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翌日の朝のこと

はあああぁ、もう学校行きたくないよぉ。だからといって、イリスくん、

一度言い出すと聞いてくれないし。

そもそも、約束した覚えはないのに

何故私、こんな必死になってんの?

大丈夫だよ、堂々としていればいいんじゃないか。でも、堂々って…。

うわーん、私、本当ダメだ。

絶対、イリスくんにも…。




ーー学校にて

「これ、僕が思ってたのと違うんだけど」

イリスくんに、指摘され私はガックリと肩を落とす。

「言われると思った…」

小声でボソリと呟くと、聞こえていたらしく、

「そんな半端なものならいらない、

ルルのくせにいい度胸じゃん、僕に

こんなもの渡すなんて」

と、意地の悪い言葉を返される。

だが、私はめげない。今日こそは

言い返してやるんだ。

「こんなものって、確かに半端なものに変わりないよ!」

しくじったー、マイナスなことしか

出てこない。これだから、

私はダメなんだ…。

「自覚があるだけ、救いだな」

イリスはフッと、吐き捨てるように

言うとヒョイとお菓子の袋をつまみ、

「明日、ちゃんと持ってこいよ?」

と言って、スタスタ歩いていく。

文句言っといて、きっちり持っていくのね…。

明日か…あ、明日⁉︎

思考能力を取り戻したルルは、

慌ててイリスに向かって叫ぶ。

「待って、それってドサクサに紛れて毎日持ってこさせるつもりじゃ…!」

イリスにちゃんと聞こえたのだろうか…。それだけが、気掛かりで

溜息混じりに空を見上げた。

(何か…今日は、やけに雲の流れが

はやいような…)

そんなことを思いながら、学内を

歩いていた時だった。

「…?」

ルルが、目に止めたのは挙動不審の男

(学生…?にしては、制服じゃないし)

来校客なのかもしれないと、

ルルは思い立つ。

何せ、この学園はバカみたいに広い。

来校客が、迷うのはよくあることだった。

うーん、話掛けるべきなのかな?

そう考えた時だった、僅かに2人の

視線が交錯したのは…。

(目があった…?)


この時からだったのかもしれない、

これから続く運命の歯車が回り始めたのは…。

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