Various World開始
開始と言いつつ始まったのか微妙です。
私は帰宅したあと、夕食を済ませ、早々に風呂に入った。なおVarious Worldのインストールは帰宅しすぐに開始、諸々の作業をしているうちに終わっている。
現在の時刻は18時40分で約束の時間まであと20分ある。いまから自分のキャラクターを作成すれば約束の時間にちょうどログインできるだろう。
VRヘッドギアを装着し、起動させVarious Worldを選択する。Various Worldのメニューが表示され、新しく冒険を始める、つづきから、公式サイトへ、などが表示された。
既存のキャラがあるわけでもないので、メニューの一番上にある、新しく冒険を始める、をタッチする。
「ようこそVarious Worldへ」
若い女性の声で、ナレーションだと理解する。
「まず初めにこの世界で生きるための名前を決めましょう」
お風呂に入りながら決めた名前を言う。
「夕月」
自分の名前若槻優の優と槻である。
「yuuduki様でよろしいでしょうか?」
あれ?と思う。もしかしてローマ字表記にしかできないのだろうか?
「日本語の表示にはできないの……?」
ふと疑問を口にしたけど、AIに応答できるのか不安になった。
「申し訳ありません。Various Worldの名前はローマ字表記のみとなっております。」
返ってきた。最近の技術の進歩はすごいと思う。しかし、そうなるとuが並んでると見た目的になんか嫌である。
「yudukiでお願いします。」
「畏まりました。Yuduki様でよろしいでしょうか?」
「うん」
「それではyuduki様、次にキャラクターの作成に移させていただきます。」
ついにキャラクターの作成だが、髪の色を変えるだけなので、そんなに時間はかからないと思う。
「キャラクターの作成については二つの方法がありますが、お聞きになられますか?」
初めてなので聞いておく。
「はい」
「まず最初に現実の自分の姿をそのまま反映し、そこからカラーや身体などを変更していく方法。二つ目に一から作成する方法があります。どちらに致しますか?」
もちろん一番目の方法である。
「一番で」
「畏まりました」
すると目の前に自分自身が現れた。背が150センチほどで童顔なためよく中学生に間違えられた。改めて自分のスタイルが残念だと思い知らされる。
「キャラクターの変更につきましては、口頭で指示をしていただきます」
髪の色を変更するだけと決めている。……ちょっとだけ自分の理想のスタイルにしてやろうかと思ったのは秘密である。
「髪の色を灰色」
すると眼前にある自分の髪の色が灰色になった。なんだか幸が薄そうな少女に見える。
「……これで決定」
「畏まりました。それではVarious Worldを開始しますが、よろしいですか?」
時間を見ると七時になる五分前であった。
「うん」
すると周りが光り出し、チュートリアル場に飛ぶと理解する。
最後にナレーションの声が聞こえた。
「ようこそVarious Worldへ」
次回はチュートリアルになります。