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勇者の末裔  作者: 迷い猫
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序章

第1話更新!

おれには妹がいる。

それもとても可愛い妹だ。

おれが何をするにも後ろにひっついてきて、いうなれば小動物的な愛くるしい感じの妹だ。

その妹とおれは二人で暮らしている。

親は、まだ俺たちが小さい頃にどこかへ出かけたまま帰ってこなくなった。

だが寂しくはない、おれには妹がいるのだからな!

うん、おれには妹さえいればいい。

そんなことを考えてると、ドアをノックする音が聞こえる。


「お兄ちゃん、朝ごはんの用意ができたよ」


「わかった、今から行くよ〜」


また新しい今日が始まる。




とは言うものの、いつもやることは特に変わりはない。勇者により魔王が倒されたことで、魔物もおとなしくなり、世の中はとても平和になっていた。

だから俺のやることといえば、畑を耕し、野菜を作り、妹を愛で、昼飯を食べ、妹を愛で、晩飯食べて、妹を愛で、それから風呂に入って(もちろん一緒に)寝るだけだ(もちろん一緒に)。

たまに魔物を狩に森へ出かけたりもするが、まぁいつもこんなもんだな!


そんな生活を続かと思っていたある日、その日は唐突に訪れた。



「お兄ちゃん、今日は村にお城の人がやって来るって、村の人たち言ってたよ!」


「城の人?こんな村に何しに来るんだろう、、」


「ごめんなさい、そこまで聞いてこなかった、」


「あ、いや、謝るほどじゃないぞ!!

ほんの少しだけ気になっだけだ!!

ほんっとにアリくらいしか気にしてないから!!

だから佑香は全然気にしなくていいんだ!!

だから謝らないでくれ頼むお願いします」


「うん、わかった!」


そういって満面の笑みを俺に向けて来る。

くっ!この可愛さの前ではおれは無力だ!!

思わず頭を撫でてしまう。

すると気持ちよさそうに目を細めて、んんっ、と可愛い吐息をこぼす。この可愛さはもう反則だ、、、

おれは夢中になって妹の頭を撫で続けた。






ふと我に帰ると、家がなくなっていた。

「あれ、家がな、、」


そして気づく、家があった場所を囲むように鎧を着た男達がいる事に。





「あの、俺達の家なくなってんですけど、あんたらの仕業ですか??」


とりあえず話しかけてみると、リーダーっぽいやつが喋り出した。



「やっと気づいたか、お前の家を消してからすでに1時間は経過しているんだがな、、、」


え?嘘でしょ?こいつまじ言ってんの?っと思い妹の方へ顔を向けると、若干、、、いや結構呆れた顔をこちらに向けていた。

どうやら奴の言葉は本当らしいが、今はそれどころではないだろう。


「消したってことは、犯人はあんたらで間違いなさそうだな、この犯罪者め!!!

どこの誰かは知らねーけど、そんな事して恥ずかしくないんですかー???

そんな事ばっかりしてたら親がきっと泣いてますよ!!

親不孝な人達ばかりですね!!

大の大人が揃いも揃って情けない!!

少しは俺を見習ったらどうだこの野郎!!

とりあえず家弁償しろや!!」


っと、とりあえず煽ってみる。


「「「「「「ぶっ殺す!!!!!!!!」」」」」」


おっと、兵隊の皆さんブチ切れてますね、、、(笑)

ふと妹を見ると、体がわずかに震えていた。


「ぶっ殺す!」


俺もブチ切れました。


戦いは戦いとは呼べないくらい一方的な展開となった、もちろん俺有利で。

俺の先祖は異世界からきた勇者らしく、その末裔である俺たちにもその力が受け継がれている。

並みの兵士に負けるほどヤワではないのだ!!

そんなわけで全員戦闘不能にした。

いやしてしまった。

そういえば、なぜおれの家を消したのかを聞いてなかった。

そう思っていると妹がテクテク走ってきて飛びついてきた!!


「ふう、怖かった〜、お兄ちゃんがいてくれてよかったよ!」


そう言っておれに満面の笑みを向けて来る。

おれ、妹と結婚します。




「おやおやこれは、さすが勇者の血を引くだけのことはありますね〜、精鋭を集めてきたつもりだったのですが、まさか全滅とはね〜」


突然、ゾクっとするような殺気を感じる。

そっちを向くと、そこには1人の男が立っていた。

顔はマントでよく見えないが、体格はそこまで良くないことから魔法を使うことが考えられる。

魔法だけなら俺にとってそこまで不利ではないが、

こいつは危険だ、そうおれの本能が知らせて来る。


「お前は誰だ?俺のことを知っていようだが、その兵隊達はお前の部下か?こいつらはなぜおれの家を消したんだ?」


「 申し遅れました、私はアルファードと申します。

理由については説明が必要ですかね〜?

