千年子猫とポンコツな魔女 ~今日もよく晴れています~
物心ついた時には既に親はいなかった。兄弟姉妹もいなかった。だから僕は小さな手足を動かして、まだよく見えない目を瞬いて、外を目指したんだ。湿った毛布をグイと持ち上げ、よちよちと初めて土を踏んだ時の感触はまだ覚えている。あれから千年が経った今でも。
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瞼の上に感じた明かりに僕は目を覚ます。掛け布団の上で丸くなっていた体をうんと伸ばす。手入れが行き届いた白い毛に覆われた前足とピンク色の肉球が見えた。暇なときにご主人様が握って遊ぼうとするんだけど、わざと焦らしてやるのさ。僕は自分を安売りしないって決めているから。
ニャオ、と小さく一声鳴いた。後ろ足がぴーんと伸びる。二つの耳がぴくぴくと動くのが分かる。暖かな血が体内を駆け巡り、僕に起きろと囁いた。ほら、朝だよと。毛で覆われた手で顔をこする。ざらざらした舌でその手を舐めると、ようやく意識がはっきりとした。
「ニャオーン」
もう一回、さっきより大きな鳴き声を上げた。モゾモゾと掛け布団が動く。大きなベッドに大きな掛け布団、そしてそこに埋もれるように寝ている人を起こすんだ。でないといつまでも寝ているんだもの。
うう、と低い呻き声が掛け布団の隙間から聞こえ、そこからヌッと細い腕が這い出てきた。ほっそりした綺麗な腕が伸びると次は裸の肩が、そして酷くボサボサの長い髪がずるずると布団からはみ出す。あーあ、いつものことだけど何でこんなに寝起き悪いんだろうなあ。
「......あー、もう、あと五分寝かせてよお、ミルク......ほらあ、まだ目覚まし鳴ってないじゃない」
二つの錫のベルをリンリン鳴らす古い型の目覚まし時計を放り投げるように置き直し、ご主人様はまた布団に潜り込もうとする。起きてよ、という抗議の声を上げて僕は枕元に駆け寄った。ポンポンと肉球で頬っぺたを叩くと「仕方ないなあ~」と嫌々ながらも反応し、ずるずると掛け布団から這いずり出した。いつも思うんだけど、毛皮も無いのに何でこんな薄着一枚で寝るんだろう。寒くないのかな、といらない心配をしてしまう。
ようやく鳴り始めた目覚まし時計をカチリと止めて、ご主人様はうーんと唸って伸びをした。二本のすんなりした脚が綺麗に揃い、惜しげもなく太股がさらされる。大抵の人間の男性は惹き付けられるだろう、と長い長い僕の人生経験から判断する。見た目だけならうちのご主人様は掛け値無く上位ランカーだと思う。
「......うわあ、今日は駄目だあ、気が進まないよお、人と会いたくないいい~そうだ! ねえ、ミルク。あんた、私の代わりに今日店番してよおー、お願いだからさあー」
「駄目ニャ、ご主人様、ちゃんと働くニャン!」
そう、中身が引きこもり気質のずぼら屋さんでなければ......
「うう、別にあたし働かなくたって生きていけるのに~」
まだご主人様ぶちぶち言ってるよ。寝起きの不機嫌さはどこかに行ったけど、生来の怠け癖は治らないよね。タンクトップと丈の短いショートパンツという寝起きの格好のままふらふらと冷蔵庫を漁る姿は、とても残念だ。ぴょんとアホ毛が二本飛び出しているのがそれに拍車をかけている。いつになったらこの人シャキッとするのかなあ、不安。
「にゃー、朝ごはんちょうだいにゃ~」
「......あ、ああ、そうね」
「今忘れてたにゃ!?」
僕の抗議の声を「そ、そんなことないわよお」とご主人様は言うけど、目が泳いでる――決定、有罪。それでも牛乳パックを取り出してお皿に注いでくれようとしてくれ......してくれ......何にゃ、このオレンジ色の液体はあああ!
「~~~!」
「ん、あらやだ、これオレンジジュースじゃない」
「しかも賞味期限切れにゃ! 牛乳! 牛乳!」
「ごめーん、切らしちゃってるみたい。大丈夫よー、猫だってビタミン取らないとねー」
どこの世界に朝からオレンジジュースをピチャピチャ舐める猫がいるんにゃー!
