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page8

(はぁ…)

部屋に戻りため息をつくルル。

『沢城 七瀬と言います。七瀬とお呼び下さい。お困りでしたら呼んで下さいね。』

(私と同い年ぐらいなのに、しっかりしてるなぁ…。)

そう思い荷物を片付け始めるルル。

「あ、…。」

カバンを開けてふっとする。

「教科書置いてきた…。」

(ついてないなぁ。)


夜。学校の教室に忍び込んだ。

「うー。暗いなぁ…。さっさと帰ろう…。」

そう思いそそくさ帰ろうとした時だった。

「やぁ!」

「ひっ…!」

なんと、廊下の曲がり角から怪しい男が出てきた。オルキデさんとは違う怪しさというか…。

「今日も月が綺麗だねぇ。」

変態っぽい感じの怪しい人だ…。

「は、はぁ…。」

「君、この学校の子ー?」

「え、ま、まぁ…。」

「名前はー?」

「え、ルっ…。」

名前を言いかけた時だった。男の後ろにあるものを見た。

『だめだよ!その人はあなたの魔力を悪用しようとしてるの!今すぐ逃げて!』

光だ。緑色の。男には聞こえてないらしい。ただ、なんでだろう…。この光が言う事は正しいと思う。

「おーい。どーしたー?」

「あ、あの、私帰ります‼︎‼︎‼︎すいませんでした‼︎」

ルルはそういい、全力で走りだした。しかし、遅かった。

「待ってよー逃げないでよー。ねぇ、に、に、ぐぉ、にぐぉぐおおおおお‼︎」

男の様子がおかしい。ルルの手首を掴み意味不明な事を言い出した。

「ひっ…。」

「オマエガフルールダナ‼︎オマエノマリョクハマカイニヒツヨウダ‼︎キテモラウゾ‼︎‼︎‼︎」

男は蛙みたいな顔になった。

「き、きもち悪いので来ないでくださーい‼︎‼︎‼︎誰か‼︎魔物がいますっ‼︎」

ルルは力いっぱい叫んだ。(誰でもいいから気づいて!)

「ウルサイゾコムスメ!ダマっ…」

「何してるの。」

蛙頭の言葉を遮る言葉が現れた。

(本当に誰か来た⁉︎)

「キ、キサマ…」

「その面で女の子に手を出すとか最低だね。」

(あれ、この声…。)

ルルには聞き覚えがあった。しかし、声の調子が明らかに違う。

「キサマ、ソノコエ…」

「ねえ、その頭臭いね。こっちも臭くなりそうだからさ、斬っていい?いいよね。それじゃあ斬るね。」

「マ、マテ‼︎ヤメッ」

蛙頭の声はそこで途切れた。かわりに、蛙頭のがその場で吹き飛んだ。

(え、なんで…。)

「あ、ごめんね。ちゃんと繋げておこうと思ったけど、切り落としちゃったね。ごめんね。あ、もう死んでるか。」

声の調子を一つも変えず、後ろに立ってた少年が真顔で言う。

「オルキデ…さん…?」

「ん?あ、いたんだ。ごめんね、気づかなかった。今度から気をつけるね。それより君は誰?もしかして昼間に会った人?まぁ、なんでもいいや。オルキデって俺の名前?へぇーそーなんだ。」

目の前にいる人は同じ調子で畳み掛けるように話す。

「あー。眠くなったー。ねよ。君速く帰った方がいいんじゃない?なんかすごい魔力だ…し…。」

オルキデらしき人物は急にそこに倒れこんだ。

「え、え、あ?」

とりあえずルルはそーっと覗きこんだ。鼻提灯を作って爆睡する姿は昼間見たオルキデの姿だ。

「…。このままは…やばいよね…。」

ルルは自分より少し小柄なオルキデを引きずりながら家に帰った。

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