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もうちょっと別の場所はなかったんですかねぇ…?

というわけで2話目です!





ザッパァァァン


「ぶっ!?げほっ、げほっ」


俺はいきなり水の中に放り込まれた。正確にはお湯だ。チョット熱い。

もちろんのことスーツはびしょ濡れ、中の財布もケータイも愛用の眼鏡もみたらし団子のレシートも寝耳に水(いや、お湯か……)な状態だ。


「な、なな、なななっ!?/////」


「あん?」


気が付けば右側にぱっと見、ゆきちぃの外見データ(髪と瞳の色以外)そっくりな少女が居た。


……裸で。


「きゃぁぁぁぁぁっ!!!」


パァン  「ぶふっ!?」


突然平手打ちを食らった俺は再びお湯の中へダイブ。

おのれ、なんて力だ。湯船の底に頭ぶつけたぞ。


ぐぃっ


「いっつつ……」


「何なのよあなたは!?ここは女湯よ!?何であんたみたいのがここに居るのよ!?って言うかなんで服着たままお風呂に突っ込んで来るのよ!?って言うかどこから降ってきた!!?」


やはり風呂か。しかも女湯……。

いきなり俺を湯船に沈めたかと思うとものすごいスピードで引き上げられ、胸倉をつかまれた。

翡翠色の瞳に金髪のストレート、100人が100人彼女を美少女と判断するような顔つき。そしてどこからどう聞いてもゆきちぃそっくりな声。間違いないとは思うが、彼女は俺を知らないらしいので多分違うのだろう。


「知るかそんなもん。あとお前、胸とかいろいろ丸見えだぞ」


ぱっと見でD……いや、Eくらいあるか?何だこの凶器の塊は……。


「っ!?/////ばかぁ!!!」バシッ


ズバァァァン


不意打ちに危うく溺れかけた俺は必至で水面に出る。


「だから威力ありすぎなんだよてめぇ!!!ちょっと裸見られたくらいで人殺す気か!?いちいちてめぇの体ごときで欲情するかボケ!!!」


俺がそういうと、目の前のゆきちぃ(仮)はこぶしをキリキリと握り絞め、俺を再び湯船の底に沈めようと必殺の一撃を放ってくる。もちろん動体視力最強の俺はそれをスレスレでかわす。


「死ねぇぇぇ!!!」


「っだぁぁぁ!?わかった!わかった!欲情するから!するからとりあえずその拳を下ろせ!!!」


「そ・う・い・う・問・題・じゃないわよっ!!!!!」


「ぎゃーす!!!!!」



…………閑話休題。



「……それで、あなたはその『ゆきちぃ』っていう、自称美少女女神様とやらにこの世界に飛ばされた……と。嘘臭いわね」


「信じたくなければ信じなくていい。俺も信じてない」


「ま、私の尊厳とかいろいろ含めて一応信じといてあげるわ」


今俺とゆきちぃ(仮)は風呂場を(何とか)脱出し、今は商店街のような大通りを歩いている。

今思えばあそこにいたのがゆきちぃ(仮)だけで本当によかったと思う。


文明レベルは以前いた世界と比べると圧倒的に低く、地面はもちろん土。見渡す限り木造建築(ものすごく簡素な屋根)更に商店街だと言われた場所もほぼ屋台に近く(木箱が置かれていて、その上に商品)魚や果物などがそのまま露店に並んでいる。都会の窮屈な雰囲気を感じさせない長閑な場所。


そんな中をふわふわしたピンクのセーターに赤×白チェックのプリーツスカート、黒のハイソックスを着こなした(傍から見れば)美少女とびしょ濡れのスーツを着こなした(?)男が歩いていれば自然と注目を浴びる訳で……。


「なぁ、俺って視線恐怖症なの知ってるか?」


「そう、それは良かったわ。でも私にはそんなのウソにしか思えないの」


「なんでさ」


「さっきから道行く女の子たちに笑顔で手を振ってるからよ?」


あぁ、なんだ妬いてるのか。


ボコッ「ぐふっ!?」


「一度あなたの脳内回路を焼き切ってあげるわ」


そういって俺へ振り向きざまに鳩尾パンチを繰り出したゆきちぃ(仮)は歩く速度を変えずにスタスタと先へ行ってしまった。もちろん俺はうずくまっていたが何とかゆきちぃ(仮)のもとへ小走りでついて行く。


「心読めるのかお前!?」


「声に出てんのよ!!!」


あぁ、そうだったか。


もちろん、スタイル抜群の美少女とびしょ濡れスーツのテンパ男が歩いているところを道行く人々が警戒していたのを俺たちは知らない。


「っていうか私の名前はゆきちぃじゃないわよ。私は『スノーフィア・ブリューゲル』。そういえばあなたの名前がまだだったわね」


「俺?俺は『倉敷くらしき派祓はばら』だ」


「クラシキ・ハバラね。えっと、どっちが名前?」


「さぁ、どっちでしょう?外れたらゆきちぃの胸を直に揉みしだくから」


「なっ!?///」


とっさに自分の胸を両手で覆い隠すゆきちぃ。覆い隠せてないが……。

そして同瞬間に道行く男たちが一気にゆきちぃに視線を向けたのを俺は知らない。


「冗談。名前は派祓で名字が倉敷。ここでそんなことしたら真っ先に俺警察に捕まるじゃん」


「じゃぁ、ハバラって呼ぶわ。で、『警察』って何?あと、なんで呼び名が「ゆきちぃ」から無変動なのよ!」


スノーフィア⇒スノー⇒雪⇒ゆきちぃ


「ほら。」


「…………もう好きにして」


若干欝な感じになるゆきちぃ(公認)。

それでも俺は無視して先ほどの質問に移る。


「ちなみに警察というのは俺の世界のいわゆる……悪い奴らを捕まえる職業の人たちだ」


「?なんだ、ここ・・のことじゃない」


いつの間にか、ゆきちぃの足は止まっていた。

彼女の指差す先に俺も視線を合わせると、そこには2人の鎧をまとった大男が突っ立っているのが確認できた。そしてゆきちぃは人差し指を俺に向け、続けざまに……。


「この人、女湯に忍び込んできたんです!」


ダッ!!!×3


俺と2人の大男が動いたのはほぼ同時だった。

……なんかテンポ早い希ガス

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