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お礼とお願い

 今回のお話では遂に陽太と由貴さんがご対面!

一体どんな夕食になるのでしょうか?

どうぞお楽しみください!

 お礼とお願い 陽太side


 車は夕方の首都高を走り、池尻ICで一般道に入る。そして気づけば南北線の六本木一丁目駅の辺りまで来ていた。「六本木ヒルズ高層階レストラン利用者専用」と書かれた屋内駐車場に入って車を降りる。


「じゃあ行こうか。2人とも、」


僕と夏織は雄二さんに続いてエレベーターに乗る。少しして柔らかいオレンジ色の照明の下を歩いてお店にたどり着いた。お店の個室の扉を開けるとそこには見覚えのある女性が椅子に腰を下ろしていた。その女性は僕を見るに席を立ち上がって頭を下げた。


「いつも夏織がお世話になってます、母の由貴です。もしかしてどこかでお会いしたことありませんか?」


予想通り由貴さんは僕のことを少し覚えていた。


「はい、2年前の研究授業でお会いしたことがあります。あの時はありがとうございました。」


僕も由貴さんに頭を下げる。由貴さんは夏織の母親だけあり顔がとても夏織に似ている。なので目を見ると少しドキッとしてしまう。


「こちらこそ、まさかあの時の子が今の夏織の彼氏だなんて驚きました。」


由貴さんの「彼氏」というワードに少しドキッとして背筋が伸びる。(こういう時こそ平常運転だ!)と自分に言い聞かせる。


「はい、僕こそあの時の先生が夏織さんのお母さんだって聞いてとても驚きました。」


呼吸を整えて僕は言葉を絞り出した。

「まぁ固くならずに座ろう。」と雄二さんはそう言って僕の背中を叩いて座った。僕と夏織も隣に続いて座る。


「じゃあ飲み物頼もうか。陽太くんも夏織もメニューから好きな飲み物頼んでいいよ。」


雄二さんに促されて僕はメニューを見る。見た感じは少しほろ苦いジュースが多いと感じた。つまり僕好みのラインナップだ。僕はジンジャエールの辛口を、夏織はレモンスカッシュを頼んだ。


「陽太くんに一つ質問なんだけど、夏織の好きなところってどこ?」


由貴さんが笑顔で鋭い質問を投げかけてきた。しかもとてもハードルが高い質問だ、しかも由貴さんは国語教師だから下手なことを言うとすぐに見抜かれてしまう。僕はありのままを曝け出す。


「夏織さんと初めて会った時から趣味とか好きなアニメとかが合って、気兼ねなく話せて一緒にいて楽しくて辛い時には支えてくれるところに惚れて付き合いました。」


正直緊張しすぎてカタコトで話してしまったような気がして凄く恥ずかしい。


「私が今の解答に点数をつけるなら80点ね。」


短く由貴さんは何か胸の内にしまい込んでいそうな感じに答えた。すると夏織が口を開いた。


「お母さん、その評価の理由を教えてほしい。」


夏織の頬が紅潮しているのが横顔からわかる。


「答えは、2人がこれからも幸せに過ごしてくれれば満点ってことよ。」


由貴さんの模範解答に僕は驚きを隠せずにいた。だが心のどこかに温かみを感じた。


「恥ずかしいよ、私まだ心の準備が、」


夏織が顔を真っ赤にしてそう言った。


「あら、夏織と陽太くんはお似合いだと私は思うし結婚だって大賛成よ。」


由貴さんのセリフに僕の心臓が高鳴る。


「由貴さん、それは急すぎますよ。それに夏織さんのこともありますし。」


僕が慌ててそう答えると夏織が答えた。


「私は、良いよ。陽太となら。」


あれ?僕の聞き間違いか?と思ったがすぐに現実を理解した。


「夏織は判断がはやいなぁ。まぁ私としても陽太くんになら任せられるよ。君はいつも大学や病院でも真面目で女性陣からも信頼されてるしね。」


雄二さんは僕の背中を叩いて言った。本当に平常心を保つのが大変だ。


「ちょっと流石に話が早い気がするのですが。」


僕は前のめりになって言った。


「全然大丈夫だよ、私達は陽太くんのことを信頼しているからね。」


雄二さんがそう言い終わると丁度飲み物が運ばれてきた。僕と夏織も飲み物を受け取る。ジンジャーエールとレモンスカッシュを受け取って雄二さんと由貴さんと乾杯した。


「それにしても陽太くんは凄く体型整ってるけど、スポーツか何かやってるの?」


由貴さんはまっすぐな目で、でも何かを裏に隠しているような、そんな目で僕に迫ってきた。その視線に心拍数が上がるのを体の奥から感じる。


「部活とかはやってないんですけど個人で陸上と筋トレはやってますね。」


そう、この人と話す時は呼吸を整えてありのままの自分でいることが絶対条件でありそれを少しでも怠るとそこを突かれる。そのため話す時は端的に、そしてストレートに内容を伝えることが重要だ。


「そうなのね、やっぱり運動してると体格が良いのね。その上勉強もできるんだから。」


由貴さんは興味深そうに僕の手を触る。思わず僕は声を出してしまう。


「あの、ちょっと流石に恥ずかしいです。」


「あらやごめんね、私子供が大好きだからつい。」


僕の言葉に続けて由貴さんはそう言った。やっぱりちょっと恥ずかしい。それにしても由貴さんは若いなと顔を見て思った。


「ちょっとお母さん、陽太にくっつきすぎ!」


夏織が俺を引き剥がしてそう言った。夏織は顔を紅くして恥ずかしそうに言った。


「陽太は私の彼氏だから。」


僕はこんな彼女をもててつくづく幸せだと感じるクリスマスだった。少し早いかもしれないが来年が楽しみになった。

今回のお話はどうでしたか?

次回の更新予定は明日の午前10時半ごろを

予定してます!

ちなみに作者はこの作品が投稿されている頃には

学校で最後の最後のテストを受けてます!

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