な服装を書き込んでおくか」


 因みに元の世界でのシアキは他人以外にも様々な事柄に興味を示さなかった人物であった為、細々した服や小物類の名称を殆ど知らない。

 勿論ステータス能力を使用し何時も衣服生成する際、当たり障りのない曖昧な文言を書き込んでいる。

 今回も[フード付きローブ][長袖シャツ][長ズボン][下着][靴下][ベルト][靴]と書き込む。

 そして書き込みを終え保存すると衣類が生成され一瞬にして着替えが完了する。


「おぉ~結構いい感じの魔法使い風のローブになったな...いやこれは色的にどちらかと言うとオカルト系が入ってるカルト集団の連中が着てそうかも...まぁ~派手な色とかよりはましだが、これはラフェル達の反応を見て着て行くかどうかの確認は必須だな。

 しっかし毎度毎度適当に書いても、それなりの服に成るってのは便利だよな~これ!。 このおまけで付けてくれた能力だけはルルに感謝だな」


 着替えも完了したのでシアキは自室を後にしリビングへと向かう。

 リビングに到着しシアキは床を刳り貫かれたシャボちゃん専用の寝床兼食事場で部屋の観葉植物よろしくサボテン化しているシャボちゃんを発見する。


―― まだ早いからシャボちゃんも寝ているか、起こさないようにしないとだな。


 音を立てない様に抜き足でシアキは台所へ入っていく。 コップを取り水瓶から水を汲みその場でゴクゴクゴクと飲み干す。


「ぅう~流石朝一の水は冷たいな~一気飲みすると頭がキーンってなる・・でもお陰で目は完全に覚めたな。

 さて、まだ早いし皆が起きて来るまでリビングで座って待つとするか」


 台所からリビングへと戻り、食事用の円卓前に移動し椅子を音を立てずに引き腰を降ろす。

 静寂が支配するリビングをシアキは見渡した後、何気にサボテン化し完全に観葉植物としか思えないシャボちゃんを観察する。

 ピクリともシャボちゃんは動かない、まさに植物そのモノで微動だにしない。


 数分後眺めていると何やら気配を感じ取ったのかシャボちゃんはモソモソと動き目に当たる窪みが出来、周囲をキョロキョロと見渡しシアキを発見するや、お風呂から上がるかの如く地面から足を引き抜き実に嬉しそうにトコトコトコと効果音を付けたくなるような動きでシアキの足下へと駆け寄って来る。


「シアキおはよう。もう行くのか?」


 足下に寄って来たシャボちゃんの頭部に向けシアキは一切躊躇なく手を伸ばし優しく撫でてあげながら返答を返す。

 因みにシャボちゃんはシアキが手を伸ばしたと感じ取った瞬間、全身の棘をこれでもかと言わんばかりにふにゃふにゃ状態にした。


「まだ行かないよ~皆よりも早く起きたから皆が起きて来るのをここで待っているだけだよ~」


「そっか分かったシャボちゃん二人を起こしてくるぞ。少し待っててシアキ」


 二人を起こしてくると宣言するなりシャボちゃんはトコトコトコと効果音を付けたくなるような動きで二人の割り当てられた部屋へと向かう。

 そして廊下で一旦立ち止まり最初にラフェルの部屋へ行くべきか、ルルの部屋に行くべきかを悩むように二人の部屋を交互にキョロキョロ見る。 その可愛らしい姿をシアキは素直にかわいいなっと思いながら黙って眺める。

 そしてシャボちゃんは最初に行く部屋をラフェルの部屋とし部屋へと入って行った。 その選択が予想通りだなっとシアキは心で納得する。

 数分後、部屋からシャボちゃんに促されラフェルがルルを引き連れ出てくる。


「なんだ、お前ら話し込んでそのまま同じ部屋で寝てたのか!」


 両者は眠い眼を擦りながらシアキに向け朝の挨拶を交わす。


「シアキさんおはようございます~」


「シアキおはよ~」


「二人共、おはよう~かなり眠そうだな!夜更かししすぎたんじゃないか?」


 いやこの場合、シアキが早起きしすぎなだけである。

 こんな早く起きるとは二人は考えていなかったので()()()()()()()()()()()|は当然ではないかと思うのだった。


 そしてラフェルは眠い眼を擦りつつ微笑みながら答える。

 もうルルは何故か立ちながら器用に半分寝ている。


「シアキさんが、早起きなだけですよ。

 いつもは最後まで寝ているのに、今日に限ってはホント早いんですね。

 ふふふ、らしいですね。

 シアキさんちょっとだけ待っててください。 今すぐ顔を洗って目を覚ましてきますので・・・ふぁ~」


 欠伸を一つして、器用に立ち寝をしているルルを半ば引き摺り洗面所へと二人は消えていく。

 そして洗面所からルルの「ヒャ~なに?冷たい!」っと言う叫び声が聞こえた後、暫らくして洗面所からすっかり目を覚ました二人が戻って来る。


「もぉ~シアキ~ちょっと起きるの早くない?。

 ホントにお陰で~びっくりさせられたんだよ~。

 まぁ~寝ぼけてたとは言えさ~起きたら洗面所で~しかもラフェルちゃんにいきなり~冷水で顔を洗われるし~ホント朝からびっくりさせられた~」


「いやいや、ちゃんと洗うよ~って言って「うん」ってルルちゃんの了解も得てから水かけたんだよ。 まぁ~寝ぼけてたのは知ってたけどまさかあんなに驚くとは私も思わなかったよ。 もう少ししっかり起こすべきだったって反省してるからルルちゃんホントゴメン許して~」


