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勇者パーティの一員ですが、転生チートがまさかのマヨビームでした。……マヨビームで世界って救えますか?  作者:


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もふもふ天国


「……ここは天国?」


「ええ、きっとそうですわ」


ちょっとでも気を抜けば、すぐさま顔面崩壊の危機。

もふもふ、ふわふわに囲まれて、エマとミレーヌはデレッデレだった。


人さらいから獣人の少年・カイを助けたエマたちはヴェルニーニの村で大歓迎を受けた。

「お礼をしたいのでぜひ数日ご滞在を!」という村人たちの申し出により3日間の滞在決定。


ヴェルニーニの村は獣人が多い。

割合としては猫:3、犬:2、その他:2、人間:3ぐらいの割合だ。


つまりは……もふもふ天国である!!


「か、可愛いぃぃ!!」


エマとミレーヌは激しい胸のときめき、そして顔面崩壊の危機と戦っていた。


なお、かなり敗北必死でよろめいては胸や口を押さえたり、もだえたりと……若干(?)怪しい挙動のエマたちだが2人ともかなりの美少女とあって周囲の人々は微笑ましく見守っている。


獣人のこどもと戯れる美少女、眼福である。


「エマおねーちゃん、ミシャが手ーつないであげるっ」


「……ぼくも」


にぱっと笑ったミシャとおずおずと手を差し出したミケルに両手をとられ、またもエマは崩れ落ちそうになった。

すぐそばではカイにくっつかれたミレーヌが同じく足を踏ん張っている。


「ここはお魚やさん!」


村の案内を買って出てくれたこどもたちに連れられ、ゆっくりと村をまわる。

お店や村の人々を紹介してくれるのは主にミシャで、おとなしめの男の子たちは補足的な感じでぽつりぽつりと口を開く。

幼い足取りにあわせて歩いていると、駆け寄ってきた少し年上のこどもたちや村の人々もなにかと話しかけてくれる。


ちなみにクルトたちはクルトたちで活発な男の子たちに「剣見せて―」「魔法使って!」とわちゃわちゃ取り囲まれているのをさっき見かけた。大人気だ。


少年たちは人さらいを華麗にやっつけたのは彼らだと思っている。

「悪いやつらやっつけたときの話聞かせて―」のおねだりには口をつぐんでいましたとさ。


「獣人の方が多いからか……お魚屋さんとお肉屋さんが多いですわね」


「多いね」


やたらとそれらのお店が目立つ。

いいお肉の塊が安く売られていたりするのでちょくちょく足を止めてはお買い上げしているエマ。

こーいうとき、食材の賞味期限や傷みを気にせず買える魔法の鞄(マジックバック)は超絶便利です。


見掛けの容量をはるかに超える食材をぽいぽいと放り込んでいく姿に、こどもたちの目は真ん丸だ。

どうなってるの?の首を傾げながらペタペタとエマの鞄を触ってくる姿がいと可愛ゆし。


「おねーちゃんもお魚、すき?」


あまりにたくさん買い込むエマを見上げてカイが問いかけ、「うん、おいしいよね」と返せば小さな手がクイクイとスカートをひっぱった。


「どうしたの?ミケルくん」


少しだけしゃがんで目線を合わせれば、あのね……とおずおずとミケルが口を開く。


「お魚の缶詰、おいしいよ?」


「缶詰?」


「うん、ぼくすき」


コクリと頷くミケルに「わたしも!」とミシャが手をあげ、カイも小さく「ぼくも」と続いた。

その光景を見ていた近所の主婦が笑いながら説明をしてくれる。


「お魚……この村ではマグロが多いんだけどね、それを油漬けにした缶詰のことよ。天候によっては新鮮なお魚が入ってこないこともあるからね、保存食としてもこの村ではよく食べるの。猫の獣人は特にね」


「それって……」


エマとミレーヌは顔を見合わせ、大きく一つ頷いた。


「「ツナ」」


「ツナ?ここでは『シーチキン』っていうけど……」


首を傾げた主婦の両手をグワシと握る。

かなりの前のめりでエマはご婦人に詰め寄った。


「それっ、どこで売ってますか?!」


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