幼馴染みの告白
「俺、ユキが好きだ」
「………え?今、なんて?」
「だから、俺、ユキが好きなんだって」
何回も言わせんなよな、と不貞腐れてみせるこいつの名前は、田川康史、通称ヤス。スポーツは得意だが、勉強はなかなか...なスポーツマン。
「ユキって、あの、ユキ?」
オタオタしているのが俺、石崎健二、通称ケンジ。勉強もスポーツも、まあ、うん、平凡男子。俺とヤスは保育園から高校までずっと一緒の、俗に言う 幼馴染み ってやつ。これが男女なら、ベタに恋でも始まるんだろうけど、残念ながら(いや、別に残念でもないけど)、男 同士。そんな展開なんてあるはずもなく...。
いつも飄々としているこいつが珍しく「相談にのってほしい」と真剣な表情で言ってきたのが数時間前のこと。悩み事とは無縁そうなお気楽人間なだけに、内容がかなり気になった。授業を受け終え、放課後俺の家に立ち寄り、そして今に至るわけだが…
「うん、同クラのユキ」
当然だろ、というように頷くヤス。俺は頭を抱えた。同クラのユキって...お前...
「やっぱ告白したほうがいいよな、気持ち伝えるって大事だよなっ!」
若干テンションが上がっているヤスは、意気込みながらまくし立てた。
「え?なに?ヤス告るの?」
「っ!?」
「あ、亜紀ちゃん」
ここでまさかの乱入者。コーヒーの入ったグラスがのったお盆を片手に、目をキラキラ輝かせているこの人は、俺の姉貴。
「そのつもり。で、相談のってもらってんだけど、こいつ背中押してくんないんだわ...」
少し目を細めながら俺を見るヤス。背中押すも何も、お前...
「え〜!なんでなんで?その子、性格悪いとか?」
お盆をテーブルに置くとそのままそこに座り込む姉貴。話に加わる気満々かよ。
「いや、めちゃくちゃいいよ性格」
眉間に皺を寄せキッパリといいきるヤス。確かにユキは気さくで優しくて素直で、性格はものすごくいい。でも問題は、ソコじゃない。
~~~〜〜〜〜〜〜〜~~(㊦に続く)
ども!仲竹乃まや(なかたけの まや)です!
笑える話が書きたいな〜と思いながら何気なく空を仰いでいたら、ピューッと、鳥のフンが目の前を落下して…うん、当たらなくてよかったよかった
次回『ソコじゃない(㊦)』では、ケンジの姉の発言である事実が浮き彫りに。ケンジは何故、ヤスを応援してやらないのでしょうか。
是非是非、読んでやってください!