 合掌しラフェルはルルに向け謝罪するがルルはプク~っと頬を膨らませて不服そうな表情を浮かべたままである。

 こんな事で険悪な関係にはならないと確信しているがシアキは敢えてこの場を丸くそして場を和ませる目的の為、ルルに向け声を掛ける。


「いや~ルルその原因を作ったのは今日冒険に出発するのだと思い興奮して早起きした俺にあるとおもうから、怒るなら俺に怒れな。

 でもさ~今日俺達は冒険の旅に出発するんだな、何だかワクワクするな」


 そう言いながら目をキラキラ輝かせるシアキの姿を確認したルルとラフェルはお互い心の中で「あぁ~こう言う所に惚れたのかも私」「あぁ~こう言うのも所を私は好きになったのかも」と呟き、何故かルルとラフェルは目線が合いお互いの表情から思う所が同じだと気付き何だか気恥ずかしくなり照れ隠しを含んだ笑みを浮かべ頷き合う。


「もぉ~そういう()()()~シアキらしいよね~」


「ふふホントですね、シアキさんらしいですね。

 では、早めに朝食摂って準備を整えて出発しないとですね、今すぐ朝食の準備しますが昨日の残りのシチューとパンでも良いですか?」


 内容を聞きシアキとルルは、ラフェルに向けてそれでよい旨を伝える。


「じゃ~温めてきますねので、席に着いて待っててください」


 定位置の席にルルとシアキは着き、シャボちゃんは寝床兼食事場へと戻る。

 数分後ラフェルは台所からお盆に三人分の朝食を乗せ運んでくる。

 今か今かと食事を待っているルルの前に先ず最初にラフェルは配膳を済ませる。

 朝食が全員の前に配膳されたのを確認し全員合掌し食事開始の言葉を合唱する。


「「「「いただきます」」」」


 雑談を交えながらいつものように和やかに食事が進む。

 そして話題がシアキの服装になる。


「ところで、シアキ~その衣装新調したの~?」


「ん!あぁ~折角だから新調したんだ、どうだ似合うか?」


 両者は似合ってると伝えながら頷く。 両者の反応からシアキは変な格好ではないのだと理解する。


「そっか似合ってるかソレは良かった。

 あとルル、この能力は衣装名を適当に書いてもそれなりの服が生成されて便利で服代が掛からずに済むから能力として付けてくれて凄く感謝してるんだがな。

 生成時に一々全裸(まっぱ)にならなきゃいけないのは何とか出来んもんか?」


「ん?着替えるのに~全裸(まっぱ)になるのは当り前なことだからね~そこはどうも出来ないよ~。

 あとあまり~細かく色々指定し過ぎると~変な服になると思うから~今まで通り~適当に書き込んで~服は生成する方がいいよ~。

 その方が勝手に世界が~この世界の概念に合う~それなりの衣装を構築してくれるからさ~」


「やっぱり全裸(まっぱ)はどうにもならんのか~」


 肩をガックリ落とし残念そうにする姿を見てルルはクスリと笑うのだった。


「でも本当にシアキさんはそんな事が出来てうらやましいです。 正直私もその見事なローブとか欲しいですよ」


 その発言を聞きルルが何か悪戯を思いついたように微笑む。


「ラフェルちゃん、欲しいならさ~シアキが一度生成したモノは~消えないから~貰って~寸法とか~再加工して~着ればいいんじゃな~い?」


 内容を聞きラフェルはモジモジし上目遣いで実に期待が込められた目線を向けてきたがシアキは返答は一先ず置いておき、ルルに向け疑問をぶつける。


「ルル、この服を生成する能力について最初の時イラッとしててあまり詳細をきいてなかったからさ、すまんが何点確かめたい事があるから答えてくれるか?」


「うんいいよ~」


「この生成した服、小物類を他者に譲り渡し着せても一定時間が経過しても消失したりはしないのか?」


「私の服の生成原理と~シアキの生成原理は~全くの別物で~譲り渡して一定時間経過しても~消失する事は一切ないよ~。

 一応簡単に言うと~シアキのは私の劣化版みたいなもので~物質自体を一々生成しているから~生成物は必ず残るの~だから譲り渡す事は可能だって事だけは覚えといて~そして~冒険する上で~これは結構便利だと思うよ~色々とね~ふふふ。

 使い方に関しては~シアキが自ら考えて~使い熟してみてね~敢えて私からは何も教えないから~・・・あぁ~今とっても素敵な光景を想像しちゃったよ~」


 内容を聞きシアキはこの能力は冒険の最中、転移不能な環境かで仲間の衣服がずぶ濡れになってしまった際、体温を奪われ続け身を危険に晒すと言う最悪の事態を軽減、又は、回避する事が可能なのだと理解する。

