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忘れらんねぇんだ

作者: 蔡花

つまんねぇことばっかだ

少年兵は歩き出す

右手に銃 左手には鞄

だれかに勝つため生きてきた

そのだれかを探す日々は

こんなにもつまねぇことばっかだ


自分勝手に全員が

オンリーワンだと思ってる

その遥か上空――

戦闘機が爆弾を抱えて

涙ながらに叫んでいる


少年兵は大人になり

僕らを知る日がくるのだ

禍々しくも醜く

こうも歪んだ性悪さ

性善説は否定され

アンチテーゼの海に泣く

そんな世界でどうか

死なないで


つまんねぇことばっかだ

過去を振り返れば

それだけ空っぽだったことに気づく

歳をとればそのぶん

道も増えると思ってた

けど結局は

死ぬか生きるかの二択だ


物置の奥のロープを

いつ捨てようか悩んでる

日々は倦怠的で

いまなお枯れぬ花の名を

讃えているようで 大嫌いだ


いつしか僕らは大人びて

下手なジョークも聴き流せて

禍々しくも美しく

生き延びれるようにはなった

だけどもひとり

この世界から逃げ出したやつがいて

僕らはそいつを たぶん

一生忘れらんねぇんだ


存在意義なんて失くしちまったよ

ここで息をしているだけだ


生まれる前から

不景気な空気を吸っていた

もう怖いもんもねぇや


僕ら 少年兵なのだ

今日も今日とて勇み足

禍々しいか 美しいか

理屈じゃわかんねぇんだけど

辿ってきたこの道は

まだ肯定できる気がするのだ

頷きの中に過ちがある

それを知って踏み抜いてゆけ

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