執拗に抗議を続けた結果、渋々ご主人様はコンビニで牛乳を買ってきてくれた。上着くらい着ていけ、と忠告したのにふらふらとタンクトップ一枚で......牛乳を買ってきてくれたのは嬉しいけど、男の視線くらい気をつけろと注意したら。
「えー、大丈夫よ大丈夫、知ってる、ミルク? 最近の調査で男性の初体験って二十九歳くらいらしいよ。つまり最近の男は二次元にしか興味ないから、初体験が遅いってことよ。あたしなんか気にしないって」
いきなり何を言ってるんだ、この人。しかもそれ。
「ご主人様」
「なーにー」
トーストにバターを塗りながらご主人様がのんびりと返答する。椅子の上であぐらですか。いつものことながら行儀の悪さに辟易しつつ、僕は牛乳をピチャピチャ舐めながら指摘した。
「――それ、後で二十歳に訂正されたにゃん」
「......嘘」
「ほんとにゃん。ワークシートの計算範囲に誤りがあったってお詫びの記事出てたにゃ」
「えー? ということはよ、あたしがタンクトップ一枚で胸の谷間も露にコンビニに行った結果!」
「そんなにないにゃん」
「まったく無いわけじゃないもん! ま、その結果、コンビニにいた性的好奇心旺盛な男子高校生や、疲れた日常に潤いを求めるサラリーマンの欲望を刺激し、かつ"いらっさっませー"と壊れたレコードみたいな挨拶しかしないコンビニ店員の下劣な欲望を呼び覚まし――いえ、あえて言うわ、欲棒と!」
色んな意味で酷いにゃ。恥じらいはどこ行った!?
「この身を危険に晒すような愚行を犯したということね、たかが牛乳1パックでー! ああ、やだもうあそこのコンビニ行くの怖い怖いよー、そうだ素顔がばれなきゃいいんだガスマスク買おう、それと耐火服!」
「そ、それはやりすぎにゃ」
「なんで!? あたしの貞操の危機なのよ、完全防備が必要じゃないの大事だから二度言うわ完全防備!」
やだもうこの人。
「だ、大丈夫にゃ......ちょっと露出度高い格好で外出たくらいでそんな」
「! ひらめいた」
「何に」
「やっぱ引きこもる! そもそも外に出なきゃいい安全第一危険とサヨナラ不倫の恋は蜜の味!」
「最後の関係ないし超危険なんですけどにゃ!?」
あっ、ご主人、ほんとに部屋飛び出してベッドに戻ってしまった。また一からやり直しにゃん......
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ご主人様の名前は篠原里美という。この人と知り合ってから、かれこれ八年になる。小学校から帰る途中の彼女を見つけた僕は「にー」と鳴きながらすり寄った。長く長く生きていると、何となく猫を可愛がってくれる人が分かるから。だけど僕を抱き上げたご主人がいきなり。
「あら、お前呪い持ちなの? あたし初めて見るなー」
と言った時にはびっくりした。最近はそれが分かる人も少なくなっていたから。だけどパーカーと半ズボンというどこにでもいそうな服装の女の子は、僕の目を見て「可愛いね、猫ちゃん」と笑った。
この人ならもしかして分かってくれるかな。胸の中にぽつりと灯った期待が口を開かせた。
「初めまして」
「......喋れるんだ!」
目を丸くした女の子を見て確信した。この子、僕の言葉が分かるんだって。呪い持ちを見抜く目、猫の言葉を理解できる耳――この人、魔女の末裔に違いないと。
その夜、僕は久しぶりに暖かい清潔な寝床と美味しい餌を与えられ、満足しながら眠りについた。千年も生きていればこんな巡り合わせもあるにゃ、と独りごちながら。
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「あの頃は素直で可愛い女の子だったのに、何で今はこんな風になったにゃー」
「別にいいじゃなーい。誰に迷惑かけてるわけでもないし」
その朝のすったもんだの末、何とかご主人様はベッドから這い出した。店を自主休業しようという言葉を撤回したのは、今日は仕入れ業者が来ることを思い出したからに他ならない。それが無ければあのまま起きてこなかったと思う。
どんな理由であっても、ようやくご主人様が動く気になったのはいいことだ。長袖Tシャツとジーンズという素っ気ない服でも、その上にエプロンを羽織るとそれなりに見える。不思議なもので服を変えると気持ちも切り替わるらしい。猫の僕には分からないけど。
カウンターから床に降り立つ。首を上げると、たくさんの草の束が天井からぶら下がっているのが見えた。鼻をくすぐる独特の香気は最初は苦手だったけど、今はもう慣れっこだ。壁際に視線を移すと、ガラス製の耐熱ボトルが並んでいる。あっちには珈琲豆が入っているんだ。
それを見ている内に外の空気が吸いたくなった。
「お散歩してくるにゃ」
床から壁際のソファへと跳躍、すぐにそこから小さな張りだし窓へと跳躍。台風でも来ない限りは開いているそれは、僕専用の出入口だ。頭と肩でそれを押す。キィと軋んで窓が開く。
「気をつけていってらっしゃいねー」
あくびまじりのご主人様の声を背に受け、僕は尻尾をピンと立てた。一緒に暮らしている間に成立した了解の合図、そして僕は外へと跳び出す。肉球に感じる湿ったアスファルトの感触がいつもの道だと実感させた。
ご主人様が住むのは西荻窪という場所だ。ああ、いきなりそんな狭い地域の話をしても仕方ないから順を追って言った方がいいな。ユーラシア大陸の極東にある島国、日本。その東京都という都道府県の中の杉並区西荻窪という場所に、ご主人様が住むマンションがある。ご主人様の話によると西荻窪という場所は「隣の吉祥寺のお洒落さに嫉妬しつつ、でもお前ら所詮二十三区外だろ、と言い張る――そんな場所なの」らしい......