 そしてシアキは色々な想定場面でその様な緊急状態に陥った際の事を想像する。

 個人的な不利な点、いや恥ずかしい点が多少あったがそれを上回る程の利点が多いので、自身が不利益を被る状況に陥らない様に立ち回ろうと結論を出す。


「いや俺は極力ルルが想像している様な光景に陥らない様に立ち回るからな。

 よしじゃ~あとで...いやラフェル今これを着てみて丈とか確認してくれるか」


 そう言いながらシアキは着ているローブを脱ぎラフェルに渡す。 恥ずかしそうにしながらもラフェルはその場に立ちローブに袖を通す。 やはりシアキとの身長と体格差がある為、袖丈は指先が少し出る程度で裾丈は地面にだらしなく垂れる。 これはこれでこのまま着せておいても可愛らしいのでありかもしれないとシアキは一瞬考えてしまうが、すぐに移動中、各種戦闘中に裾を踏み転倒させラフェルの身を危険に晒してしまうので寸法を直しは必須だとの結論に至る。


「ラフェル、そのブカブカな、腕と裾部分等の寸法直しとか出来るか?」


「はい、出来ますよ切って縫うだけですし数分もあれば直せますよ」


「そっか、じゃ~食事後それをラフェルに合うように寸法を直して着てくれ。

 あとそれを脱いでルルに渡してくれるか。

 ルルも着てみてくれ恐らく俺と同じ位の身長だし直さずに済むとは思うんだが一応確認させてくれ」


 残念そうにラフェルはローブを脱ぎルルに渡す。

 渡されたローブに袖を通す。

 袖丈は手の甲辺りに被る程度で裾丈は問題なく殆ど直す必要は無いと判断する。 そしてルルは今着ているのは自分のでいいからとラフェルに小声で耳打ちする。


「シアキじゃ~これ私が貰っちゃうね~あとでラフェルちゃんの生成して~渡して上げてね~。

 でも全裸(まっぱ)でラフェルちゃん用のローブを~生成するとかってさ~かなり非日常的過ぎる光景(シュール)だよね~。


 あと~シアキ今回は特別って事で~教えてあげるけど~~生成する時に~予め寸法指定すれば~小さく作れるはずだよ~~。

 まぁ~出来上がる時に~かなり~体に張り付いて~窮屈だろうけどね~ふふふ」


 悪戯っ子が見せる様な表情を浮かべながらルルはラフェルと目線を合わせる。

 目線を合わせられたラフェルは数秒後赤面しモジモジするのだった。

 何かピンク寄りの妄想を膨らませているのだろうとシアキは勘付くが敢えて触れないでおこうと決める。 そして早く食事を済ませてローブ生成をしようと思い食事を勢い良くかきこむ。


「モグモグモグモグゴックン、ふぅ~ごちそうさまでした。

 よし、俺はちょっと自分の部屋行って来るな、二人はゆっくり食べててくれ」


 言い終るや席と立ち早々に割り当てられた自室へとシアキは戻って行った。


「ね~ラフェルちゃんこれで~シアキの香り付きの服が手に入るね~。

 そして~こうやって~ラフェルちゃんは~何時でも何処でもクンクンして~シアキ成分補充するんだね~」


 態とらしくルルは腕部位をクンクン嗅ぐ仕草をして見せる。

 内容を聞き赤面しつつもこのままルルのペースに呑まれてはいけないと思いラフェルは話題を振る。


「...な!......もぉ~そんな事言って揶揄うのやめてよ~。

 ルルちゃんだってそれ貰ったんだし~いつでもクンクンしてシアキさん成分補充出来るじゃない」


「うんするつもりだよ~ふふふ今頃~シアキは~ラフェルちゃんの為に~全裸(まっぱ)になって~ローブ生成してるんだよ~しかも~ラフェルちゃん用の小さい寸法で~」


 情景をラフェルは想像し赤面しているが実に嬉しそうな表情を浮かべている。


「ふふふシアキさんが全裸で服を生成する姿とか本当に凄く非日常的過ぎる光景(シュール)ですね、あははは、でも凄く良いかも、ふふ」


「だよね~良いよね」


 お互いの顔を見ながら暫らく食事をしながら少し卑猥な内容の話で盛り上がる。

 因みに昨日の夜ラフェルの部屋内で行われた女子会時に一応この事はシアキに絶対に見聞きした内容を話さない(内緒にする)という条件で今後シアキが居ない所では|女性特有の卑猥内容を含む話《女子トーク》を気楽に話そうと言う事が決まっている。


