面会は斜陽の病棟で
今回は2人の密な関係がドアップで描かれています!
是非お楽しみください♪
あと投稿遅れてしまってすみません!
面会は斜陽の病棟で、 陽太side
今回の入院で改めて病状の検査を行い、予定よりも早く入院を切り上げることができた。夏織との関係を持つようになってから母さんや父さんから
「あの時よりも明るくなった」
と言われた。自分自身も大きな変化を自覚していた。
退院してからは親に夏織との関係を話し、外出の許可を取ることができた。許可を得てからは、秘密の場所の周辺のおすすめのレストランなどの下調べを始め、面会の日までに服装を整えて、身だしなみも調整した。入院当日と同じようにバスセンターまで歩く。その歩く足は入院当日とは比べ物にならないくらい、とても軽く軽快に踏み出してゆく。バスセンターに着くと、もう春休み真っ只中だからなのか、私服の小中学生の姿が目立つ。大概の人は宮前平駅行きのバスに乗り込むが、僕は一人で大学病院に向かう直行バスに乗り込む。通勤ラッシュの時間も過ぎているため、バスには僕一人だけが乗車していた。この直行バスは営業所への出入庫便という立ち位置でもあるため、夕方と早朝のみ、夜行バス用の車両が運用に就くのだが、今日は運良くこれから入庫する夜行バスがバス停の前に現れた。
バスの扉が開くと僕はICカードをタッチして一番前の座席に座る。やはり夜行バスだから席の座り心地はかなり良い。
しばらくバスに揺られて、大学病院のバス停に到着する。
桜が少しずつ咲き始め、病院前の桜並木の通りが少しずつ淡いピンク色に色づいてゆく。綾音教授と時間通りに待ち合わせ場所で落ち合い、面会窓口で手続きを済ませて病棟に入る。麻倉教授に出迎えられる。
「中村くんって、やっぱり服装と身だしなみ整えるとイケメンだよね。ナースステーションと医局でも中村くんのことはよく話題に上がるよ。最近は綾音教授の妹さんとお近づきになったってずっと綾音教授が言ってるよ。じゃあ夏織ちゃんはこの先のラウンジで待ってるから。」
麻倉教授に促されてラウンジに向かうと、夕陽が差し込むラウンジの丸テーブルに夏織は腰掛けていた。その姿は身長が高いせいか高校生にも見える。僕は深呼吸して夏織に話しかける。
「久しぶり。というか3日ぶりか。元気そうでなによりだ。」
そう言うと夏織は僕の姿を見て口を開いた。
「陽太の私服、似合ってるよ。凄い大人っぽい。」
僕は夏織の言葉に胸をじんわりと温められるような感情を抱いた。少し顔が熱くなったがすぐに自分の感情を整える。
「あの、私お姉ちゃんと暮らすことになったから転校することになったんだけど、その学校が川崎市立三田中学校なんだけど、お姉ちゃんから聞いたんだけど陽太もこの学校に通ってるって。」
僕は夏織からの思いもよらぬ報告に驚きながら冷静に問いかける。
「本当?なら、僕としては凄く嬉しいんだけど、あと夏織は始業式から来る感じ?」
質問をすると夏織は嬉しそうに頷いた。僕はダメ元で夏織に誘いをかける。
「ちなみに僕は西生田の方に住んでるんだけど、もし家が近いなら一緒に始業式の日に登校しない?」
そんな新学期の約束をした。
二人でのこの暖かい時間はあっという間に過ぎて、病院のチャイムが面会終了時間を知らせていた。僕は夏織に挨拶を済ませて病院を出る。病院前のロータリーから区役所方面に行くバスに乗り込む。外は少しずつ夜の闇に染まり始めている。バスは暗闇に染まっていく街を進んでゆく。
区役所前のバス停で降りて、区役所から半地下の図書館に向かう。図書館はかなり広く、蔵書数がとても多い。僕は小児医学の本と気になる小説を手に取ってスキャナーにかざして貸し出しをして図書館を出る。外は完全に陽が落ちていて街の明かりが道と空を照らしていた。駅まで3分くらいバス通りを歩く。と言っても駅周辺が再開発中だからバスや車が通ることはない。帰宅する人の流れに逆らいながら駅の改札に入る。
ホームから電車に乗る。今日は直通運転をしている地下鉄の車両が運用についていた。電車に揺られて住宅の明かりを見ながら夏織のことを考えていた。ここ最近いつも気づけば夏織のことを考えている。これは恋?んなわけないか。
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次回もお楽しみに!




