誓い
今回は遂に2人の関係が???
ドキドキの2人の距離感に注目しながら
お楽しみください♪
誓い 陽太side
小田原駅に降り立った僕は夏織の手を引いて登山線のホームに向かう。
「陽太って鉄道の事詳しい方なの?今日の特急のチケットも旅のスケジュールも全部陽太が決めたんでしょ?」
彼女の問いにすぐに答える。
「うん。鉄道の事に関しては人並み以上には詳しいかな。昔からどこかに行ってその地域の美味しいもの食べるのが好きだったから。」
すると夏織が話し始めた。
「そうなんだ。私は外に出ることが少ない方だから正直陽太には感謝してるよ。家でも本読んだりアニメ観てることが多かったから。」
話しているとシルバーの車体に青い帯を纏った車両がホームに入って来た。二人で乗り込んで次の駅の箱根板橋まで向かう。
駅から出て夏織の手を引いて港に向かう。この駅と港の間の道は住宅街が続くため、本当にこの先に港があるのかと疑問を浮かべる人もいるかもしれないと思いながら夏織の顔を見ると、やはり少し疑問を持っているような顔をしていた。
「港までの道は住宅街が続くけど、あの線路をくぐれば港だよ。」
種明かしをする様に話すと夏織が話し始めた。
「そうなんだ。私小田原とか全く行ったことないからわからないんだよね。陽太はやっぱり何度も来てるの?」
夏織はそう言うと僕の腕にくっついてきた。夏織の胸の鼓動を肌感覚で感じる。自分の感情を抑えながら僕は話す。
「うん。僕は多い時は月に3回は釣りとかで行ってるからこの辺りは知り尽くしてるよ。」
そんな話をしていると港に着いた。今回僕が夏織をここに連れ出した理由は二つある。一つはこの港の食堂のご飯を一緒に食べること、二つ目は二人で小田原の海岸、御幸の浜に行くことである。二人で港に隣接した市場の食堂に向かう。
「ちなみに夏織は魚とか大丈夫?」
確認の質問をすると夏織は笑顔で「大丈夫だよ。」と答えた。夏織の笑顔はいつも僕の胸を温かく包み込んでくれる。夏織に僕は救われてばかりだと思ってしまうことが最近多いのもこの明るい笑顔の力なのだろう。
二人で焼き魚の定食を食べて市場を後にする。まだ午後は始まったばかりだからまだまだ陽も高い。二人で高速道路に並行してる住宅街の道を歩いて海岸に向かう。住宅街では子供のはしゃぎ声やお年寄りの話し声が多い。この通りは海に行く時にいつも僕が使う道だ。横から広い水路が並行すると海岸の入り口である高速道路の下の歩行者専用のトンネルが見えてくる。僕は夏織に声をかける。
「目、閉じて僕の手を握ってほしい。」
もちろん僕は女子と二人きりでこんな遠くまで出かけるのが初めてだから声を出す時に毎回自分を奮い立たせるのが正直大変だ。
「わかった。イタズラしないでね。」
そう言って夏織は目を閉じて僕の手を優しく握った。手からはほんのり温もりを感じる。僕はゆっくり夏織をトンネルに誘導する。そしてトンネルの出口に辿り着いた時に僕は夏織に囁いた。「目、開けていいよ。」夏織は目を開けて口に手を当てて驚いている。
「凄いね。こんな場所が神奈川県にあるんだね。青い海がどこまでも続いてる。陽太早く陽太のお気に入りの場所に連れて行って。」
そう言って僕の手を引く。トンネルに差し込む陽が柔らかく夏織を照らしていた。
「うん。いいよ。行こう。」
僕は夏織の手を握って海岸に出る。海岸は手のひらサイズの石が転がるいわゆるゴロタ場という感じだ。僕は夏織のペースに合わせて歩いて赤色の小さい灯台がある突堤を目指す。
突堤に着くと夏織が話し始めた。
「私、陽太とあの病棟で出会ってから色々と変わったって感じているんだ。こんなに今みたいに笑顔が絶えなくなったのも陽太のおかげなんだ。だから私はもっと陽太と一緒にいたい。もっと陽太を知りたい。だからお願いがある。私の隣に、ずっと一緒にいてほしい。」
そう夏織は言って僕を抱きしめて口を塞いだ。夏織の胸の鼓動を強く感じる。唇から温もりを微かに感じる。僕はゆっくり夏織の背中に手を回す。夏織の身体を僕も優しく包み込む。二人きりの灯台で僕は心の中で思い、誓った。「僕は夏織と幸せになる。」と。
夏織が唇を離した時に僕は夏織に言った。
「うん、いいよ。僕も夏織を大切にするよ。もっと僕も夏織を知りたい。」
僕は夏織に優しく唇を夏織の唇に当てた。波の音が僕らを包む。夕陽が夏織の顔を優しく照らしていた。僕はこの瞬間を一生忘れることはないだろう。
今回のお話はどうでしたか?
私としてはこのお話は自分の好きな場面トップ5には
入ります!
次回もお楽しみに!




