サンタクロースの捕まえかた(初級編)
酔った勢い
もうすぐクリスマスです。サンタクロースを捕まえる年に一度のチャンスがきました。
まず、サンタの通り道にトナカイのエサを撒きます。トナカイがなにを食べるかはwebで検索してください。
トナカイは、長い距離を飲まず食わずで走ってきたので、おなかがペコペコです。
どうしてそんなコトがわかるかって?
では、あなたに質問します。
サンタクロースの物語はいろいろありますが、サンタがトナカイにエサをやったという話を聞いたことがありますか?
わたしは聞いたことがありません。少なくともクリスマス・イブにプレゼントを配っている途中では。
だから、おなかがすいたトナカイは、エサを見つけてこう思うはずです。
「オッ、エサだ。ラッキー!おなかペコペコだよ。サンタのおっさん、プレゼントを配りだすとオイラのことなんか、ぜんぜん気にもしないからな。毎年、うちに帰るとハラペコでぶっ倒れちゃうんだ。せっかくだから、エサ食べてこ」
こうしてトナカイはエサを食べはじめます。トナカイは食い意地がはっているので、こうなると食べおわるまで動きません。
「はて、こまった」
サンタは首をかしげて、あたりを見まわします。
すると、モミの木にぶら下がったおいしそうなワインが目にはいります。もちろん、あなたがぶら下げたものです。
サンタはワインに目がありません。お酒ならなんでも好きですが特にワインが好きで好きでたまりません。
がまんできずにサンタはワインを飲むでしょう。
飲みだすと止まらないのが酒飲みの習性です。サンタも一本では満足できません。
そこで、二匹目のドジョウならぬ、二本目のワインをもとめて辺りをを見まわします。
すると、どうでしょう。10メートルほど先の木にまたもやワインがぶら下がっています。
これも、あなたがぶら下げたものです。どれくらいの間隔でぶら下げればいいかは、サンタの視力とワイン対する執着心によって決まります。だいたい10メートルほどでよいと思いますが、いろいろ試してみてベストのところ見つけてください。
もう、おわかりでしょうから、これ以上くりかえしません。このようにして、あなたの家までサンタをおびきよせます。
あなたの家の前にはワインを1ダースほどとウォッカとテキーラを3本ずつ。そのほか、めずらしいお酒を何本か用意しておきます。それに、七面鳥のローストもおわすれなく。
そうすれば、クリスマスの朝には、すっかりでき上がった(お酒に酔ってフラフラしているということです)サンタクロースを素手で捕まえることができるでしょう。
捕まえたサンタクロースをどうするかは、また別のおはなし。
※用意するもの
トナカイのエサ 適量
ワイン できるたけたくさん
ワインをぶら下げるヒモ 必要なだけ
ウォッカ 3本
テキーラ 3本
そのほかのお酒 集められるだけ
七面鳥のロースト 適宜
※サンタの通り道について
サンタクロースはよい子の家を回ります。そこらへんのことをよく考えてトナカイのエサを撒く場所を決めてください。
※サンタのことが心配な優しいあなたへ
サンタは真冬の空高くを風除け無しのソリで滑ってくるほど寒さに強い生きものです。
たとえ酔いつぶれて眠ってしまっても凍死することはないので安心してください。
それでも心配でしたら、なるべく多くのお酒を用意してあげてください。
サンタはお酒が大好きなので全部飲んでしまうまで寝たりしないでしょう。
もし玄関先でお酒を飲んでいるサンタを見かけてもけっしていっしょに酒盛りなどしないでください。あなたが凍えてしまいます。
※お酒はあなたがお住まいの世界・国・地域あるいは所属する団体等の決まり等にしたがって飲んだり飲まなかったりしてください。
※蛇足ですが、お酒はほどほどに。イッキ飲みはやめましょう。お酒を飲めない人にむりやりすすめるのもやめてください。とてもつらいです。
※飲酒運転は厳禁です。乗馬もダメです。飛竜にのるのもひかえたほうがよいと思います。
※なお、初級編の成功率は10パーセント未満です。
お酒は楽しく飲みたいですね。「酒を飲めば大概のことはどうでもよくなる」と私の知人が言ってました。そのとおりだと思います。とても幸せな時間を得られます。
私の場合、日本酒ならお猪口3杯、ビールならコップ1杯で幸せになれます。それ以上飲むと不幸になります。
何度地獄に落ちたことか。思い出すだけでつらい。
でも、ほろ酔いで幸せな気分に浸っているときにいつも聞こえてくるんです。
「もう一口飲んだらもっと幸せになれるんじゃないかな」
そのときにはもう大概のことはどうでもよくなっていますから将来の不幸などもどうでもいいわけで。
この輪廻の輪から脱出出来るのはいつの日か。
でも、大丈夫です。私は昔は「やれば出来る子」と言われてましたから。