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落ち着く前に説明が必要なようだ

どうも、はん(ry


お待たせしました。


第15話です!


「ちょっと派祓!どう言う事か説明しなさいよ!!!」


「だからさっき逆誘拐してきたって説明しただろ」


「それとこれとは話が別なのよ!お姫様よお姫様!」


「んなこと言われたって、俺知らねーもん」


「派祓さま、ミラ様をどこで……!」


「街の裏路地だ。別の誘拐犯に捕まりそうだったんで助けて騒ぎにならないようにここに連れてきた。いやー、まさか姫様だったとは-(棒)」


サフィ安定のジト目。俺はわずかにほほ笑む。


「ありがとうございます!派祓様!!!あなたはミラ様を救ってくださった」


「本当に偶然だったから気にしないでくれ……ほら、此処が安全な場所だろ?」


俺は総支配人に遠慮しながらサフィに視線を向ける。

サフィは『面倒になった』事も考慮しながらとりあえず俺と総支配人の知っているこの国の事情に耳を傾けた。





「…なるほどね。城から逃げたところを捕まりそうになって、派祓に捕まったと。しかも逃げてきた城の中は権力闘争でドロドロ。家族全員が処刑間近……なんてこと」


「あぁ」


「申し訳ございませんが、もう少しミラ様を預かっていただけないでしょうか?ここは最上階、侵入はまず無理でございます。通路はあのエレベーターのみ危険は少ないかと……私は下で仕事も残っております故」


「分かった。とりあえず夜には仕事が終わりそうか?」


「滞りなく。全てフルスピードで終了させてまいります」


言いながらエレベータの中へと消えていった。


「で、どうするわけ?」


「同じ姫様視点から見てどうだ?俺にはよくわからん」


俺がそういうとサフィは呆れたように口を開いた。


「よく言うわ。最初っから彼女が姫様だって知ってたくせに」


「ほぅ」と俺はサフィに疑いに似た視線を送る。


「まずはさっきの派祓のセリフ。いかにも彼女が姫様だと知っていたであろう棒読みと彼女をベッドに運ぶ時の異常な丁重さ加減。そして二つ目、魔法薬が飲み薬であるにもかかわらず総支配人に水を用意させたこと。総支配人は彼女の顔を知ってるはずよね?この都市で一番高いホテルの総支配人ですもの。王族と関係があっても何ら不思議ではないわ。だから派祓は総支配人に彼女を姫様だと認識させ自分は今知った・・・・という状況を作りたかった!そうでしょ!!?」


恐れ入った。こいつ意外と頭が回る。

俺の世界でも二日酔いの薬は飲み薬と相場は決まっている。水は必要ない。

そこまで推測できるのなら、俺がそうした理由も見抜かれているだろうか……?


「正解だ。恐れ入った」


「このスノーフィア・ブリューゲル様を見くびらないことね?」


そう言ってただでさえ目立つ胸を強調してえっへんという顔をする。

だがもう遅い。お前の誇らしげな顔をすぐさま鼻で笑ってやる。


サフィ、お前はすでに俺に負けている。俺が彼女を連れてこの部屋に入った時点で。


「正解だが、手遅れだ。俺が彼女をこの部屋に入れた時点でサフィ、お前と俺はこの一件から逃げられなくなった。さぁ『決戦』をもう一度!王国を取り戻そうぜ!!!」


グッ!ボキッ!


「っざっけんなぁぁぁ!!!!!」バシッ


「ぐふっ!?」ズダァン


立てた親指は速攻で折られ、続けざまにストレートパンチを食らって近くの椅子に突っ込んだ。

サフィはすぐさま俺の胸倉をつかんでいつぞやのように俺の頭をシェイクする。


「痛いじゃないか」


「っだぁぁぁ!!!もう!平然と無傷で復活するのが腹立つ!」


ブン ブン ブン ブン


「だから、お前、これ……気持ち悪い」


サフィは仕方なくシェイクを止めた。

解放された俺は吐き気を催すが、なんとか耐えきった。


「どうして連れてきたの?」


冷徹な目でサフィは俺を見る。

だがそんなものは俺には通用しない。が、筋は通さなければならない。


「言えない。全てが終わってから話す」


「それで私が納得すると思う?」


「してくれ。埋め合わせ・・・・・は必ずする」


俺がそういうと、サフィはふっと笑って俺から離れる。


埋め合わせ・・・・・……ね。楽しみにしてるわ」


一瞬だけ妖艶な笑みを見せたサフィは踵を返してシャワールームへと向かった。

途中でバスタオルを掻っ攫って浴室に消えてゆく。


「見たら殺すわ」


「安心しろ。既に見た」


「っ!」ブォンッ!


パシッ「掃除するの誰だと思ってんだよ」


「ふんっ!知らないわよ!」


ワインボトルを俺に向かって一切の躊躇いなく投げつけてきたサフィは俺がワインボトルを軽々とキャッチすると「べー」と舌を出して今度こそ浴槽へ消えていった。




「あのー、ワインボトルは投げるものでは無いと思われますが?」


突然、後ろから声がした。


「サフィは武器じゃないものを武器に変える天才だ」


「素晴らしい才能ですわ」


「で、いつから起きてた?」


埋め合わせ・・・・・……のあたりから。何か彼女に失礼な事でもしたのですー?強引にキスを奪ったとか?それはもう「ぶちゅっ」っと」


一番内容的に誤解の生まれやすいバッドタイミングで、緋色の瞳のグランツ王国第三王女『ミ・ラ=ドラグニル』様はご起床なされていた。


もうちょいこんな感じ…?

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