★★★


 女性陣達が女子トークに花を咲かせている頃、シアキは割り当てられた自室内でローブ生成の為に全裸(まっぱ)になっている。

 そして先ず最初に自分用の洗い替えを数枚生成している。


「生成の度に脱ぐのが面倒だなこれ!でもこれで俺の洗い替え用は出来たな。


 あとはラフェル用に丈の短いのを生成すれば良いんだよな。

 どうすれば良いか??。ルルは寸法指定とか言ってたが、これはセンチ単位で指定すればいいか?。

 考えても分からんし失敗してもいいか取り敢えず試してみるか」


 腕の丈寸法を指定し生成してみる。


「お!小さいサイズで生成出来た。

 確かラフェルが着た際の、ブカブカした箇所は、確か十五センチ~二十センチ位はあったな。

 取敢えず幾つか見本を刻んで数着作って、その中から合う寸法のモノを選んでもらってから本番のモノを生成をする方が効率的だろうな、よし作るか」


 五センチ単位毎刻みで自身が着れる限界寸法まで各種寸法見本着を生成し終える。

 二人のサイズに合うモノを選んでもらう為、シアキは一旦リビングへと戻る。

 因みに今シアキの格好はというとこの後生成の為に脱ぐので全部着る事が凄く面倒だと思った結果フード付きのローブだけを羽織って前を閉め裸体を隠している状態だ。


「ラフェル、ルル、すまんが今から俺の部屋に来てくれるか」


 服装に少し違和感を覚えたが両者は敢えて何も言わず席を立ちシアキと共にシアキの部屋へ入る。

 そして両者は室内に入るなり密かに匂いを堪能しベッド上に各種寸法指定され生成されたと思われるフード付きのローブが置かれているのを発見する。


「一応寸法を刻んで色々見本着を作ってみたからさ、二人にはどの寸法の物が良いか選んでくれるか。

 それを基にして洗い替え用を含めて二人の分を作ってしまうからさ」


 内容を聞き両者は早速ベッド上に置かれた物の中から自身の身体に合う物を選びシアキへ手渡す。


「早速これで作るから二人はリビングで待っててくれ」


 両者嬉しそうにリビングへ戻っていく。


 早速シアキは着ているローブを脱ぎ、両者の洗い替えを含めたフード付きのローブを生成し綺麗に折り畳み別途上に其々置き眺めているとこのまま着替えを終えてローブを持ちリビングへ戻るのは実に味気ないと思い何か両者に喜んでもらえる事がしたいとの感情が沸き上がって来る。


―― ん!俺が他者の為に喜んでもらえるような事をしたいって思った?...まぁ~いいか。

 でもするって言っても何がいいかな~真面に何か出来る魔法も財力もないしな~うぅぅ~ん...この手は使えるかもな丁度いい練習にもなるし、二人共俺の事を異性としてかなり好意を持ってくれてるからな上手くいけば労せず二人の心を更にしばれそうかも。

 あと問題はシャボちゃんだがこれはその場で即興で考えて納得させればいいか。

 よしそうと決まれば早速二人に似合いそうなドレスとかを考え生成してみるか、さてどんなのがいいかな~......。


 そしてシアキはラフェル、ルルに似合いそうなドレスの構想を練り始める。


 黒や、紫や、白や、桜色や、赤とかを基調にした物が、あの二人には似合いそうだと大筋を決める。

 ゴシックロリータ風の衣装とか似合いそうだと思うが各部位の名称やこの世に存在するものかを悩む。

 確実に存在してそうなメイド服調な衣装とかも似合いそうだと思うが各部位の名称が分からない。

 なら確実に存在してそうな可愛いドレスや綺麗なドレスとかはどうかと考えたが各部位の名称が分からない。

 結局、各部位の詳細名称を何一つ知らない分からないと言う事にシアキは気付く・・・。


―― 俺って結局興味のある事は追及するが興味の無い事は徹底的に何も知らないな。

 これはアレかアレコレ悩んでても仕方ないし一度試しで生成し出来栄えが良ければ両者に渡す方向で考えるべきかもだな。


「よしやってみ、る、か...・・」


 そう言うが一向にシアキはドレスを生成せずその場で佇む。


「・・あぁ~これ一度着るんだよな~」


 女装趣味を持たない男にとって女性物の服を着用する事は相当な抵抗感が生まれ躊躇してしまうものであり着用する事を己の中で受入れる為にはかなりの勇気と諦めの境地と言う悟りを開く必要があるのだ。

 数秒間の葛藤の末、何処か納得はしていないが悟りシアキはステータスを弄り略々ヤケクソ気味でルル用の寸法にて黒と紫を基調としたゴシックロリータ風の衣装を一着生成してみる。

