ニュースです。
西園寺彰、3兆円で男性施設設立
「凄いニュースが全世界の話題に上っています‼」
「なんとこの施設、驚くべきことに、彰君が6歳から働いて貯めたお金を『全て』使って作られたというのです。西園寺グループの資金は一切使用されていません。信じられない方のために、記者会見では、彰君の側近たちが作成した、非常に分かりやすい明細表などの資料が公開されました。まずは、この衝撃的な会見内容からお伝えしたいと思います。」
画面には、彰君と、彼の側に控える頼もしい側近たちの姿が映し出される。彼らが作った資料は細部まで完璧で、建設費から運営費の初期投資、そしてその資金源が全て彰君個人の活動収益であることを証明していた。
ニュースには、俺達が、いかに、男性達の社会進出の為に素晴らしい施設が世界中に出来たのかと、ニュースしてる。
「この施設は、彼らが自分達の経験を活かして作ってる。素晴らしい施設ですね。しかも、彰君は、私達ファンからの売り上げを『全て』施設を作るお金にするなんて素晴らしすぎる男性ですね♪」
「この明細書にも細かく書いてあって、嘘偽りはないと分かります。最初は『男性が?この資料を作るのは無理だろう?』と思っていたのですが、会見での側近さん達の対応を見て、本当に自分達で作ったんだな、と感動しました。彼らのプレゼンテーション能力、対応力、全てが素晴らしかった!」
「この明細書にも細かく書いてあって噓はないと分かります。この資料もあそこにいた側近達が全て作った資料のようで、とても分かりやすくなっています」
「孤児からここまで這い上がった」という側近たちのストーリーも相まって、ニュースは施設の素晴らしさと、彰君たちの純粋な行動力を世界中にアピールしていた。既に大量の問い合わせや、入所意向が殺到しており、滑り出しは快調そのものだ。
「本当に素敵な男性達でした。最後は、来てくれて『ありがとう』の意味を込めて、世界中のマスコミと握手会までしてくれたんですよ。ぜひ、ぜひ、この施設に男性たちには入って貰って、今流行っている大量離婚を食い止めて欲しいですね。」
俺は一人、静かに自室に戻った。
(これで、安心して彼女たちに赤ちゃんが作れる……)
前世、仕事に追われ、家庭も子供にも恵まれなかった43歳の人生。今世では、綺麗な胡桃、詩織、由香、あかりと共に生きる。
来年には子供を認知し、きちんと育てる。それが彼の決意だ。
ストライクゾーンの広い彼は、彼女たちの年齢など気にならない。
ただ一つ、仕事以外で政治家とは関わりたくない。あの政治家の罠が、また、やってくる予感を肌で感じていた。
(政治家=お金ならやる「俺自身をやるつもりはない」)
世界中で「男性保護法」が崩壊して以来、顔に痣を持つ子や、衰弱した母親に面倒を見きれず施設に預けられる男の子が、孤児院に増えていた。
「救わねば!」
俺は、胡桃たち5人で話し合い、ある決断を下した。
世界中から、俺の年齢より下の男の子たちを日本の施設に集める。
理由はただ一つ、彼らの後輩と同級生として育てたいからだ。タクミや真も定期的に施設を訪れ、彼らを指導することになった。
もうすぐ、俺のCDとMVが発売される。その前に、俺は12歳になる。
(あの3人との約束の歳だね……)
様々な思惑、巨大な施設、そして愛する人たちを守るための戦いが、今まさに始まろうとしている。
「まぁ、色々頑張ろう」
小さくつぶやき、未来への一歩を踏み出した。




