出会い
今回は陽太と夏織の距離が急接近????
是非最後までご覧ください!ここからは毎話の内容が
濃く愛おしくなっていきます!
出会い 夏織side
それは突然の事だった。まさか自分が恋に落ちるなんて思いもしなかった。
外で雨が降り続けてる。3月上旬から入院してる私、富田夏織はいつものように一人だけの女子部屋の病室の窓際に椅子を置き、本を読む。私はいつも学校に行く時も本を常に持ち歩いていた。私は学校でも家でもいつも本を読んでいる。2週間前まではこんな生活が来年度の新学期も続くと思っていた。しかし、私はクラス内でいじめを受けて、その際に過呼吸をして目を回らせて倒れて、この関東医科大学病院救命救急センターに救急車で運び込まれ、現在に至る。幸い、この病院に姉の富田綾音が働いていたので、寂しくなることはない。
しばらくすると病棟担当医の麻倉先生が入ってきた。麻倉先生は20代後半の超絶美人のお医者さんだ。目元にはアイシャドウが入り、いつも青色のシュシュで髪をまとめてワンピースの上から白衣を羽織っている。
「夏織ちゃん。今日から新しく入院してくる人がいるから午後に自己紹介をしようと思うんだけど、夏織ちゃん参加する?」
先生の話を聞いて私は内心とても嬉しかった。そして私は麻倉先生の方を向いて言った。
「はい。じゃあお言葉に甘えて参加させてもらいます。」
私の話を聞いて麻倉先生は笑顔で言った。
「良いよ。そんな謙遜しなくて。」
そう答えると書類が大量に入ったファイルを持って医局の方へと歩いて行った。私は午後まで中学2年生の国語のワークを終わらせることにした。ワークを開いて文法の問題から着手し始める。
しばらくワークを進めていると、「コンコン」扉を叩く無機質な音に病室に響く。「はい。」返事をすると麻倉先生が入ってきた。
「じゃあ自己紹介するから出てきてくれる?」
先生は笑顔で私にそう伝えると静かに病室の扉を閉めた。少し心臓が高鳴る。私は鏡を見て身だしなみを確認して深呼吸して病室の扉を開く。
病室から出るとそこには、瑠璃色のシャツに香色のズボンを履いた私よりも少し身長の高い、いわゆる文学少年と言うような人が立っていた。私は少し彼を見つめる。少し沈黙すると麻倉先生が元気よく言った。
「じゃあお互いの名前と年齢と得意なことを言おう。」
すると男の人は口を開いた。
「中村陽太です。歳は14歳で得意なことは小説を考えて書くことです。よろしくお願いします。」
そう言って彼は頭を下げた。私は恐る恐る話を始める。
「富田夏織です。歳は14歳です。得意なことはイラストを描くことです。よ、よろしくお願いします。」
少し噛んだが笑顔で振る舞って病室に戻る。病室の扉を閉めると私は静かにベッドに倒れ込む。彼の瞳を見つめた途端胸が凄く熱くなった。それはこれまで感じたことのない感情だった。私は少しこの感情に戸惑った。私は気を紛らわすために持ってきていた文庫本を手に取る。だが本に全く集中できず、彼のことが何度も脳裏をよぎる。私は無意識に彼の病室の前に立っていた。頭の中では、「もっと彼を知りたい。」と私の心の扉を叩いていた。それと私としても一つ確認したいことがあったので私は彼の病室の扉を静かに叩く。すると病室から彼が出てきた。私は一回目を瞑り、話を切り出す。
「あの、少しお話しませんか?」
すると彼は落ち着いた様子で話し始めた。
「じゃあラウンジで話す?」
彼がそう言うと私は彼について行って二人で小さな丸テーブルを囲むように座る。
「改めてよろしくお願いします。」
彼はそう言うと、数十秒くらい沈黙する。私は彼に言った。
「あのね、私の姉がこの病院で働いてるんだけど、名前が富田綾音って言うんですけどもしかして中村さんって姉とよく話してるっていう中村さんですか?」
踏み込んで話すと彼は、「うん。そうだよ。夏織さんのお姉さんとはいつも仲良くお話させてもらってます。というか綾音教授は僕のことを話していたんですか?」私は笑顔を作って話す。
「はい。とても楽しそうにいつも姉が話してます。で、その聞いた話の中で本をいつも読んでるって聞いたんですけど、具体的にどんなジャンルの本を読んでいるんですか?」
話すと彼はストレートに答えた。
「基本的にはアニメとかドラマの元になった本を読むことが多いかな。」
そうコンパクトに彼は言った。私は慌てて返事をする。
「そうなんですね。私も結構本読むんですけど、ドラマの元の本でおすすめとかありますか?」
内心慌てているが表に出さないように平然を装う。すると彼が続ける。
「ドラマの元の本なら池井戸潤の『銀翼のイカロス』とか良いと思いますよ。」
私はすぐに返答する。
「アドバイスありがとうございます。参考にしてみます。」
私はそこから一気に踏み込んだ。
「あの、中村さんのことなんて呼べば良いですか?」
すると彼は私の目を見て答えた。私は彼からの視線を感じ、胸の鼓動がうるさくなる。
「別に呼び捨てでもなんでもいいよ。」彼は無機質にそう言うと顔を私から少し逸らした。問いに対する答えを聞いて私は彼の目を見た。
「じゃあこれから中村さんのこと陽太って呼んでいいですか?そのかわりに私のことは夏織って呼んでいいですから。それでもいいですか?」
私がそう伝えると彼は顔を赤らめて恥ずかしそうに答えた。「う、うん。わかった。」と短く返事を受ける。すると陽太は覚悟を決めたように表情を変えて話し始めた。それはまるで私達の心の距離がゼロ距離になったように。
「じゃあ一つ質問があるんだけどいい?」
陽太はそう私に言う。私が頷くと陽太は話を切り出した。
「夏織はいつまで入院する予定なんだ?」
私は陽太の目を見て答えた。
「まぁ3月いっぱいは入院かな。多分4月の最初ぐらいまでだと思う。」
私は少しの期待に胸を膨らませる。だがその反面、不安な陽太ははっきりと、そして少し恥ずかしそうに口を開いた。
「じゃあ僕は3月の下旬までが入院期間だから、退院しても面会に来ていいか?」
その言葉を聞いて私は温かい感情で胸がいっぱいになった。「えっ!いいの?私なんかのために。」そう言うと陽太は真剣な顔をして私に言った。
「そんなに自分のことを卑下するなよ。夏織は友達なんだから当然だろ。」
その言葉を聞いて私は無意識に大粒の涙が私の目から落ちてゆく。私の不安な気持ちが崩れてゆくのを実感する。
「なんで泣くんだよ。泣くほどのことじゃないだろ。」
私は涙を拭いながら答える。
「ごめん。私今まで友達にお見舞いに来てもらうことなんかなくて。いつも学校でも1人だったから。慣れなくて涙流しちゃった。」
陽太は私の目を見て話した。
「もう夏織は一人じゃない。あと苦しいならちゃんとその気持ちに向き合えよ。あと周りの人間に相談しろ。」
私は陽太の胸に飛び込んだ。陽太はゆっくりと私を抱きしめて背中を摩ってくれた。私は涙を我慢して掠れたような声で陽太に言った。「ありがとう、ありがとう。」この時私はまだこの気持ちの正体に気づく余地なんてこの時の私にはまだなかった。
今回のお話はどうでしたか?
みんなはどんな女子が好み?作者は歳上の母性maxの
黒髪ロングのスレンダーな人が好みです!
次回作の更新は明日の午前10時30分頃を予定してます。