 生成は見事成功する。


「お!結構いい感じの出来栄えじゃん。

 ・・・流石に恥ずかしいし~このスカートってのはスースーして落ち着かね~。

 あぁ~男の俺にはこれは恥ずかしすぎる、早く、早く脱いで、二人分を次々生成だ。

 もう考えるな、考えるな、これは作業だと思え、これは作業だ。うんうん作業作業作業...」


 恥ずかしさを作業だと心に念じ強引にシアキは心を納得させる。

 次々と両者に合わせた寸法にて衣装やドレスを生成しては脱ぎを繰り返す。

 小物系として穴をあけて調整が出来る様に少し眺めな革製でと思いつつベルトを生成する。


 最初に試しでルル用に生成したのと合わせて[黒と紫を基調とした、ゴシックロリータ風の衣装]二名分生成完了。

 [白と黒を基調とした、ゴシックロリータ風の衣装]二名分生成完了。

 [赤と桜色を基調とした、ゴシックロリータ風の衣装]二名分生成完了。


 [黒と紫を基調とした、メイド服風の衣装]二名分生成完了。

 [白と黒を基調とした、メイド服風の衣装]二名分生成完了。

 [赤と桜色を基調とした、メイド服風の衣装]二名分生成完了。


 [黒を基調とした、可愛いドレス]二名分生成完了。

 [紫を基調とした、可愛いドレス]二名分生成完了。

 [白を基調とした、可愛いドレス]二名分生成完了。

 [桜色を基調とした、可愛いドレス]二名分生成完了。

 [赤を基調とした、可愛いドレス]二名分生成完了。


 [黒を基調とした、綺麗なドレス]二名分生成完了。

 [紫を基調とした、綺麗なドレス]二名分生成完了。

 [白を基調とした、綺麗なドレス]二名分生成完了。

 [桜色を基調とした、綺麗なドレス]二名分生成完了。

 [赤を基調とした、綺麗なドレス]二名分生成完了。


 [可愛いベルト]「お洒落なベルト」各二名分生成完了


 結構な量を作ったのでこれ位にしておこう。

 もう途中から恥ずかしは無く、面倒になっていた。

 一応生成した物はベッドの上にラフェル用とルル用に離して置く。

 そしてシアキは自身の着替えを済ませ部屋の前に出て扉の前に立ち廊下からリビングで待機中のラフェルとルルを呼び付ける。


「お~い二人共ちょっと来てくれ~二人に少し見せたいモノがあるんだ」


 両者はすぐシアキの前までやってくる。


「二人共、理由は聞かず今から俺が良いと言うまで目を瞑っててくれるか」


 両者はお互いに顔を合わせた後、シアキに向け「分かった」と伝え頷き、瞼を閉じる。


「よし二人共、今から俺が手を引い部屋に入るが絶対目を開けないでくれ」


 そう伝えシアキにラフェルとルルの手を引き部屋へ入る。

 ベッド上にラフェル用とルル用と少し離して置いた衣装の前に各人を立たせ位置を微調整する。


「まだ開けるなよ二人共。

 ラフェルはここで立ってそのまま目を閉じたままで待っててくれ。

 ルルはもう少しこっちな...」


 位置の調整が終わったのでシアキは横に避ける。


「よし二人共もう開けていいぞ!」


 ゆっくりと瞼を開け眼前ベッドに明らかに女性用、いや自身の身体の寸法で作られたと思われる衣装とドレスの山を発見し両者は目を見開き驚いた表情を浮かべながらシアキの顔を見る。

 ポリポリと頭を掻き少し照れた表情を浮かべながらシアキは語り出す。


「服の生成過程は考えないでくれ、恥ずかしいから・・・。


 この世界で俺はまだ一文無しの金無し野郎だからさ、二人に何かを買ってあげるとかは出来ないし、こんな物しかまだプレゼント出来ないけど。

 せめて今最大限自分に出来る事で冒険前に色々世話になってる二人に感謝の意味を籠めて何か形に残るモノを渡せないかな~って考えてこうなった・・・。

 こんな物ですまんが良かったら貰ってほしい。

 あ!でも生成過程を知ってるから、気持ち悪かったら燃やして捨ててくれていいからな」


 凄く嬉しそうな表情を浮かべながらルルとラフェルは口々に感謝を伝える。

 

「え!何言ってんの~。 私達の為に恥ずかしい思いしてシアキが作ってくれたんでしょこれ!。

 私は喜んで着るよ~寧ろ着させてよ~。

 気持ち悪さなんかないし~こんな可愛くて~綺麗なドレスとか~私にとって凄く貴重な物を~態々燃やすとか絶対有り得ないよ~。

 まぁ~生成過程を想像したら~床を転げ回る位笑えそうだけど~ふふ。

 すごく嬉しいよ~私大切にするよ~ありがとね~シアキ。

 あぁ~見た事ない形状のものとかあるし今から着るのが楽しみだよ~。

 ねぇ~ラフェルちゃんもそう思うでしょ~?」


「え!うんうんそうだね~ルルちゃん。

 でもシアキさん本当にこれ貰っちゃっていいんですか?。 あとでやっぱり駄目返せとか言っても返しませんよ、いやもう貰っちゃいますからねこれ」


「寧ろ遠慮せず貰ってくれると助かるんだかが?」


「ふふではもうこれ貰っちゃいますね、うぅ~何だろ今まで生きてきた中で一番嬉しいですよ。

 シアキさん、私これ絶対に大切に着させて貰いますね。

 こんな形状のものは私も始めて見ますが本当に可愛いね~ルルちゃん、あとこれなんかも~...」


 二人はゴシックロリータ風の衣装を手に取り可愛い可愛いと言い合う。

 それを見てシアキはホッと(安堵)する。


「じゃ~私達二人は~この部屋で着替えるから~シアキは外に出てね~。

 一応私は~別にシアキがこのまま居たいって言うなら~構わないけど~ラフェルちゃんが恥ずかしがるからさ~今回は遠慮してね~ふふふ。

 あ!もし~私達の着替えを覗きたいなら覗いてもいいけど~出来れば台所に空の水筒があるからさ~それに水を入れててほしいな~」


 一瞬覗き公認かっとシアキは思ったがギロリとラフェルに睨まれこれはやると不味いと判断し、水筒に水入れてリビングで待ってる旨を伝え部屋を後にする。 そしてシアキは台所へ向かい水筒に水を汲むのだった。

