買い物
「ここだ」
私が行きたかった場所。落ち着いている色で建てられた建物。胸をドキドキさせながら入った。思っていた通り照明もあり落ち着いている。ロマンがあるー!
「セネア……こんなところに来たかったの?」
「うん。」
こんな所とは失礼なやつだ。文学少女ならいや、私がいた世界では愛してやまない本屋だぞ?!漫画、小説どちらも愛していた私にとって前世ではオアシスだったんだから。
「ふぅーん」
とキラスは興味なさそうに答える。アイツ聞いておいてつまんなそうに回答してくるなぁ。まぁ……キラスのはキラスなりの考えがあるのであろう。うん。そうだと信じよう。と心の中でほんの少しだけ愚痴を言いながらも本棚を見て回る。結構探すのは難しい。前世のポップとかにすごい助けられていたというのがわかる。ありがたや…‥ありがたや。
「あったぁ!」
と言ったのは十二分程経った頃だった。まさか下の方にあるとは思わなかった……。と思いながらお目当ての本を本棚から取り出した。
「?ねぇセネアもしかして探していたのって……」
さっきまで暇そうにしていたキラスが聞いて来た。
「うん。これ。人間についての本」
そう言いながらキラスに自慢げの顔で見せつけた。
「?何で?そんなん……」
キラスは不思議そうに聞いて来た。まぁ前世の私なら買わないであろう本だ。キラスなら分かるかなとは思ったが、本当に分かっていなさそうだった。
「そりゃあ、戦い方ってたくさんあると思うんだよね。この前キラスが言っていたじゃん。致命傷与えろってでも、致命傷でもどことか分からないし、時と場合に応じられるようにしたいんだ。」
「ふーん」
そう聞いているキラスを置いて会計を済まし外へ出た。正直、この本を買った理由はもう一つある。私は出来るだけ人を殺したくない。これが本音だ。しかし、それは無理だ。分かっている。今、戦場に立っている。人々の命を背負っている私達はそんな甘い考えをしてはいけない。それは善者ぶった言葉であるかもしれないが、この場、この立場では弱い自分であることの証明である。だから、殺したくないという気持ちは考えないようにする。そう決めていたのだ。でも…‥できるのなら出来るだけ苦しくない殺し方をしてあげたい。そのために理解する必要があった。……こんなことキラスには言えないけれどという本音は心の中にしまって、城前へ、歩き出した。




