生きていく。
何もかもが嫌になった。
些細な事でもイライラする。
自分という存在について考え始める。
そんなとき家で一人で居ると、どんどん気持ちが暗くなっていく。
(少し外に出てみようか……。)
歩いていると、そこには、小さい頃には恐かった森があった。
そこに足を踏み入れると、二度と出てくることができないような恐ろしさを感じていたからだ。
大きな木に包まれて、遠くを眺めてみても、その先は暗くてよく見えない。
今日は何故か、そんな森の中に入ってみたいと思えた。
恐る恐る足を踏み入れる。
どんどん奥に進んで行く。
さっきまでの恐怖は薄れていた。
その代わり、また考え事をしていた。
けれど、さっきまでの重々しい気持ちは消えていた。
森は、空気は澄んでいて時折吹く風は気持ち良く、時の流れを忘れるほど自然を感じられる美しい場所だった。
小さい頃の先入観で、今までここを訪れなかったことに後悔した。
生きているうちに、大きな悩みも小さな悩みもこれからもっとあるかもしれない。
そんな時は考えすぎずに、自然の中を歩きながら、ゆっくりと生きていこう。