 部屋からシアキが居なくなるなりルルはラフェルへ話し掛ける。


「ラフェルちゃん、ラフェルちゃん。 ちょっとお願いがあるの~笑わないで聞いてくれる~。

 私ってね~服とか普段生成して着用するからさ~正直着方が分かんないの~。

 でね~私ねこれを着たいんだけど~着るのを手伝ってくれないかな~?」


 そう言いながらルルは自身の服を一瞬で掻き消し下着姿となる。

 手には黒と紫を基調にしたゴシックロリータ風の衣装が握られている。

 着付けの手伝いを求められたラフェルは笑顔で頷き、着付けを承諾する。


「良いですよ~あとルルちゃん脱衣が豪快過ぎだよ~もっとおしとやかにした方がいいですよ。

 あとちゃんと下着は着けるようになったんだね、何だか嬉し、それに凄く可愛いねソレ、凄く似合ってる。

 じゃ~それ貸してくれる・・」


 黒と紫を基調にしたゴシックロリータ風の衣装をルルから受取り構造確認し着方を頭の中で考えながらルルに着せていく。


「・・うぅぅ~ん構造は多少複雑に思えますが普通のドレスと着方は同じかな。

 まずここを緩めてこうやって上からスッポリ被って...こうしてここを絞めて...あはは、やっぱりシアキさんの体格を基準にしてると腰回りとか結構ゆるゆるになりますね。

 でもまぁ~スカートだしこういう時はベルトを使って......。

 ・ルルちゃん腰回し閉まってるね~ベルト穴を調整しないとっと......。

 ・・あとはこの紐を絞めて......。

 ・・・ほら、これで出来上がり。

 うわぁ~ルルちゃんお人形さんみないに綺麗~すごくかわいいよ~」


 衣装と美人という相乗効果は、より一層美しさを醸し出し高めている。

 何もしなくても身長もありすごい美人なのだ、この結果は当り前なのである。


「そう?ありがと~なんか照れちゃうな~。

 ほら、ほら~今度はラフェルちゃんの番だよ~着替えて~私に見せてよ~」


 この美女は、一点欠点がある。

 黙っていたらもう非の打ちどころのない完璧超人なのだが、故意でやっているのだが、話し方がゆるゆるなのがミスマッチで残念な美人なのだ。 っとラフェルは思う。


 早く着替えて見せてと言われたのでラフェルは頷き、今着ている衣装を脱ぎ、下着姿となる。

 やはり色はルルと同じ系統の色を選び着替え事にし手際よく着替えを終えルルに感想を求める。


「どうかな?ルルちゃん?」


 衣装と小柄な美少女という相乗効果は凄まじい破壊力を生む。

 その愛くるしい姿にルルは思わず抱きしめたくなる欲求を抑えながら感想を述べる。


「うんうん、ラフェルちゃん。 すっごくかわいいよ~もう食べちゃいたいくらいだよ~。

 でも本当に~シアキも冒険の前に~なかなか嬉しい事してくれたよね~」


「ですね~。まさか私達にこんな物を用意してくれてるなんて思いもしませんでしたよ。

 しかも、こんなかわいい服着て、冒険に出かけるとか結構いい気分ですよね。

 ただ残念なのはこの上から無骨な防具を着用しなきゃいけないかと思うと勿体ないですよね」


 少し残念そうな表情をみせる。 それは勿体ないと共感し頷く。


「そんな上から無骨な防具とか着たら~台無しで~勿体なすぎるよ~。

 折角シアキがくれた物をそのまま着れないとか~悲し過ぎるから~私がそんな物を着なくて済むように~防護の加護を服に掛けてあげるよ~・・」


 そう言いルルはラフェルに向かい手を、かざし、防護の加護を服に与える。

 そして部屋にあるプレゼントされた全ての服に手を、かざし、防護の加護を服に与える。


「よし完了っと、そこら辺の防具より防御力ある様になったし~斬り付けられても~殴られても平気になったよ~これでお互い気兼ねなく要らない物を身に付けずに~冒険の旅路へ出かけられるね~」


