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アホ神補正だけじゃなかった……

 

 マカロニサラダにブロッコリーのマヨネーズ焼き、スープにハンバーグにオムライス……次々と並べられる料理の数々にわぁ!と歓声があがった。


 いただきます、の挨拶のあとで次々に好きな料理へと手が伸びる。


「おいしいっ!オムライスなんて本当に久しぶりです……」


 スプーン片手にミレーヌが瞳をちょっと潤ませる。


「ハンバーグとかメニューにありましたっけ?」


「ううん、一昨日エマから聞いて作ってみたんだ。ボリュームもあるし、お店のメニューにのせようと思ってるんだけどお味はどうかな?」


「最高です!マヨメニュー以外もマジ美味いっす!!」


 すっかりパパと顔なじみになってるクルトは笑顔でサムズアップしながらハンバーグをほおばる。

 幸せそうな笑顔を浮かべたあとで「……でも明日からはしばらく店に来れない」とうなだれ、いま食べるしかないといわんばかりに「おかわり!」と2個目に突入。


「こちらの料理は……?」


 一方、見たことのない料理の数々を前に、レオンとハリソンはそれぞれの料理を少しずつ全種類を味わっている。

 わりかし本気の声で「城にスカウトしたい」と呟くレオンにエマは鼻高々だ。


 お腹も膨れてエマはナイフとフォークをお皿においた。

 正直、ちょっとすぐには動きたくないくらいお腹いっぱいだが……街を出て次の街に向かう移動は馬車なので問題はないだろう。


 それより、出発の前に聞かなくてはならないことがある。


「それで?ママ、さっきの話は?」


「それでもなにも……さっきパパが言ったとおりよ?パパといっしょになるために駆け落ちして平民になったの」


 いともあっさりママは答える。

 その横ではパパが苦笑いしながらみんなに食後のお茶をいれてくれていた。


「そもそも貴族のご令嬢だったママがパパとどうやって出会ったの?」


「ちょっとお忍びで家を抜け出して街をうろついてたらね、変な男の人に絡まれてたとこをパパが助けてくれたの」


 頬を染めて少女のように語るママにエマは思わず「なにやってんの、ママ?!」とつっこんだ。


「あきらかにそこいらのお嬢さん……って感じじゃなかったからね」


 絡まれるのも当然だ、とばかりにパパが遠い目で呟いた。


 気が弱くて優しいパパのことだ。きっと腰がひけながらも見て見ぬふりもできず助けにはいったんだろうな……。

 そんな光景がありありと浮かんでエマはパパに同情した。


「ですが納得しました」


 ハリソンの声に首を傾げれば、彼の瞳がエマの髪へと向けられた。


「はじめてエマ嬢を見たときに、まるで貴族のご令嬢のようだと驚いたんです」


「たしかに私も平民にしては珍しい髪色だなーって思ったことはあります」


 自分の髪の毛をつまんでエマも頷いた。


 光を受けて輝く銀髪は平民にしては珍しい。

 平民はもっとくすんだ色の髪が多いし、幼いころからともだちにも「エマちゃんお姫さまみたい」と言われた自慢の髪だ。


 …………令嬢っぽい容姿のせいで変な金持ちに狙われることもあるが。


「エマの髪は先祖返りかしら?私やお姉さまは淡いクリーム色だけどお婆さまは見事な銀髪だったそうだから。とっても美人で“妖精姫”なんてあだなもあったそうよ」


 …………てっきりエアリスの美少女補正のせいだと思っていたが、血筋も関係あったっぽい。なんてこったい。


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