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1話 鏡との出会い

初めまして小説好きです。今回はただの料理好きな高校生が不思議な鏡と出会う話です。

 トントントン…ジュージュー…

「お母さん、ご飯できたよ」

「いつもありがとね、ほんと透は料理好きね」

「うん…あっもう時間だ!学校行ってくるね」

「行ってらっしゃい!」

 

 僕は、石川 透。

 どこにでもいる料理好きの高校生、将来は料理で誰かを笑顔にできる料理人になりたいと思っている。


「おはようございます」

「透おはよ!」

 幼なじみの朝倉 陽向だ。僕の料理を美味しいと言ってくれる、唯一の友達だ。

「みんな席に着いてください。出席確認をします」


「起立、礼、着席」

「今回の授業では将来について話します。順番に前に立って将来の夢を話してください。まず1班から」

「私は保育士」

「俺は公務員」

「僕は料理人」

 その瞬間、教室が少しざわついた。

「料理人って大変じゃない?」

「今どき安定しないでしょ」

「夢見すぎじゃね?」

 聞こえてくる笑い声。

 僕は下を向いた。料理人になるのが簡単じゃないことぐらい、前からわかっていた。

 でも、どんだけ大変でも僕は料理で誰かを笑顔にできる料理人になりたい。

「……」

 何も言えずに立っていると、

「俺はいいと思うけど」

 突然声が聞こえた。

 声がした方を見てみると、陽向がまっすぐ僕を見つめていた。

「透の料理、何回も食べたけどさ。本当に美味しいと思ったよ」

「陽向…」

「夢って簡単だから選ぶものじゃないだろ?」

 教室が静かになる。

「透が本気なら、俺は応援する」

 その言葉が胸に残った。

 たった一人の言葉だった。

 でも、その一言で少しだけ前を向けた気がした。


「さっきはありがとう」

「幼なじみとして当たり前のことをしただけだよ」

「……陽向がいてくれてよかった」

「急に照れること言うなよー」

 陽向は笑いながら頭をかいた。


 学校が終わり家に帰っている。

 やっぱり、料理人諦めようかな。クラスメイトに安定しない、夢見すぎとか言われたし。でも、お母さんと陽向は応援してくれている。どうしようかな、


「ただいまー」

「おかえり。帰ってきてすぐで悪いけど、今からおばぁちゃんの家行くわよ」

「どうしたの?」

「物置が散らかってるから片付けるんだって。」

「はーい。準備するねー」


「こんにちは」

「久しぶり、透。」

「久しぶり。物置ってどこだっけ?」

「透、物置も忘れたの?」

「随分来てないししょうがないよ。」


 物置に来てみると、とても散らかっていた。たくさんのものがあり、片付けるのは大変そうだ。ある程度片付けてみると、とても古い手鏡があった。

「懐かしいー。お母さんが子供のやつじゃないー」

「その鏡だけは捨てられなくてね。不思議と誰も持っていこうとしなかったんだよ。欲しいかい?」

「綺麗だし、欲しい。」

「家に帰ったら鏡磨いてみな」

「うん」


 家に帰ると、僕は早速鏡を磨いてみることにした。磨き方はよく分からないのでハンカチで磨いてみた。手鏡を磨きだした、その瞬間だった。

 鏡の奥が、水面のように揺れた。

「……やっと見つけた。」

 声は、鏡の中から聞こえた。

作品を最後まで見てくださり、ありがとうございます。不思議な鏡との出会いで透はどう変わるのか、鏡から出てきたのは誰なのか、次回で分かります。次も楽しみに待っていてください。不定期投稿なので遅くなるかもしれないです。

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