 本来どんな神族であれ各種恩恵付与をこの様に軽々しく付与させる事は無い。

 そしてラフェルは昨日の夜に行われた女子トーク中に散々驚かされたので、今更一々驚かないがルルの豪快さを目の当たりにし苦笑はするのだった。


「本当にルルちゃんらしいね。 防護の加護恩恵付与してくれてルルちゃんありがとねこれでこのまま行けると思うと凄く嬉しですね、ふふふ」


「ラフェルちゃん、嬉しそ~よかった~」


「嬉しいに決まってるじゃないですか、ほらルルちゃんシアキさんを待たせてますし早くリビングに戻りましょ」


 二人は頷きシアキが待つリビングへと向かう。

 リビングでは、水筒をテーブルに置き席に着き女性陣を待ってるシアキが居る。


「お!二人共、早速着てくれて、ありがとな。


 しかし想像以上に似合ってるな~。

 なんだろう可愛い物が見れて、俺は俄然やる気出てきたかも。

 よしあとはラフェルの防具を着用したら出発しよう。 早く防具着けといで」


「あ~シアキ大丈夫、貰った服、全てに、防護の加護を付けたから。

 そこら辺の防具より防御力ある様にしたからね~。

 斬り付けられても、殴られても平気だからこのまま出発して大丈夫だよ」


「お!そか、なら心配いらないな。

 じゃ~水筒を持って出発だな、シャボちゃん留守は任せたぞ」


 シャキーンっとシャボちゃんは胸を張りエッヘンポーズをとる。


「うん任されたぞ」


 三人と一体は玄関へ向かう。


「では、シャボちゃん、俺達は冒険に行ってくるな」


 元気よくシャボちゃんに手を振り玄関を後にする。

 それに応えるように、元気よく手を振りシアキを見送る。


「いってらっしゃい。シアキ」


「シャボちゃん、お留守番お願いね。

 危険だと思ったら、ちゃんと教わった通りにするんだよ。

 では、いってきます」


 少し、頭をなでなでしてあげてから手を振り玄関を後にする。 元気よく手を振りラフェルを見送る。


「いってらっしゃい。ラフェル」


「シャボちゃん、じゃ~行ってくるね~。

 私が出たら戸締りちゃんとするんだよ~。


 あと本当に危険だと思ったらすぐ捕まっていいからね。

 捕まったら身の安全確保して、私達が来るの待つんだよ。

 絶対怪我しない様にね。シアキが悲しむし、絶対怒るからね。


 では、いってきま~す」


 分かったと頷き、元気よく手を振りルルを見送る。


「わかった。シアキを悲しませない為に絶対怪我しない様にする。

 いってらっしゃい。ルル」


 全員シャボちゃんに見送られ、森の外を目指し出発する。


「ルル聞いていいか?。

 どっちの方角に行けば、冒険者組合がある町や村があるか分かるか?」


 歩きながらルルに訪ねる。


「わかんないかな~上空に飛んで上から見て確認してもいいけど~。

 それよりも~森に直接聞いた方が~早いかもよ~」


 その発言に疑問符が付く。

 もうラフェルは既に昨日の女子トーク中に知ってしまったので、ここは敢えて口をださない。


「森に直接聞くってなんだ?道を尋ねると答えてくれるって事かこの森は?」


「ふふふ、私が何の為に修行をしていたと~?。

 既にこの森を手懐けたのだ~って言ったらシアキはどうする~?」


「ん?そうか手懐けたのか、すごいな」


「ははは、やっぱりシアキはそんな程度の反応か~残念。

 昨日のラフェルちゃんみたいに~派手に驚いて欲しかったけど~まぁ~予想範囲内だから許す。


 一応昨日ね~結界を構築する際に~この円形だけに結界構築するのも味気ないと思ってね~。


 森自体を拠点の守りにしちゃおうかなって思って~結界の構築のついでに~ちょこっと力を行使したんだよ~。

 元々この森の木々一本一本少し動く程度の知能はあったしね~でも~シャボちゃんみたいに知能は上がらなかったんだよね~。

 まぁ~私達三人にだけは反応する様に術式構築して発動させたから~今後新しく迎える仲間とかには従わないって欠点はあるけど、その辺は~いいよね~。

 一応~私達三人からの~簡単な命令なら聞いてくれる様にしてあるから~シアキ試してみて~」


 あっさりとすごい事言っているのだろうが、自身を転生とか出来る奴だし出来て当たり前と最初からシアキは思っているので驚きもさほどない。

 それより、シャボちゃんと自分にした様に、力を行使したのだとすると、また眠気に襲われて一人でそこら辺で寝て身を危険に晒したという事実の方が心配で少し怒りさえ覚える。


「ルル!そんな事より。

 力を行使して、また眠気に襲われて森の中で寝たんじゃないか?」


「うん寝たよ?少し。それがどうしたの?」


 それが何か?っと言う表情を向けて答える。


「アホかお前は!そんな危険な事するなよ。

 もしモンスターやらが寝てる間に襲って来てたらどうするつもりなんだ。 相手を勝手に弱いと侮ってると取り返しのつかない事になったり痛い目を見ることになったりするかもだろうが。


 せめてそう言う時は、俺かラフェルを共に連れて行ってからやれ。

 今回は大事に至らなかったから良かったけど、今後はそんな危険な事はするな頼むから。


 俺が俺自身でやって傷を負ったり、瀕死や死亡するのは全然構わんが。

 もしお前達が傷を負ったり、瀕死になるたりする事態に成ったら、俺はお前達を安全な拠点に縛り付けてから、お前達に害をなした奴を殲滅目的で俺は単独で乗り込むと思う。 それに俺がパニックになる。

 最初に宣言した通り、俺は仲間や仲間にする奴が侮辱とか理不尽な目に合ってたら全力でキレる自信はあるからな、その辺の事をちゃんと理解しておいてくれ」


 思わぬ事で叱られてしまいルルはキョトンとする。

 またラフェルは少しシアキが怒っている事にどうするべきかとオロオロする。


 この世界でルルは恐らく頂点に近い強者なのだ。

 この森のモンスターに寝込みを襲われたとしても傷一つ負わない。

 その事はシアキも分かっているのだが、もし大切な仲間が傷でも負って帰って来たらと考えただけでシアキは嫌な感情が生まれ、且つ、自ら危険な行為をしたルルに強い怒りを覚え何故かシアキは許せなくなっているのである。


