File1: 独りの夢
「健、今日何する?」
純が公園のぶらんこで立ち乗りしながら俺に聞いてきた。
「ん…何するっつってもね…」
「…何だよ、もういいよ。帰ろうぜ、皆!」
……"皆"………?
俺は今、昔からの親友-純-と二人で話していた…はずだった。
それなのに、"皆"……?
…すると、公園の陰からクラスの皆が出てきた。
「……な……!」
元々、純はこんな短気な性格ではない、というか何も怒らせることは言っていない。
しかも、突然現れたクラスの友達四十人も怒った、というより物凄い冷たい目付きで俺を見下している。
「な…なんなんだよ!俺がなんかしたっつーのかよ!」
俺の叫び声に反応したのかそうでないのか、友達が一人、また一人と公園から去っていく。最後に純が「お前は一生ゲームの中でもがき苦しむんだよな、この裏切り者が…」と言い残して、去っていった。
……ゲーム……?
ただ一人で立ち尽くしていた時、いきなり視界が真っ赤になり……………目が覚めた。
……夢?朝から随分変な夢を見てしまった……って、ここどこだ!
家…ではない。絶対。一応ベッドの上で、掛け布団もかかっている。でも……。
何が何だかわからず、眠気がすっかり覚め、ベッドから跳び起きた。
そして、気付いた。
腰に、黒いベルトのような物が巻き付いていて、ちょうど日曜の朝にやるレンジャーもののアニメの戦闘服のように、ベルトの前(お腹のあたり)に何か付いている。それには蓋がついていて、指をかけるとカパッという音と共に、簡単に外れた。すると、蓋を開けたのと同時に、中から紙がはらり、と落ちた。その紙を拾い、その小さい面積の中にぎっしりと書いてある文字を読み始めた。
[運命のサバイバルゲーム!大切な仲間を蹴落とし、自分の命を守り通す、そんな勇者は誰だ!]
なんだ…これ…?
運命のサバイバルゲーム…?
大切な仲間…?
多く疑問を抱えたまま、とりあえず読み進む。
[このゲームのプレイヤーは五人!ゲームのクリア条件は簡単!自分以外のプレイヤーのベルトに付いているスイッチを押し"ゲームオーバー"にすること!もちろん自分で自分のスイッチを押すのは自殺行為!それでは…GOOD Rack!!]