ご主人様の感性は普通の人からちょっとずれているので、これが一般的な意見なのかどうかは分からない。けれども常に住みたい街の上位を占める吉祥寺に比べ、西荻窪はあまり名前を聞かない。駅の高架下にあるトウユーという大型スーパーくらいしか、大型店舗は無い。井の頭公園やハモニカ横丁のようなお洒落スポットも無い。少なくとも若い男女が休日に来る場所じゃないらしい。
「何よりムーンバックスが無いのが致命的よね。今や島根にすらあるのに......西荻窪は島根に負けたのよ」
「島根の人が聞いたら怒るにゃ」
いつだったかご主人と僕はそんな話をしたと思う。うん、確かに吉祥寺にはムーンバックスが三軒もあるし、反対側の荻窪にも一軒ある。エアポケットのように大手コーヒーチェーンの店舗が無い地域なんだ。
「でもそのお陰でうちの店が生き残っているとも言えるけど」
そう、それも間違いじゃない。ご主人様――篠原里美が営むのは薬膳カフェだ。言うまでもなく個人経営。まともに大手コーヒーチェーンとぶつかったら、勝ち目は無いだろうにゃ。「でもそうなれば好きなだけ引きこもれる!」とご主人様は言うのはどうかと思うけど。
そんな西荻窪の路地裏を僕は歩く。JR西荻窪駅の北側にご主人の店はあるんだけど、この辺りはこじんまりとした個性的な店がいりくんだ路地の中に居を構えている。ひっそりと生活に溶け込んだ個性とでも言えそうな、そんな場所を僕は四本の足で歩くんだ。
駅前が近くなると人の賑わいも増える。踏まれたりするのは嫌だから、塀と塀の間の路地に滑り込む。四方から見られる広い場所は苦手だ。こういう狭い場所の方が落ち着く。
ニャウン、と小さく鳴いて僕は顔を手でこする。ひっそりと暗い路地の上、屋根と屋根の隙間から差し込む陽射しが見えた。偶然それが路地の入り口にあたり、世界は白く変色する。白い光のベールを通して駅前を伺う。バスがゆっくりとやって来て、乗客を乗せて去って行く。チャリンチャリンと軽快な音を立てた自転車が時折行き交い、頭上の高架からは電車がレールを軋ませて止まる音が聞こえてきた。黄色い電車は総武線、オレンジ色の電車は中央線だってことは知っている。
ガタゴトと走り去る電車を見送る。最後に電車に乗ったのはいつだったかな。ご主人様は引きこもりだから、滅多に外出はしない。記憶の糸をそっと手繰る――二年前に乗ったような気がするけど、あれは何のためだっけ。ああ、思い出した。
確か、海が見たいと言って急に僕を連れ出したんだ。珍しいこともあるにゃ、と思いながら僕はキャリーケースの中に納まったんだった。
「あれは何だったのかにゃあ?」
海の青を思い浮かべつつ、僕は足元に目を落とす。黒い路地裏はあの日の海とは似ても似つかなかった。
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「ありがとうございましたー」
カラコロとドアベルが鳴る音に、ご主人様の声が重なる。部屋の片隅で丸くなっていた僕は首を持ち上げる。時計が指し示す時刻は七時少し前、そろそろこの店の閉店時間だ。そそくさとご主人様は後片付けを始めていた。
「あー、今日もよく働いたー、疲れたあ」
心底疲れたという声に、僕はニャオンと答えてあげる。「お前はいいよねえ、働かなくてもいいんだもん」とご主人様が肩をパキパキ鳴らす。
「でもご主人様みたいな親切な人がいなかったら、住むとこないにゃー」
「そう言う割りにはあたしに当たりがきついわよね」
「親愛の情にゃん」
ニーと鳴いて僕はテーブルの上に跳び乗る。僕が小柄だからか、テーブルは少しも揺れない。ちょっと悔しくてわざとぴょんと跳ねてみる。
「あー、あんた小さいもん。出会った時から変わらないよねえ」
そう笑いながらご主人様は僕の頭を撫でてくれた。そう、僕は変わらない。八年前、初めてご主人様と出会った時から――そのずっと前、アメリカで当時の大統領が銃で撃たれた時から――ヨーロッパの人々が新大陸をめざして船に帆をかかげた時から――蒙古と呼ばれる騎馬民族が大陸を席巻していた時から――ずっと、ずっと。
僕はずっと子猫のままだ。
「お腹空いたにゃー」
