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あれ、これって起動しちゃいけないやつじゃね?

どうも、はんぺn(ry



というわけで第12話です。

ぐぃっ、ドサッ


「痛いじゃないか」


「あー!もー!いろいろ言いたいことあるけど、何てことしてくれてんのよ!!!」


俺は胸倉をつかまれながら奥の部屋へと連行され、一人掛けの質のいい椅子に押し倒された。

対するゆきちぃは俺の前で両手を腰にあてて仁王立ちしている。


「俺は『解放軍』とやらの目的を達成してやっただけだ」


「っていうか、なんで私がこの国の姫だって知ってんのよ!?」


「あー、すまん。マジで姫様だとは思わなかった」


「知らなかったって……じ、じゃぁもし私が姫様じゃなかったらどうしてたのよ!?」


「まぁ、結局、面倒だからゆきちぃに丸投げ?」


「あんた一体、ど・う・い・う・神経してんのよ!!?」


ゆきちぃご乱心。

俺の胸倉をつかんだまま前後にぶんぶんと振り回す。


気持ち悪い。


「いや、だって、ゆきちぃリーダーだし。俺死ぬし。殴ったのゆきちぃだし」


「あ・ん・た・が人の……その、む、胸を揉んだりするからでしょ!!!」


「あー、いやだから悪かったって。あまりにも魅力的だったんでつい(棒)」


「そんなセリフの棒読みで納得できるわけないでしょうがぁぁぁぁぁ!!!!!」


再びゆきちぃが俺の胸倉をつかんで前後左右にシェイク。


「ちょ、待て待て!何をそんなに怒ってるんだよお前!この国救ったんだろーが!これから姫様だろーが!」


「それが問題だって言ってるのよ!!!」


「初耳だコノヤロー!!!」


「どうしてくれるのよ!かっこよくこのまま去って行こうと思ったのに!女王とか絶対にダルくて疲れて暇で大変で死にそうになるに決まってるのにぃ~!!!」


ブンブンブンブン

シェイク⇒強。


あーなるほど、こいつ自分の正体バラされたくなかったのか……うぇぷ。


「大丈夫だゆきちぃ!あの兵士たちお前のこと知ってるっぽいから手伝ってくれるぞ(グッ」


ゆきちぃに親指を立てた。


ボキッ


そのまま笑顔でへし折られた。


「それが問題だって言ってんのよ!!!」


「だぁぁぁぁ!!?折った!?こいつ折った!?笑顔で折った!?」


「言ってるそばから治ってるじゃない!」


「あ、ほんとだ。って、そういう問題じゃないだろ!今のは自分で直したんだよ!痛かったけど!」


俺は痛みに耐えながら親指をもとに戻した。

実際は間接が外れていただけで、痛みも特になかったのが救いだ。


「あんたが余計なことしてくれなきゃ、こうはならなかったのよ!!!!!」


シェイク⇒limit break


本当は美人だの綺麗だの大声で宣言した派祓に対して嬉しい半面恥ずかしいという、このやるせない気持ちのはけ口となっていたことを派祓はおろかゆきちぃ本人すらも知らないであろう。


「いいじゃん別にお姫様!可愛いよ!綺麗だよ!男なんて腐るほど寄ってくるよ!!!」


「全部私に丸投げにしようとしてんじゃないわよ!!!」


ち、バレたか。


「大体!昨日お前気合入ってたじゃん!大騒ぎしてたじゃん!おっさんだったじゃん!」


シェイクが止まり、ゆきちぃの顔がさらに真っ赤になる。

それと同時に血管がいくつか浮かび上がっているのを俺は知らない。


「それにお前!酔った勢いで「私はこの国の王になる!」とか……」


無言でグーパンが飛んできた。


ドカッ!

「それ以上言ったらぶん殴るわよ!!!」


「もう殴ってんだよ!ネタが古いんだよソレ!!!」


「もう言い逃れできなくなっちゃったじゃない!責任・・とってもらうわ!!!」


「理不尽にも程があんだろうが!!!」


「私の方が理不尽な状況よ!!!私の人生返してよ!……うぅっ」


突然力をなくし床にぺたりと座り込み、しくしくと泣くゆきちぃ。

何となくもう自分の進まなければならない道が最悪であったかのようにうなだれている。


ま、実際そうなのであろうが……


「ちょ、そこで泣くなよ!ずるいぞ!」


そう口にすると、ゆきちぃからの反応がぴたりとやんだ。


「…………」


「……おーい、ゆきちぃ?」


床に座ったままうつむいているため、顔が見えない。


「あは、」


「ん?」


「あははははははははは」


「おい、ゆきちぃ……?」


ちょっとホラーな声で再びゆきちぃが口を開く。


「もういいもん」


「ん?」


「責任とってもらうから」


「え?」


「王様になってもらうから」


「なんて?」


「今から結婚よ!!!」


ふざけんな。


思ってる途中で首を両手でがっちりとホールドされる俺。


「これからはずっと一緒よ?あ・な・た?」


「エロい!いつになくエロい!?」


「子供は3人くらいほしいわね~」


「っだぁぁあっぁ!!!ゆきちぃが現実逃避の末に本格的に壊れたっ!!?」


某テレビから出てくる黒髪白装束の女性に似たホラー感を漂わせながら、今にもキスしそうな雰囲気でがっちりと首を締め上げる、壊れたゆきちぃ。

さすがにシャレにならない。

得体のしれない力をフルで垂れ流しながら抵抗するが、ゆきちぃも負けてはいない。なんて力だ。


「落ち着け!ゆきち……ぃ?」


そして、ふと気が付いた。

この、俺とゆきちぃの足元の『魔方陣』は一体何だ?

さっきまで全く気付かなかった床の魔方陣らしきものが白く輝き始めた。


「あの、すいません、痴話喧嘩と婚約の縁談が丸聞こえなんですが……?」


すると、いいタイミングで救世主(?)が現れた。


「いいところに来たクロウ君!とりあえず前言撤回しろ!……の前にこの状況を何とかしてくれ!!!なんか発動しそうだ!!!あと俺の貞操ピンチ!あとゆきちぃに殺される(肉体的にも、社会的にも)!!!」


「いいじゃないですか、美人ですよスノーフィア様は。胸も大きいですし(ニコッ」


「てめっ!しみじみ言ってないでこの状況を……っ!?」



-------------------------ッ!!!!!



次の瞬間、辺りを埋め尽くすほどの光が辺りに広がった。


「っ!?スノーフィア様!派祓さん!」


既にその場所に俺とゆきちぃの姿はなかった。ついでに俺が座ってた椅子も。


「ふざけてる場合ではありませんでしたか……ま、でも、婚前旅行は大事ですね。しばらくこの国は私が守っておきます。どうせあの2人は何があっても必ず帰ってくるでしょう。あ、『術式』ごと持ってかれてる……ま、いっか。本人ごと戻ってきますし……しばらくは預けておきましょう」


そして、彼は自分の足元に視線を向ける。


「帰ってくることになっています・・・・・・。王家に伝わる『精霊の紋章』の前で婚約を交わしたのですから……因果・・を無理やりにでも変えなければ、この王族の血の因果からは逃れられませんよ。国王陛下に女王陛下?」


クロウ君はかすかな笑顔でそう言った。

その足元には半径2メートルほどの巨大で複雑な紋章が刻んであった。

コント回みたいな感じになりましたww



何かあれば……

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