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早朝の海は僕を包む

今回のお話は陽太の真鶴でのモーニングルーティンを

描いたお話です!

俺もこんな休日を送ってみたい!

どうぞお楽しみください♪

 早朝の海は僕を包む 陽太side


 明け方、4時前にスマホのアラームが鳴った。今日は久々の釣りだ。僕は顔を洗って静かに準備をして宿を出た。夏だけあってもうすでに空がオレンジ色に染まり始めていた。駅前の釣具店で餌と仕掛けを買って昨日行った磯に向かう。あの磯はよく大型魚が徘徊するから昼夜問わず釣り人がいるため、僕は早めに向かって無事磯の中央の一番大きい岩を釣り座にできた。仕掛けを糸を通した竿に繋いで餌を付けて投げる。仕掛けを投げ終わったらリールのドラグを緩めてアタリを待つ。ちなみに今日の餌は秋刀魚の切り身だ。釣り用に強烈な匂いが身に着けられたもので、とても食用とは言えない。僕は手提げバッグから小説を一冊取り出す。波の音を聴きながら本を読むこの時間は、僕の宝ものだ。

 2,30分程本を読んでいると、いきなりリールから「ジー!」と糸が一気に引っ張られる音が聞こえた。「ヤバイ!」と思わず声を出してしまった。僕は急いで竿を持ってアワセをかける。するとまた一段と引きが強くなる。僕は竿を立ててひたすらリールを巻く。しばらく5分くらい格闘して岩の手前まで魚をもってきた。すぐにタモ網を入れて魚を掬う。岩の上に魚を置いて姿を見ると、50センチ程の石垣鯛であることが体中の斑点から分かる。この魚は刺身がとても美味しく、骨で出汁を取ったラーメンも絶品だ。鋭い歯に気をつけながら石垣鯛を締める。締めた石垣鯛の血を抜かないといけないので、バケツに石垣鯛を突っ込む。もう一度仕掛けに餌を付けて飛ばす。今度はもう一本竿を準備してジグサビキを投げる。早朝の時間帯はよくカマスが回遊してくるのでいろいろなポイントに仕掛けを投げて探る。しばらくジグを投げて様子を見ていると、隣でジグサビキを投げていた地元のお爺さんの竿が一気に震えて何が釣れたかと見ていると、カマスをお爺さんが釣り上げていた。それを見て僕はすぐに仕掛けを回収してお爺さんが投げていたポイントに仕掛けを投入する。すると一気に竿にアタリがきて、僕は竿をしゃくりあげてアワセて一気にリールを巻く。引き上げるとアカカマスが3匹連なっていた。すべて30cm台だ。そして投げ釣りの仕掛けの方も一回回収するために竿を持つと竿が重くなっていることが手のひらから分かった。念のためアワセると一気に竿が引かれた。このアタリからすぐに感じた。これはアカハタだと。1分くらいリールを巻くと、予想通りアカハタが餌を喰っていた。しかもアカハタは餌を丸呑みにして内臓まで針が到達していた。アカハタも血抜きをする。ちなみに大きさは35cmくらいだ。僕が1人で写真を撮っていると、後ろから聞き慣れた声がした。


「なんか釣れた?」


振り向くと夏織が大きい潮溜まりに膝まで浸かりながら言ってきた。僕は思わず口にしてしまった。


「いつからそこにいた?」


すると夏織は


「うーん...」


と考え込んでから言った。


「まぁ20分前くらいから。」


「そっか。」


短く返事をして僕は続ける。


「奈々はいないのか?」


夏織は言った。


「奈々ちゃんなら布団でまだ熟睡してるよ。」


僕は気になって腕時計を見ると、もう既に午前6時を過ぎていた。気が付けばまだ高くは上がってないが太陽がすでに顔を出していた。


「あいつらしいな。」


僕は寝てる奈々の姿を思い浮かべながら答えた。


「で、なんか釣れた?バケツ見せてほしいんだけど。」


僕は夏織を岩の上に引っ張って魚を見せる。


「合計で5匹釣れたよ。しかも全部高級魚!」


夏織はバケツを見て目を丸くしていた。


「凄いじゃん!あとそういえば奈々ちゃんのお父さんから伝言なんだけど、6時半過ぎまでに魚持ってきてくれたら出せるやつは朝食で出すって。」


腹も空いていたので気分が上がる報告だ。


「了解!じゃあすぐに片付けて戻るよ。」


夏織も潮溜まりから上がって言った。


「うん、そうしよっ!私もお腹空いた。」


僕らは釣具を片付けて宿に戻る。

 宿に戻って僕は1番にバケツを持って厨房に向かう。厨房では奈々のお父さんが待っていた。僕が釣った魚の種類と大きさに奈々のお父さんは驚いていた。そして朝はカマスを塩焼きで出してくれることになった。僕は手を洗って一回奈々が起きているか確認に向かう。部屋に着くともうすでに夏織が奈々を起こしていた。


「おはようぅ。夏織ちゃん起きるの早すぎるってぇ〜」


奈々が寝ぼけ気味に言った。


「まぁ私普段は5時ぐらいには起きてるからこれくらいどうってことないよ。ね?陽太。」


僕は頷く。


「奈々のお父さんが朝食準備するって言ってたから早く奈々も着替えて顔洗ってリビング来いよ。」


 朝食はとても美味しかった。僕が釣ったカマスも塩焼きで食べたが身がホクホクですごく食べ応えがあった。一旦僕は部屋に戻って家から持ってきたワークを昼まででやることにした。しばらく理科のワークを進めていると部屋に奈々が入ってきた。


「親戚の家に来てまで勉強とは律儀だね。そっちは今授業どこまで進んでるの?」 


僕は奈々にワークを見せながら説明する。


「今は星座と宇宙の授業をやってるよ。正直覚えることが沢山あって凄く困るよ。」


「そっか。私なんてまだ夏休みに入ってワーク一回もやってないよ。」


僕は奈々に一つ警告をした。


「そんなんだと志望校受かんないぞ。せめて1日各教科1ページくらいはやんないと忘れるぞ。」


奈々は僕の説明を聞くと一回部屋を出ていった。僕はまたワークの問題に目を落として問題を解き続ける。気がつくとワークに着手して1時間半くらい時間が過ぎていた。もうすでに午前10時手前だ。僕はワークを閉じて朝に海に持って行った竿袋とキャリーケースの中からリールとフロロカーボンの糸、釣具ケースを手提げバッグにしまって外に出る準備をする。一回奈々の様子を見に部屋に行くと夏織とワークを広げて勉強をしていた。「海潜りたいからちょっと先に真鶴岬に行ってるね。」一応報告をする。


「わかった。じゃあ私達もこのページ終わったら行くね。」


夏織がペンを止めて言った。


「了解。」


僕は手提げバッグと竿袋を持って宿から商店街まで坂道を下って商店街のバス停に向かう。ここは駅から真鶴岬まで1時間に一本バスが往復していて、町民と観光客の大切な交通手段となっている。夏休みは午前10時の便が始発で、商店街のバス停にはもう既に数人がバスを待っていた。バスが駅の方からやってきた。僕はICカードをタッチして席に座る。バスは商店街を過ぎて漁港に向かって道幅が狭い急カーブの下り坂をゆっくりと走る。坂の途中からは太陽に相模湾が反射していて海が輝いていた。夏の朝のスッキリした空気感が僕は凄く好きだ。しかもここは海が近いから塩の香りがとても風情があって心地よい。

今回のお話はどうでしたか?

作者としては陽太の新しい一面がめっちゃ

面白かったです。

次回の更新予定は明日の

午前10時半ごろを予定してます♪

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