あなた方も、大方予想はついていると思いますがね〜

まぁ簡潔にいうと、殺すため。

呪いの件もありますしね、とにかくあなた方にはここで消えていただく、あの2人のようにね〜」


ん?まて、呪いだと??


「おいまて、呪いってなんの事だ。俺は何も知らないぞ??どういうことか詳しく聞かせろ。」



「呪いの存在を知らないのですか?

あなた方の先祖が魔王からかけられた呪いですよ。

いづれ勇者の子供から魔王が新たに誕生する、といつね〜

そんな危険な呪い、野放しにはできないよね〜

だから、死ね」



っ!!

瞬間、とっさに防御魔法を展開して、攻撃を防ぎながら考える。

呪いの話は全く聞いたことがなかった。魔王が勇者から生まれるとかどんな悪夢だよ!

そして大体予想がつく。

おれらを殺した理由を呪いのせいにするつもりだろう。

全く困ったものだ。

とにかく今はこいつを倒すしかない、妹もいるし。


そうすると敵の攻撃が途切れ、視界が開けた。

だが、そこにあるべき敵の影が見当たらない。


「っ!? どこいった!!」


周りを見渡すが敵を見つけられないでいると


「お兄!下!!」


妹の声と同時に地面が盛り上がる。

とっさに妹を抱えて後ろに下がると、さっきまでいた場所から無数の土の針が突き出ていた。


「土魔法もつかえるのか!」


危なかった、妹がいなかったらさっきの攻撃でやられていたかもしれない。さすがおれの妹だな!

頭を撫でてやりたいが、そんな暇はない。

急いで相手の位置を確認する。


「サーチ!!」


サーチは相手の魔力に反応して位置を教えてくれる優れものだ、最初から使わなかったのは、すこし焦ってしまっただけだからね!!


サーチの結果、相手は上空にいるらしい。

上を見ると、たしかに小さいが人影がみえる。

え、なんで上??とは思ったがこれは好都合だ。

放つ場所が空なら何も心配なく力を発揮できる。

おれのとっておきは威力が大きすぎて、いろいろと大変だからな、、、まぁそれは置いておこう。

とりあえずかましてやる!!

魔力を限界まで手に集め、その全てを放つだけの技だが、おれの魔力は常人を遥かに超える量を誇る。

込められる魔力が大きければ大きいほど威力はますので、これは魔力が多い奴のためだけにある技だといってもいいと思う。


「あの世でおれの妹に手を出そうとしたことを全力で後悔するんだな!喰らえ、死の咆哮デスキャノン!!」

全てを破壊する死の本流がアルファードに襲う。


たしかに命中したはず、そう思った瞬間


「お兄!!」


と、妹がおれを必死な様子で呼んだ。

おれが振り返るとそこには、血を流して倒れる妹と、無傷のアルファードの姿が目に映った。


「佑香に何をする!!」


おれは腰に入れておいたナイフを抜き、アルファードに切りかかる。だが、何十回振っても奴には全く当たらない。くそっ、苛立ちだけが募ってくる。

こうしている間にも、佑香の血は流れ、刻一刻と死に迫っている。


「まだ足りないかね〜」


「うるせぇ!!!」


アルファードが何か言っていたが、おれの耳には入ってこない。

ひたすらナイフを振るっている。

すると、今まで避けるだけだったアルファードの姿が搔き消える。

その瞬間、腹部に激しい衝撃がはしり、遥か後方へと吹き飛んでしまう。


「ぐっっ!」


なんとか踏ん張り、倒れることは防げたが、佑香との距離が離れてしまった。

そう認識した瞬間、最悪のシナリオが頭に浮かぶ。

そして、そのシナリオ通りに、アルファードが動き出す。

おれは必死に足を動かし、妹の元へ急ごうとするが、さっきのダメージがでかいのか、足が思うように動かせず転んでしまう。

急いで立ち上がろうと顔を上げた時、おれは頭が真っ白になった。



そこには、首だけになった妹の頭だけが転がっていた。

気分で更新!

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