File9: 隠れキャラ
「とりあえずさ、あとの二人を探しちゃおうよ。いつまでもここにいるのも難だしさ」
「おっけぇ〜っす仁長官〜」
蓮……。
「じ、じゃあばらばらになって探そう」
「ばらばらに……」
健は孤独が怖かった。が、
「うん。その方が効率いいからね」
の一言で切り捨てられてしまった。
でもやっぱり三人共怖いのだろう。数秒間の沈黙………。
「「「それじゃあ、行くか」」」
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部屋を出て、健は左へ、仁と蓮は右へ歩を進めた。廊下の両端に階段がついているのである。そしてそれは、上へのものも下へのものもあった。どうやらここは三階建てで、ここは二階のようである。
健はまず下へ向かった。
一階はホテルのロビーのようになっていた。
(いないな………)
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仁と蓮は三階へ行っていた。そこは二階と同じ造りで、両端にある階段と階段を廊下が繋いでいて、その片面側にドアがついていて、それぞれ201、202、203、204、205号室となっている。
「じゃあ俺あっち側から順番に見てくから、蓮はこっちから頼む」
「かしこまり〜♪だっちゃ!」
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205号室のドアを開けた。やはり二階の部屋と同じ造りである。
(ここにはいないな…)
仁は204号室へ移った。が、204号室のドアを開けたまま、固まってしまった。
「……な…なんで……お前が……ここに……!?」
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201号室に入った蓮は、慎重に部屋を調べる。皆の前では気楽そうに見せているが、実は、頼りにされたいのだ。信頼されたいのだ。注目されたいのだ。それが、こういう行動に走ってしまう…。
すると、遠くから仁の叫び声が聞こえた。
「うわぁぁぁぁぁ!!やめろぉぉぉ!!健ーー!!」
健……?
訳がわからず、205号室へ向かった。が、仁の姿は無い。204号室か…!
204号室のドアを開けて、蓮は驚愕した。仁がベッドに倒れているのだ。
「ひ…仁ぃぃぃ!!」
息は………もうなかった。