「はいはい、今作ってあげるから待っててねー......あ、ミルク、あんたカレー食べる?」
「僕を殺す気にゃ!?」
「やっぱダメか。いや、あんた時々人間みたいに見えてさあ。いけるかなーと」
「残念ながら猫にゃ。待遇の改善を要求するにゃー」
「はいはい」
いつものやり取りをしながら、ご主人はエプロンを外す。これで今日のお仕事は終わりの合図だ。すぐにお店の明かりは消えて、ご主人と僕はすぐ近くの部屋に戻るんだ。肩の上に乗った僕のあごの下をご主人がくすぐる。ミー、と鳴いた頃にはもう部屋に着く。そんな職住近接の環境は良い物だけど、世界が部屋と店のごく狭い半径の中にあるようでたまに感覚が麻痺しそう。
「ねえ、ご主人」
「なーに?」
ぐでんとソファに横になるご主人がこちらを見る。着古したスウェットは既に表面が毛羽だっていて痛々しい。この人、服に気を使わないからな......いつ買いに行かせよう。
いや、そんなことは置いといて。
「前に海が見たいって僕と一緒に電車に乗ったことあったけど、あれ、何がしたかったんにゃ?」
「ん......ああ、そんなこともあったっけか」
少し決まり悪そうに髪をかき回しながら、ご主人は僕の方を見た。ダークブラウンの目は僕の白い毛並みを写しているに違いない。
「あの時はねー、友達が海外に行っちゃった後でね」
ぽつりと言葉を切って、ご主人は天井の方に視線を揺らめかせる。思いを語るフレーズがそこに転がっているかのように。
「――あたしはさ、遠くに行くなんてまっぴらだし。駅前のスーパーに行くのすらしんどい女だからね」
「う、うん」
視線を反らしつつ、僕は耳だけご主人様の方へ傾ける。器用でしょ。
「海を越えて外国で暮らすってどういう気持ちなんだろうなあって考えたら、不意にねー、海を見たくなったの」
「納得いかなくはないけど、それが東京湾......こう、せめて横浜とかロマンを感じさせるとこまで行こうと思わなかったにゃん?」
「県境を越えるなんて、そんなめんどくさい......」
分かったような、分からないような動機があったらしい。電車に乗れば揺られているだけで遠くまで運んでくれるのに、この人ときたら。
でもご主人様の目がどこか遠くを見ているようなので。僕は何も言わなかった。海外に行った人はきっと特別な人だったのだろう、とありがちな空想が浮かび弾ける。
「ミルクは外国は長いのよね」
「千年も生きてたら大概の国は見たにゃ」
「じゃあさ、ジンバブエの話してよジンバブエ。あそこって今でも恐竜がいて槍や弓矢で狩りしてるんでしょ?」
「ジンバブエの人々に謝るにゃ!」
この人のボケはほんとに真剣だから怖い。「あの国、南米にあるのよね」と言うので、アフリカと訂正してあげたら心底驚いていた。
「知らなかったわ」
「僕はむしろご主人様がジンバブエを知ってただけでも驚いたにゃ」
「し、知ってるわよ! 世界地図を眺めるのが趣味な子なんだから!」
「暗っ! しかもそれで間違うって恥ずかしっ!」
僕の突っ込みにご主人は顔を赤くする。「で、でもそう書いてあったもん」と反論してきた。
「どこに書いてあったにゃ」
「某巨大掲示板」
「......ごめん、引きこもりの知識の源泉なんてそんなものなの忘れてたにゃ」
騙されてる! 騙されてるよ! あんな嘘ばかりの掲示板信じちゃだめー!
ふう、それにしてもだ。某巨大掲示板の事は別にしても、アフリカと南米の区別もつかないまま、ご主人様は世界地図を見ていたのだろうか。空間把握能力が著しく低いのかもしれない。この人の頭の中では北アメリカにインドがあり、オーストラリアにドイツがあったりするのだろう。オリンピックが開かれたらさぞかしカオスな状況だろうな。
「い、今あたしのこと地図の読めない女って目で見たでしょー!」
「事実にゃん?」
「少しは否定してよ、きいい、ちょっと自分が長生きしてるからって馬鹿にしてー!」
ソファにうつ伏せになり、手足をバタバタしてるこの人が僕のご主人様かあ......でも僕の声が分かる人は現状この人だけだと思うと、やっぱり一緒にいたいんだ。放っておいたら不安だし。だから今日も僕らは寄り添って寝る。




