僕らは皆、変わってる
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
愛が重い彼と、それを受け流す彼女との、やや変わった恋愛。
私の幼馴染は少し変わっている人だった。一見すると人当たりが良い。けれども興味のない相手には、放たれる声、特に語尾が冷たくて、一線を引いているのが分かる。
代わりに身内と認めた相手、つまりは両親や兄弟、友人に対しては非常に愛が重い人だった。
自分に課せられた門限を少しでも超えると、親、兄弟に感情移入して心配で仕方がない。何度も何度もスマホを手に取ってソワソワする。兎に角にも心配性で過保護な親を見ている様だった。
そしてさらに変わっているのが、其れが人と違う事を正しく理解している事だった。この悪癖とも取れる行いを私に指摘されると、誤魔化して言いたがらなかった。訳を聞くと、『引かれると思ったから』との事。だから、だからね。
「そんなに心配なら、それ全部、私にぶつけて良いよ」
貴方のその心配、私が背負ってあげる。幸いにも、私も変わっているから。
ちょっとした厄介事の後、携帯を見ると通知が来ていた。きっかり十分に一回。送り主は幼馴染の彼からだった。取り敢えずチャットにメッセージを残し、ふらり純喫茶に出掛ける事にした。
あのハーブのような味を知りたい。そう思って、地下へと足を進める。
「お一人ですか?」
「あぁ、いえ。後からも一人来る予定なので、出来れば二人席をご用意していただけると」
そう伝えると奥の四人がけのテーブルへと案内された。
さて、『彼』は何分後に来るだろう。紅茶が冷めないうちに来るだろうか? そんな事を考えながら、注文を済ませ、ただぼんやりと待つ。数分後、背後からマスターの『いらっしゃいませ』という声が聞こえて来た。
「最近、君に言い寄る輩がいるもんだね。噂によると暴君らしいじゃないか。……本当に……心配で心配で心配で……。まさか靡いたなんて……」
「あぁ、大丈夫よ。巻いてきたから」
「そうやって、私を巻いた様に?」
その言葉に私は薄ら笑いを浮かべる。
私は身内に向けてられる重すぎる愛を一身に向けられている。それでも気にならない。普通に自分がしたいようにする。相手が何を言おうが関係ない。そんな自分の『異常性』を理解しているから、私は彼を受け入れる事を決めたのだ。
「君のような存在が居てくれて有難いと思っている。けれどもとても……複雑なんだ……」
私に対する心配と、其れが原因で嫌われないかの心配と、兎に角、精神が脆くなっている。
「大丈夫よ。貴方の重たい愛に対しては、そこまで負担に思ってないから。これから先も貴方が何と言おうと好き勝手に振る舞うから。だから貴方は私の身に降り掛かる心配だけをしていてね」
紅茶が届けられた。カップってこれだったっけ? マスター忙しそうだな……。何時も聞いてくれるミルクの可否も無かったし、伝票もまだ届けられてないし。味も……こんな感じだったっけ?
今日の厄介事の元凶である暴君や、彼の心配よりも、其方の方が気になった。
すっごい過保護な親の様な彼の話が書きたくて。
親にしたら恋愛めいてるし、友人にしたら重すぎるし、彼氏にしたら別れそうだし。
というか、『あの男はやめなさい……。録な奴じゃない……』みたいな台詞が入れたくて。
※今も十分に重い。
心配性で、相手の全てを把握していて、ガチガチにヤンデレなんですけど、自分で『重いから気を付けよう』と思っているところが非常に異常。
ただ捌け口見つけので、かなり楽にはなった? かな?
※あ、別の心労が溜まってる。お労しい。
そしてそんなぶっ飛んだ隣人が居ても何処吹く風。
今の気分動向が第一な子を当てました。
鬼電出ないし、チャットで済ませるし、暴君に『おもしれー女』されても、『あ、喫茶店行くんで』とスルーする様なメンタルゴリラ。
追伸なんですけど、紅茶の味って同じ店でもかなり味変わりません? 自分で淹れた時でもそうなんですよ。
やっぱり舞わせないのが悪かったのか。
あと根暗なんで、冬でも日傘ないと眩しくて外歩けないんですよ。日光が強すぎて負けちゃう。吸血鬼かな。