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雪景色

カクヨムの方と投稿日がずれちゃってすみません!

あと投稿遅くてごめん!

雪景色 


 夏織side


 冬の明るい朝陽が差す朝、私と陽太はマンションのエントランスでお父さんの車を待っていた。


「やっぱり年末にもなると冷え込むな。」


陽太がそう切り出した。


「そうだね、私も手が結構悴むんだよね。」


「手、つなぐ?」


私の話を聞いた陽太は手を差し出してきた。


「うん。」


私は頷いて陽太の手をぎゅっと握る。手を握ると陽太は顔を赤らめながら目線を私から逸らした。もう何度もこうして手を繋いでいるのにそれでもまだどこかに恥ずかしさを覚えてしまう。やっぱり恋って不思議だと内心感じる。


「なんか不思議だよな。僕もこんなに夏織と一緒にいるのにまだ慣れないんだよな。」


「私はだいぶ慣れたけどなぁ。陽太が私のことエスコートしてくれるからさ。」


「僕はそんな大したことはしてないよ。夏織に僕ができる最大限を尽くしているだけだよ。」


陽太がそう言うと丁度エントランスにお父さんの車がやってきた。私たちの前に車が止まるとお母さんとお父さんが降りてきた。


「おはよう陽太くん、夏織。」


「おはようございます、由貴さん。」


お母さんはやっぱり私から見てもいつもきれいな美人さんだ。少し話からは反れちゃうけど、うちの家系は母方の先祖に美人な女性が多かったと私は祖母から聞かされていた。もし私が本当に陽太と結婚して子供を...なんて考えちゃダメ!


「じゃあ二人とも車に乗ってくれ。」


4人で車に乗り込むとお父さんが言った。


「後部座席の冷蔵庫の中に二人の好きなジンジャーエールが入ってるよ。」


「じゃあいただきますね。」


陽太が後部座席の真ん中の冷蔵庫から瓶のジンジャーエールを二本取り出して蓋に金具をさして瓶を開ける。瓶の中からふんわりと甘く辛い匂いがあふれ出す。


「ありがとう陽太。」


私は陽太から瓶を受け取ると陽太が瓶の口を開く。

 しばらく2人で談笑していると車は高速を降りて湯河原町の中心街まで来ていた。小さいころから見覚えがある風景だ。


「久々だな、この風景。」


ふいに私がそう言葉を漏らすと陽太が言った。


「僕も湯河原まで出るのは数年ぶりかな。」


冬晴れの空のなか車は奥湯河原に続く山道に入る。


「やっぱりこっちの山のほうは静かでいいよね。」


陽太の意見に私は内心頷く。


「そうだよね、私もこの雰囲気と空気がすごく好きなんだ!」


「本当に二人は仲がいいのね、そんなに仲がいいと私もちょっとうらやましいな。」


お母さんがそう言った。でも私としては陽太のことをもっと知りたいと思うからこうやって話し続けているからあまりこっちとしては感じることがない。そしてお母さんの話に陽太が答えた。


「はい、僕も夏織もお互いのことが好きだから話が弾むんですよね。」


「あら、やっぱり好きの力ってすごいわね。あとそろそろ着くから荷物を準備してね。」



陽太side


 雄二先生の実家の宿兼屋敷をまず最初に見た感想としては、一番最初にその屋敷の古き良き和風の平屋と静かな竹林の中からの静けさでまるでここだけ時が止まっているような場所だと感じた。そして庭にはもうすでに何台かの車が止められていて、その車たちも高級車が多く、富田家の財力に驚かされた。先に夏織と僕で玄関に上がると夏織の祖母が待っていた


「久しぶりね夏織ちゃん。」


お婆さんが夏織に挨拶をすると夏織も返事をした。


「お久しぶりです、今日からしばらくよろしくお願いします。」


「こちらこそ、それとそちらのお兄さんは?」


お婆さんが僕の方に向いて疑問の表情を浮かべる。


「こんにちは、夏織の恋人の中村陽太です、よろしくお願いします。」


緊張で声がうわずりそうになったがこらえて挨拶する。


「あら、夏織ちゃんが遂に彼氏を作ってくるとは驚きね。この後ゆっくりお話ししたいわね。」


そう言ってお婆さんがほほ笑む。恋人の家族に会うことがこんなにも緊張するものとは正直思ってもいなかった。おかげで背中から冷汗がにじみ出る。


「もうおばあちゃん、陽太のこと困らせないでね。」


夏織が少し照れくさそうに顔を赤らめながら注意した。


「わかってるわよ、でも私も富田家の一人として夏織の彼氏とぜひお話させてもらいたいわ。」


お婆さんは僕が見た感じでもかなり勘が鋭そうだと一目でわかった。


「ではぜひ後ほどよろしくお願いします。」


僕は平然と挨拶を交わすと夏織に案内してもらい部屋に荷物を置く。またこの部屋も広い和室で長い扉には桜の絵が描かれていてとてもきれいだ。


「ちょっと驚いちゃった?」


夏織はそう言って僕を見つめる。


「うん、ここまで広いお屋敷だとはとても想像していなかったよ。」


「そうだよね、うちは代々この土地の地主で結構裕福なんだ。」


衝撃の事実にもう開いた口がふさがらない。まぁ驚く暇もないので僕と夏織は一通り荷物をかたずけて長い机がある和室に入った。


「多分あと数時間で親戚たちが大勢来るだろうから、それまでに心の準備を忘れずにね。夕食の時は多分私たち質問攻めされるだろうからね。」


もう大体想像がついたので一周回って僕も落ち着いた。


「そうだな、僕もしっかりしないとな。」


今夜は期待半分不安半分の夜となりそうで正直もう心臓が持たないかもしれないと思って僕は夏織と和室の外の雪景色を見つめた。

次回はついに陽太と夏織の距離に進展が!?

お楽しみに!

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