File11: 真実と犠牲
「ど…どういうことだよ!」
すると、純は少し顔を上げ、また土下座のまま俯いてしまった。
「おい純!なんとか言えって!」
そうして、ようやく純は語りだした。
自分の妹が捕われていること。自分にこのゲームで"鬼"の称号が与えられたこと。自分と妹を守る為には友達を殺さなければならない、また友達を守るために自分と妹を犠牲にしなければいけないこと。
「今も階段の上から見てたんだ。拓が健を殺そうとするとこ。そうやって俺以外の奴等が殺し合ってくれれば俺が殺すのは一人で済むと思った…妹と………自分の為に…」
「じ…純…」
「はは…俺は最悪な奴だよな…友達同士の殺し合いを黙ってみてたんだから…しかも死ななかったから……悔んだしな……」
「…………」
健は何も言えなかった。言ってはいけないような気がした。長い間考えに考え抜いて出した結論に文句はつけられなかった。例え犠牲が自分達だという結論だったとしても…。
--------
二階にも誰もいない…
二階を蓮はずっと探していたが、一向に仲間は現れない。一階へ行ってみようかな…。
すると、誰かが一階から上がってきた。
「お〜い!」
無反応…。
「お〜い!誰だ……」
蓮は固まってしまった。死んだはずの仁が…いる。
「え……ひ…仁……なんで…?」
仁がゆっくりと近づいてくる。
「蘇生したのさ…」
「う…や…めろ……」
蓮は廊下に倒れた。