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勇者パーティの一員ですが、転生チートがまさかのマヨビームでした。……マヨビームで世界って救えますか?  作者:


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経験者は語る


「先代の魔王様がちょっと……色々とアレだったのよね」


「アレとは?」


「そーいう系」


そーいう系、とバルバトスが指さしたのはラウムだ。

整えられた爪先が示した先を見て、エマはこっくり頷いた。


「なるほど、脳筋ですか」


「誰が脳筋だ!!納得してんじゃねぇー!!」


「しかもねぇ~、ラウムさんみたいなただの脳筋ならともかくぅ~、性格が横暴で身勝手なクズだったのぉ」


さっくり脳筋を肯定しながら、頬に手を当てて追加情報を投下してくるソアラ。


「……なんでそんなのを魔王に?」


「魔族の王は純粋に力で決まるんだ」


頭が痛そうにアストが額を押さえる。

どうやら前魔王の負の遺産がイロイロあって大変らしい。


「……って、ちょっと待って」


…………と、いうことは?

勇者パーティ一同の視線がグリオンへと向く。


この子が一番強いの……?


「マジで……?」


思わずクルトが呟いた。

激しく同意しかない。


「父王の統治に反感を抱いたグリオン様が奮起して下剋上したのが、いまから250年ほど前よ。魔族領でも最年少の魔王の誕生ね」


「先代のやらかしのお陰でずっとお忙しく、これ以上負担をかけるわけにはいかない。ただでさえ先の戦いで失った力の一部はまだ回復していないのに……」


そうして最年少魔王であるグリオンくんは、立派なワーカーホリックへと進化したらしい。


睡眠は一日数時間、食事は適当、書類を片しながらなにか口にすればいいほう……。休まないから回復が追い付かず、最近はもっぱら目の下のクマがトレードマーク。


「寝ろ」


話しを聞いたエマは低っっっい声でそう告げた。

目が据わっている自覚はあるし、声は地を這うごとくに低い。


「いますぐ寝なさい」


「平気だ」


「平気じゃない!死にたいのっ?!」


叫んで、グリオンと四天王たちを睨みつけた。


「過労、なめんな」


突如キレたエマに部屋の中に困惑が広がる。


「エマちゃん、落ち着いて。グリオン様を心配してくれるのは嬉しいけどぉ、死ぬなんてちょっと大げさ」


「大げさじゃないです」


ソアラの言葉をぶった切る。


「栄養不足に、睡眠不足。大したことないって思うかもしれないけど、それで死ぬこともあるんですよ。実際、それで私は死にましたから」


へ?と誰のものかもわからない声が複数もれた。


「私の前世の死因、過労死なんで」


「マジで……?」


以前、クルトやミレーヌの前世や、前世を思い出した切っ掛けは聞いたが……エマのことは話していない。

あまりにも自分と大ちがいな2人のヒーロー・ヒロインっぽいエピソードに「うふふふふ……」と乾いた笑いを漏らしていたため、クルトたちも聞くのをためらったぽい。


「ちゃんと食べてたし、数時間とはいえ毎日寝てた。でも死にました。ぽっくりとね。そーいうこともあるんですよ」


ざぁっと顔色を悪くする四天王たち。


「私だって死ぬなんて思ってなかったですよ?現にその日だって普通に会社行って、残業してましたもん。寝不足による慢性的な頭痛とか、頭がぼーっとすることはあったけど動けてたし、まさかそれで死ぬとか思わなかった。けど帰ってきて、ご飯食べてて、そこで記憶が途切れておしまい」


いよいよ四天王たちの顔色がヤバい。


「頭痛って……」「それまさにグリオン様の状態では?」とざわついている。


実際、魔族だし人間より体とかも強いかもしれないが……そんなこと知らん。

人形みたいな顔に不釣り合いな真っ黒なクマとカサついた唇などからも、体調が万全でないことだけはたしかだ。


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