「ははは、シアキらしいね、私の事を普通に心配するとかやっぱ変わってるね~。

 モンスターに寝込みを襲われても傷一つ負わないよ~大丈夫心配はいら・・・。


 ははは、そんなに真剣にシアキに見つめられると困るな~でも言われたからには今後は気を付けないとだね~うんうん、そうだよね~相手を勝手に弱いと侮るのは~いけないものね~。

 今後は~力を行使する時は~誰か連れてくね~本当に心配させてごめんね~シアキ~もうしないからね~。

 あとそれとは別にして~私よりも~シアキとラフェルちゃんは~正直弱いんだから~無茶はしないでよ~」


「そうですよ~シアキさんあまり無茶しないでくださいよ。

 私達もシアキさんが怪我したり瀕死とかになったら悲しいですし、もしそんな事になったら感情を制御出来ずどんな行動するか分かりませんよ。


 まぁ~でもこのパーティー内では、今私が一番弱いんですよね。

 怪我したり瀕死とか私が真っ先になりそうですね、あははは。

 それでも今から森の外行くんですから、あまり無茶だけはしないでくださいね」


 そして雑談をしならが森の前に到着する。

 どうしたら森が答えてくれるのかをシアキはルルに尋ねる。


「簡単だよ~まずこの森に名前を付けてあげて~それから簡単な短い命令をすればいいんだよ~。

 やっぱり名前はリーダーが付けてないとね~。 知性低いから~短く簡単な名前にした方がいいよ~」


「そか分かった。じゃ~センスとか関係ないな。 簡単な所で名前は、「森」でいいな。」


 二人は頷く。


「お前達の事をこれから「森」と名づけるいいな。 良ければ少し木々を揺らしてくれ」


その問いに森の木々が風も無いのに不自然に揺らされるのを確認する。


「よし、今後問いに対しては、今からいう行動をしてくれ。

 肯定の際は、眼前の木を一本を、左右一往復で一回で、三回大きく揺らせ。

 否定の際は、眼前の木を一本を、左右一往復で一回で、二回大きく揺らせ」


 眼前の木一本が、肯定の合図として三回揺らされる。


「よし、理解してくれたようだな。

 では、森にお願いする、侵入者が森に入った際は、迷わせて極力この中央に近づけるな。」


 眼前の木一本が、肯定の合図として三回揺らされる。


「次に音は出せるか?何かの方法はあるか?」


 眼前の木一本が、肯定の合図として三回揺らされる。


「どんな方法か見せてくれ」


 眼前の二本の木が距離を詰め、枝で一方の木を叩き音を出している。


「ありがとう。折角音を出してくれたが、それは叩かれて痛そうだからしなくていい」


 眼前の木一本が、肯定の合図として三回揺らされる。

 そのやり取りを後ろで見ていた二人が口をだす。


「森には痛覚はないから~別に痛そうとか思わなくてもいいのに~ホント、シアキは変わってるね~」


「本当にシアキさんらしいですね」


「何言ってる一応もう森も仲間んだからな。 痛そうな事は極力避けるべきだろ。

 よし森~ここから一番近い人がいる街や村とかがある、ある方角が分かれば道を作ってくれ。

 極力出入りを目撃されたくないので、出口は人気の無い離れた位置で構わない。

 出来るか?」


 眼前の木一本が、肯定の合図として三回揺らされる。

 そして眼前の森の木々が移動して綺麗な一本の道が作られる。


「ありがとう森、俺達が通った後は、すぐに元に戻してくれ。

 あと、外から帰ってきたら、同じ方法で道を作ってくれ」


 眼前の木一本が、肯定の三回揺らされる。


「よし皆、道も出来たし外へ、冒険へ出発しようぜ」


「はい」


「は~い」


 三人は森に作られた道に進みだす。

 歩いた後ろは、すぐさま森が動き元の森になっていく。

 結構これは見てて面白い。

 もし急に脇道に入ったらどうなるのか試したくなり、試す。

 道から外れると森が自動で道を作り行き止まりを作り軌道を修正する。

 なかなか賢いので褒めてあげ、眼前の木をよしよししてあげる。


「森~ちゃんと、俺が、道が反れても誘導できるとか偉いぞ~。

 お前結構デカいからご褒美はあげられないけど、よしよししてやるな~」


 眼前の木一本が、肯定の合図として三回揺らされる。

 喜んでいるのだろうと勝手に解釈する。

 そんなシアキを見る二人は微笑えむ。


「あははは、ホント、シアキらしいね~。 ただの木なのに、人みたいに扱うんだね。 変わってるわ~」


「ですね~シアキさんらしいです。ふふふ」


 両者に言われ当り前じゃんって顔をする。


「仲間だからな、俺は仲間には優しいんだ。 お!そうこうしてると、もうすぐ出口ぽいな」


 森の終わり河原に出る。

 薄暗い森から急に出たので、少し視界が白くなる。

--- 13話目のみの後書き----------------------------------------

13話目最後まで読んでくださりありがとうございます。

どうでしたか?楽しんで頂けたならうれしいですが。

---余談---


少しプレゼントとかしちゃいましたね。

でも衣装生成は・・・・想像にお任せします。


では、次14話目で、お会いしましょう。

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