一話
俺の名前はアングラード・アベル、勇者として生きてきた者だ。
よく昔は勇者アベル様だとか言われていた。
しかし今、絶対絶命の危機に追われている。
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「はぁはぁはぁ」
「おいアベル、モンスターはついてきているか!」
「まだついてきているぞ!」
オリシアは驚いた様子でこちらを向いた。
「なんですって!」
「なんでこんなダンジョンにこんな上級モンスターがいるのよ!」
「そんなの知らないわよ!!」
とセリアは口を挟んでくる。
そんな絶対絶命の中、さらに追い打ちをかけるように、前からも上級モンスターが襲ってきた。
アドロフは驚いた様子でこっちを見てきた。
「前からも後ろからも上級モンスターかよ!」
「くそが!」
アドロフは焦った様子で戦闘態勢に入った。
アドロフは何か、助かる方法はないのかと少ない時間で考えた。アドロフは瞬間的に本能が感じたのかといわんばかりに思いついた。
まさか、上級モンスター達は荷物の中に入っているものに対して追ってきているんじゃないか、ということは、荷物持ちのアベルを下に落とせばいいんじゃないか!
アベルは真剣に考えているアドロフに対してこう言った。
「アドロフ、どうする?この絶対絶命!このままじゃやばいよ!」
「そうだな、確かに絶対絶命だな、しかし一つだけ手段があるんだ。」
「なんだい?その手段ってやつは!」
その瞬間アドロフの顔はとても恐ろしい顔になっていた。
「なんだよ‥‥なんでそんな恐ろしい顔をするんだよ‥‥」
アベルは恐ろしい顔をアドロフに恐怖を感じた。
「ずっと前から思ってたんだよ、お前は必要ないって」
「なんだって‥‥‥‥」
アベルの顔は恐怖に包まれたようになっていた。
オリシアとセリアも荷物の中に入っている物が上級モンスターが襲ってきている原因だと勘付いていた。
「そうです!必要ないのよ!」
「そう!必要ないですわ!」
「という訳だ、お前には囮になってもらうぞ!すまないな!」
といった瞬間、アドロフはアベルを奈落の底に放り投げたのだった。
アベルは放り投げられた瞬間、悲しみと怒りなどのさまざまな感情を感じた。
アベルはその瞬間こう言った。
「絶対復讐してやるからなぁぁぁ」