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隠れキャラ  作者: 魔狗羽
13/13

File13: 狂気から日常へ

二階。106号室。一人の男がベッドに腰掛けている。男は迷彩服を着て、ベルトを巻いている。そしてその真ん中にはスイッチがついている。


"キョウキニ、スベテヲマカセテ----"


男はくっくっと笑う。


男の隣には同じ服装の男が、ベッドに俯せになっている。


男は笑い続ける。


その時----



「「ここか!」」



二人の男が入ってきた。二人の男の名は-東条 健-と-渋木 純-だ。


--------


数十分前。204号室にて----


「二人ともこのゲームを終わらせる方法が一つだけある」


「え…?」


「このゲームの主催者を見つけだす…!」


「……!」


--------


ベッドには男が座っている。笑っていた。その隣には、迷彩服の男が俯せになって倒れていた。


「お前は高野仁か?高野涼か?」


なおもくっくっと笑い続ける男に純が聞く。


「そんなものはどうでもいい。それより早く殺し合いを見せろ。早く死んだ姿を見せろ。………くっくっ、みんな俺がいじめの時に言われた言葉だ」


「じゃあ…お前は高野涼か!」


ふう、と男-高野 涼-がため息をついた。


「そうだ。俺はこのゲームの主催者であり、このゲームの隠れキャラだ」


「隠れキャラ……」


「火宮のゲームの説明書には書いたがな…隠れキャラは俺だ」


「隠れキャラ…だと…?ふざけんな!強制的に人殺しさせて、しかもこのゲームを散々引っ掻き回しやがって!俺達は知ってんだ!お前の行動全てを!」


「ふっ……」


「まずお前は106号室で倒れた振りをした!そして隣の部屋の拓に見せ付け、実質上二人目の"鬼"にした!そして204号室に潜み、仁を殺したんだ!さらにそのあと、動かなくなかった仁をここに運び、俺達を撹乱させた!」


純は、一息に言った。息遣いが荒く、はぁはぁと、かなり興奮している。


「お前は…お前は何がしたいんだ!これだけ兄弟とその友達の命を弄んで!何がしたい!」


「俺も言ってやりたかった……何がしたい、ってな…」


「え…?」


「俺は小学三年生の頃からいじめられ始めた。

そしてそれは段々とエスカレートしていく。

俺をいじめた奴等は俺を"ゲーム"で遊んだ。

ある時は"今から三十分以内に八百屋から野菜を盗め"、と言い、ある時は"駅で五人以上の通行人を殴れ"と言った。

それらは強制的に始められ、出来なければ"罰ゲーム"があった。

それに何年も耐え続けていた。

ある日、奴等は俺に"兄のノート三冊にペンキを塗れ"と言ってきた。

罰ゲームが怖かった俺はそれをやった。

そして兄に何故やったか理由を聞かれた。

俺がいじめを受けているのはなんとなく知っていたみたいだが、ゲームのことを言うと兄は驚いていた。

が、兄は"ま、頑張れよ。

いつかはそいつらも飽きるだろうし"と言った。この辛さは…"ゲーム"をやったことのある者にしかわからない。すると突然この辛さを多くの人に知ってもらいたくなった。これが…全てさ……だがその結束力を見せ付けられて、逆に自分の孤独を改めて思い知らされたがな…」


健と純は唖然としてしまった。仁がそんなことを言っていたなんて…。


気がつくと、純が震えていた。


「ふざけんじゃねえよ……全然お前の気持ちなんかわかんねえ!…お前は…一生ゲームの中で苦しむんだ!この野郎!」


純が……涼のスイッチを押した。


純の言葉にはっとなった涼は、そのままでベッドに倒れこんだ。その顔が少し悔しそうだった。もちろん、ゲームで負けたからではないだろう。


--------


「おはようございまーす」


朝のホームルームの時間、健と純はぼーっとしていた。あれから初めて通う学校だ。学校や家にはちゃんと休んでいた間の話はついていたらしい。

ただ、健や純の友達三人と高野涼は行方不明ということで、警察が捜索している。学校にも家にも警察にも本当のことは言う気がしなかった。


二人は教室の窓を開ける。朝ということもあってか、日の光が眩しい。


二人と純の妹は、また"日常"の中で暮らし始めた。だがこの先日常から消え去った友達や涼のことは、絶対に忘れないだろう。


     -完-

こんにちは!魔狗羽です!(この後だらだらと自己満を語っていくので、飛ばしていただいて結構です(笑))


全13話の長編"隠れキャラ"!この小説は僕が初めて書いた小説です!今日これを仕上げた時には達成感で胸がいっぱいでした!File10:辺りで「次の話はどうしよう」と悩んでいた時に、応援メッセージ(アドバイス)をいただき、そのアドバイスに沿って最後まで頑張りました!嬉しかったです!


小さい頃から本が好きで、こんな面白い話が作れるなんて、とよく思っていました。そして今、僕は話を作る側になりました。面白くても面白くなくても、(よくも悪くも)何かを感じた方は、よければ僕までメッセージを送って下さい!お願いしますm(__)m


では、また次の作品で(^_-)-☆

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