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勇者パーティの一員ですが、転生チートがまさかのマヨビームでした。……マヨビームで世界って救えますか?  作者:


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乙女の尊厳はなんとか死守した


眼鏡さんは第一印象通りやっぱり役人さんだった。

勇者パーティ行が訪れたという報告を聞き、助けを求めるべく探し回っていたらしい。


そんな眼鏡さんの話によれば……。


海にクラーケンが出没し、そのせいで漁が出来ないらしい。

ちなみにクラーケンには巨大イカ説とタコ説があるが、今回出没しているのはイカさんの方だそうです。


「つまり、クラーケンを倒せば新鮮な魚介類を食べれるわけですね?」


「え、ええ……まぁ。漁ができるようになりますから」


論点がなぜか魚介類の方にいき、眼鏡さんは戸惑いながらも頷く。


「よっしゃ。サクッと倒してくっか!」


「許すまじ、クラーケン!」


そんなこんなでクラーケン退治、決行です。


目的がなんか港町の人たちを助けるよりも「魚介類食べたい!」に傾いている気もしますが、クラーケンを倒す=人助け=魚介類GET!なので問題はありません。



「……くっ……不覚っ」


息も絶え絶えで船のヘリを強く掴む。

危険を伴うにもかかわらず、名乗りをあげ船を出してくれた漁師さんらと海に出たエマたち。


標的であるクラーケンとはわりとすぐに遭遇できたのだが……予想外の苦戦を強いられていた。


「……ううっ」


「……すみません、クルトさん。ハリソンさん……」


「面目ない……」


がくりと膝をつくエマ、ミレーヌ、レオン。


「おおぉーい。大丈夫か、嬢ちゃんたち……」


色んな意味で心配そうにエマたちを気づかうおっちゃん。


予想外の苦戦。


クラーケンがどうこう以前に、エマたちは船酔いしていた。


うっぷ、と込み上げてくる吐き気を必死に抑える。

乙女の尊厳を守るためにも超えてはいけない一線があるのだ。


馬車酔いはしなかったので、三半規管はそれなりに強いと思っていたのだが……船酔いはまた別だった。


クルトとハリソンは平気なようで、クラーケンの相手は主に彼らがしている。

特にクルトはそのずば抜けた身体能力を活かし、空を飛ぶソルトを足場にクラーケンに斬りかかってはソルトに飛び乗り、と大活躍だ。


……とはいえ、足場が不安定なことと、あまりの巨体相手に戦況は芳しくない。


船上から攻撃という点では遠距離攻撃が一番望ましいのだが……それが出来る魔法使い2人が船酔いでダウンしているため地道に剣で削っていくしかないのだ。


それでも1本、また1本とクルトとハリソンに足を斬りおとされたクラーケンが狙いを船に定めた。

マストに絡みつこうとしたそれをハリソンが間一髪で斬り落とす。

衝撃にまた、船が大きく揺れた。


うえっぷ、と込み上げてくる衝動を堪え、エマはよろよろと立ち上がる。


愛用のフライパンを手放し、魔法の鞄(マジックバック)から別の武器を取り出し、掲げた。


そこへ叩きつけるようにクラーケンの足が振り下ろされた。


「エマッ!!」


据わった目をしたエマは両手に握ったそれを交差したまま掲げる。

叩きつけられるはずだった2本の足が、ぷっつりと途切れた。


「さっきから……どったん、ばったんと荒波立ててんじゃないわよっ……」


怒りの呟きと共にエマが掲げたそれは万能包丁。


エマの武器:なんでも切れる万能包丁。


      中華包丁でおなじみの身幅が大きくて四角い万能包丁です。

      切れ味抜群でなんでも切れます。

      岩でも魔法でもあっという間に一刀両断☆


相変わらずふざけた説明つきの、微妙なくせにある意味高性能なおニュ―の武器だ。


説明どおりに切れ味抜群で、刃の部分に触れたものが勝手に切れてくれるのでクルトみたいに身体能力の高くないエマでも扱える。


ただし料理には使えない。(使う気もないけど……)


なんでも切れてしまうため万が一調理に使おうとすれば、まな板ごと一刀両断という包丁として本来の機能放棄している一品だ。


2本の足を奪われたクラーケンが怒りも露わにさらに2本の足を振り下ろした。

だけどそれも再びぷっつりと途切れる。

これで足はあと3本。


残る足もわずかになり、バランスも取りずらいのかクラーケンの動きは明らかに鈍っている。


「エマ、ナイス!」


叫んだクルトが剣を両手にソルトから飛び降りる。

エマの方に意識を集中させていたクラーケンの脳天にその刃を突き刺し、重力とともに切り裂く。


衝撃にひとしお強く船が揺れ、エマたちは吐き気を押さえた。


「陸に……早く陸に戻ってくださいぃ……」


「お、おう!任せろっ」


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