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勇者パーティの一員ですが、転生チートがまさかのマヨビームでした。……マヨビームで世界って救えますか?  作者:


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魚介類がない……だとっ?!


なぜ人はそれを見ると叫びたくなるのだろう。


レオンの怪我もすっかり癒え、再び旅を続けて数日。

小高い丘を越えたところでそれは見えた。


「うわぁ~、海だぁ~~!!!」


吹き抜ける風に髪を押さえながら歓声をあげた。


微かに漂う潮の匂い。

見下ろす眼下には陽光を受けてキラキラと水面を輝かせる青い海が広がっていた。


「すげー!!この世界で海、はじめて見た!超テンション上がるんだけど!」


「綺麗ですね。まるで絵葉書の風景みたいです」


転落防止のために設置された柵から身を乗り出すようにして海を見下ろす。

一同、テンションアゲアゲだ。


「3人とも以前は海は身近だったのか?」


外交の関係で船旅もしたことあるレオンが不思議そうにエマたちに問いかけた。


「私たちが住んでた国、島国だったんで」


「なるほど」


「あっ、たぶんレオンたちが思ってるよか国の規模デカいからな?移動手段が発達してるからあっちこっち行けたんだよ。それこそ“飛行機”っていって空を飛ぶ乗り物なんかもあったから」


「空を……?!」


「なんと、それはすごいですね」


笑いながらクルトが放った言葉にレオンもハリソンも目を見開いて驚く。


エマたちがこの世界で海を目にしたことがなかった理由。

それは単に海が珍しいという理由ではなく、特殊な仕事にでもついていない限り生活範囲が極めて狭いからだ。

実際、今回の件があるまでエマは馬車すらほぼ乗ったことはなかった。


こうして旅に出たからこそ色んな場所を目にしているが、そうでなければ一生王都から出ることがなかった可能性の方が大きい。


飛行機に興味津々なレオンたちから「どのような乗り物だんだ?」「あちらの世界では魔法はないのでしたよね?原動力は一体……?」などど質問攻めにあいつつ坂を下る。


目が覚めるような青に自然と足も早まるというものだ。

さらには海だけでなく、船や港町まで見えればわくわくもより一層。


「新鮮なお魚っ、エビ、カニ、ホタテに貝っ!!」


食欲が掻き立てられます。


「そーいやレオンたちって刺身食えんの?」


「刺身……生ではあまり食したことはないな……」


「カルパッチョならありますが……」


「え~、もったいない!」


「でも確かに、私もこっちではお刺身を食べた記憶がないですわ」


「俺も俺も。それにほら、しょうゆがねーじゃん。いまはエマが出せっけど」


「それもそっか」


エマたちが住んでいた国にも海はある。

科学が発展していないかわりに、魔法というチートがあるので王都に住んでいても魚介類はそれなりに手に入った。


それでも文化的にかお刺身を食べた記憶はなかったが……そっか、しょうゆがなかったんだった。と思わず納得。


「じゃあお刺身の美味しさを知ってください」


なにせいまはしょうゆがある。


マヨ以外も出せるマヨビーム万歳!

現金なもので、あれだけ「ふっざけんな!」とブチ切れていたマヨビームに大感謝だ。


ほかにもあれ食べたい、これ食べたいと魚介類に想いを馳せつつ町へとついた。


つながれた沢山の船。

がらんとした市場に、どことなく活気のない人々。


「お魚が……ない?」


呆然と聞き返せば、いかにも海の男といったおっちゃんがその太い腕を組んで大きなため息をついた。


「ああ、ここ数日船が出せなくてな。漁が出来ねぇんだ」


おっちゃんの言葉に、やんちゃそうなお兄さんがクソッと憤りも露わに防波堤を蹴った。


「こんなに天気もいいし、海も凪いでいるのにですか?」


ハリソンの問いに漁港にいた人々の表情が重苦しく歪んだ。


そこへどう見ても漁師ではない、役人っぽい眼鏡をかけた男の人が駆け寄ってきた。

きょろきょろと人を探しているようだったその人は、エマたちを見つけぜぇぜと切れた息を整えてから頭を下げた。


「勇者さま方、どうか助けてください」


勇者……?と漁港の一同の視線がいっせいにエマたちへと向いた。


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