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緊急事態発生!桜丘、所轄と協力
予想外の早い場面展開に桜丘は追いつけなかった。その日の夜、彼の自宅に電話をかけると彼が出た。
「もしもし。夜分遅くに申し訳ありません。私、北海道警察の桜丘と申します。」
―あ、桜丘さんですか。
彼の声だ。
「ごめんなさい。殺人の通報が入って行かなくちゃいけなくてね。本当にごめん。今、電話口で話しても大丈夫?それとも君の家に行くかい?」
あくまでも、申し訳無さそうにしながら緊張を溶かそうと頑張る。
―加西くんなんですけど…。
そういって、坂木から聞いた話と同じように説明がなされた。
「そうか。辛かったな。でももう大丈夫。」
その「大丈夫」に彼は不思議そうな一言を漏らした。
「北海道警察に匿名の通報が入ってね。それでまず潜入捜査として入ったんだよ。」
そこまで話をしていると、ドアが開く音がした。
―三元豚の分際でよくも…。
どうやら、加西ら被疑者が入ってきたようだった。
「今、すぐそこに警察官が参ります。それまで家で耐えて!」
そう言い、電話を切り緊急配備を要請して周辺に大規模検問を実施。また所轄署警察官を総動員し彼の自宅へ向かわせた。