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主人公

 式も終盤にさしかかった時、事件は起こった。


 突然の爆発。

突然城の外壁が爆発していた。

まるで大砲か火薬で打ち抜かれたように穴が開いていて。

あたりいっぱいに瓦礫と粉塵が散乱する。

周りの子たちも何事かと慌てていた。

穴から人のものとは違う巨大な目が覗く。

そして穴をこじ開けるように入ってくる。

建物はさらに崩れていく。

目の前には巨大な生き物がいた。

大きさは全長で10メートルほど。

ちょうどこの王座にギリギリ入るくらいだ。

トカゲのような顔、デカい翼竜みたいな翼が生え、二足歩行ができ、手足には鋭い爪がある。

西洋の竜、ドラゴンそのものだ。

「枢軸国の召喚魔術だ!…生身で敵うわけない逃げろ!」

誰かの叫び声で状況をようやく理解できた。

だけど逃げろってもどこへ。

中には泣き出したりして腰を抜かして動けない者もいた。

当然だ、まだ子供なのにいきなり敵が来たんだ。

味方ど真ん中で安全だと思ってたとこで。

こんな形でいきなり襲われるなんて誰が想像できるだろうか。

敵の狙いは聖霊機を動かせる子供を少しでも減らしたいからか。

だとしたら一度に、しかも無防備な状態で集まるこの式典は絶好の機会だと言うわけか。


「今すぐ精霊機をここに、新兵の非難も急がせろ」


 第一王子こと王様は最初こそ呆気にとられていたがすぐに動じることなく。

的確な指示をだしていく。


 自分もどこかへ身を隠したほうがいいのか…。

そう考えている時だった。

「何やってんのバカ」

「だってローゼリアちゃん動けないから、私が守らなくちゃ」

こんな時にあろうことかモココは。

破片でケガしたのか裂傷から流血して貧血症状が出てる。

さっきの嫌味な伯爵令嬢をかばって守っていた。

「大丈夫こう見えても私、村で一番魔力が強いんだからおじいちゃんもきっと伝説の精霊機に乗れるって」

確かにモココの魔力はすさまじいもので。

ローゼリアを守りながら傷の回復を行っている。

でも守っているだけじゃいずれジリ貧だ。

徐々に疲れが見え始めていた。


なにか…なにか助ける手段はないか…。

目の前には玉座の後ろにあった伝説の白い精霊機。

爆発の衝撃で腹の所にある搭乗口が開いていた。

そうだあれだ。

って私が動かせるわけないじゃん。

魔力だってこの世界であるかどうかわかんないのに。

でも…。

いちかばちか。

弟と妹のことがフラッシュバックする。

もう目の前で何もできず失いたくない。


 私は無我夢中で走り出し、搭乗口から入る。

って動かし方もわかんないのにどうやって…。

どうしよう。

勢いで乗り込んであたふたしてる時だった。

「何をしている!そいつは二人乗りだ一人で動かせるわけないだろ!」

「しかも誰も動かしたことない伝説の精霊機だぞっ!一人でやれば一気に魔力切れになるぞ」

いきなり大柄の男が乗り込んできて説教をしてきた。

確か、隣の国の騎士団長の黒鴉のクロ・ロードとかいう人。

私はこんな時にも関わらず、彼の顔をジッとよく見て凝視していた。

あともう少しで思いだせる。

「何ジッと見て…」

男が困惑して引き離そうとした時だった。

外ではドラゴンが暴れたことによって建物のあちこちが崩壊している。

落ちてきた建物の大きな破片に当たり、機体のバランスが崩れ地面に倒れこむ。

「うわ!」

「きゅー!」

私たちは悲鳴を上げ操縦席コックピットを転がり回る。

私は身をなるべく丸めて目を閉じて祈る。

どうか怪我とかしないように、頭とか打ちませんように。

絶対怪我すると思ってたけど、私の体は傷一つなかった。

「大丈夫か」

私は気づいたら騎士団長さんの腕の中にいた。

そうか、この人が抱きしめて守ってくれたから無事だったんだ…。

彼の腕の中は何故だか安心感があった。

何だろう、以前にも似たようなこの感覚を感じたような。

「あ、ありがとう…あれ」

私は守ってくれたお礼を言ったその時だった。

思い出した。

前にもこんな事があった。

前もこんな風に抱きしめて私を守ってくれて。

安心して。

「あなたは…」

「あの時の…子供」

そうだ彼は転移した直後に戦場で出会い救ってくれた人。

確かにあの日男性にそっくりだった。

男性も私の顔に見覚えがあるのか固まっていた。

でもおかいしな、あの時の私はガリガリでいまとは全然容姿が違うのに…。

「光った!?」

突然精霊機の内部が光りだした。

外では外付けの蒸気機関がプシューと音をたて白煙を上げていた。

走行が白色から水色へと変化する。

モーター音みたいな駆動音と共に。

内部の水晶モニターや魔鉱ランプ、真空管がピカピカと光っている。

水晶モニターにはドラゴンに今にも襲われそうなモコモとローゼリアが映っていた。

私も彼も呆気にとられていた。

「何で動いてる、偽物を動かせるはずないのに」

「お前…」

彼が小声で何か言った気がして視線を横にすると。

私に恐れているような困惑してる表情だった。

だが彼はすぐに。

「説明とかはいい、とにかくその太くてデカいモノを握れ!」

「ええとこれを握ればいいの」

私は言葉に従って操縦かんらしきものを握る。

そのとき脳裡に操縦方法がすべて伝わってきた。

私は気づいた。

この子、意思がある。

この子は言っている。

戦って大切なものを守ってと言ってる。

この子の本当の名前。

自然と言葉が出る

「汝の真の名前、アルビレオ・エンプティ!」

「行くよ!」

「今まで人生の分、はちゃめちゃに暴れてやろう」

「私が主人公になって救う!」

伝説の装甲精霊機が大地に立つ。

仕事との並行作業で力尽きました(´・ω・`)

自分の全ての作品に言えることですが続きはいつになるかわかりません

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