キラス視点2
キラス視点
セネアは変わった人。そんな印象から少し変わった。あの役立たずかもしれない子供に大金なんか渡している。そんな彼女の考えが理解できなかった。彼女に聞いた。
「別に気になっただけだよ。別に人に優しくするっていいことだよ。優しい人の周りにはいい子が集まるって言うでしょ。あと……優しくしておいて損は無いし!」
そういう彼女の目は……誰かに似ていた。
「優しくしておいて損は無いだろ」
誰かがそう言っている記憶。何故か分からないが嫌気が差した。誰かも分からない。ただし心の中に強い不快感があった。
「優しくして損はないってその前に死んだら意味ないじゃん」
いつの間にかそんな言葉を発していた。彼女は困惑している。当然だ。……何故そんな言葉を言ったのか分からなかった。あの繰り返す日以前の記憶はないのだ。……だけれどセネアは、違う世界の誰かと似ていた。誰かは分からない。
「大丈夫だよ。死なないようにはする。まぁ確かに死んだら意味がないけれどさ、優しくした人にはいい人っていう感情を持ってくれるでしょ。誰か一人でもそう思ってくれる人がいる。それって幸せなことじゃない?」
彼女の言葉を聞いた瞬間別の声が聞こえた。
「絶対死なないよ。大丈夫。」
セネアとは違う。セネアは絶対なんて言っていない。別人なんだ……
「......何言ってんだろ。ごめんセネア。僕も言っていることわかんない。だから、気にしないで。ごめん。行こ。」
一人になるために先に行った。今の記憶。セネアも僕の行動も
「気色悪っ」
その言葉を吐きスッキリした。その後はいつも通りにしたが……
「えーっと何というか……私なんかのために傷なんか作らなくてもいいし、何より体を大切にしてほしいの。キラスも元は人間じゃん。」
なんて呑気なことを言っている。守護神。人間みたいに扱われない。だが……セネアは当たり前かのように扱う。その姿は、別にああ、変だなで済む。しかし……正義に味方しているのに何が悪いか聞いた時……
「ダメじゃないよ。キラスが協力するのはとても頼りになります。でもっわざわざこれだけのためにナイフを体に使うなんて必要ないんだよ。キラスは元は人間……体をもっと大切にしなよ。ねっ!」
と、笑いかけたセネアの姿は、やっぱり誰かに似ていて……自分が分かんなかった。何故か。それを知るため、練習を切り上げ……一人になる場所。ポータルを出し同じ1日を繰り返す世界に行った。歩き続けた。その記憶を思い出すために。……彼女の目は心をざわつかせる。性格も気に入らない。だけれど……気になってしまう。それはこの記憶のせいかもしれないけれど……セネアの言葉はたまに世界の見方を変える……
「気色悪っ」
いつの間にか……隣町まで来ていた。……白い大きな建物。
「教会?……」
……教会をはっきり見た瞬間、目の前にたくさんの記憶がフラッシュバックしてきた。
「ああ……」
思い出した——どうでもよかった記憶。




