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ガリガリ痩せぽっちだった過去の私

 血まみれの私。


 エアコンが動いてない部屋。

部屋が暑すぎて。

汗と血液なのか分からない。

手には包丁。

赤黒くなる前の今も新鮮な赤い血液が滴っている。

それほど時間がたっていない。

つまり殺した直後だ。

血まみれの母と父。

二人は死んでいる。

私が殺した。

憎たらしい人間は物言わぬ肉塊となり。

それを見た私は小さく微笑んだ。

もう何年も心から笑ったことがない私の心からの嘲笑。

まるで別人かのような。

鏡に映った私の顔が。

これが私の本当の顔?。


外出はするな。

友達と遊ぶな。

ごはんをたべるな。

騒ぐな。

逆らうな。

普通の人間から外れたことをするな。

なんで普通じゃないのか。

お前のせいで嫌な思いした。


 お前なんか生まれなけりゃよかった。


 両親はいつも喧嘩ばかり。

自分にとって都合のいい人形が欲しいだけだろ。

もううんざりなんだよ。

お前ら。


 そんな思いを包丁に乗せてぶつけて。

最後には力つきて。

私は床に倒れた。

血まみれの包丁が床に衝突して跳ねる。


 もう限界だった。

肉体も心も。


 お腹が空いた…。

もう何日も食べてないや。


 私の隣には。

弟と妹。

だったもの。


 数日前から腐った物を食べた中毒死症状が出始めてた。

食べさせたのは私。

殺したのは…。


 弟と妹が死んでる理由はひどく簡単、そうひどく。

栄養失調による衰弱死だった。

どうしてこうなる前に助けてあげられなかったんだろう。

全ては遅すぎた、そうすべて。

誰も助けちゃくれなかった。

叫んでも泣いても喚いても。

何度も何度も何度も何度も。

涙を流しても。

神に祈っても。


 力が無ければ、弱いやつは自分すら救えない。


 ひどくやせ細っていた体。

筋肉が減っていき骨だけになった体。

栄養失調の体は平均より低い身長。


 もうすぐ死ぬんだ…。

私はもういないこの世に存在しないはずの。

弟と妹を寄り添い。

抱きしめて。

そういて死んでいった。


 思えば、意味の無い人生だった

もし次があるなら―。


 私は深い沼に落ちていく。

沼で這いつくばってる少女。


 憎たらしいあついだけのあの夏なんて飽になって消えてしまえ。


 もしも違う人生をあるなら…。


 お腹いっぱいごはんが食べたい。


 幸せな家族は欲しい。

優しい両親と兄弟が沢山遊んであげて。

素敵な王子様と出会って結婚して。

沢山の友人と子供に囲まれて。

そして余生を終える。


 出来れば凄い高身長でナイスバディで美少女で。

物語に出てくるお姫様に。

はちゃめちゃに暴れてみたい。


 そんな当たり前の願い。


 私が主人公になれるはずのストーリー。


 目の前にいたのは。

沢山の目玉に天使のような羽が生えてる異形の化け物のような物がいた。

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