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第15話(珈琲を飲みながら)
本格的な夏を迎え、外は酷暑だ。私は珈琲屋篠崎で涼みながら祖父の淹れた珈琲を飲んでいる。
乱歩の短編集を通じた誠爾さんとのやり取り、壽工房が預かってくれていた柘植の櫛、弦元さんに聞いた曾祖父と誠爾さんの物語を想う。
不思議な出来事だった。でも、実は不思議な出来事はそれだけじゃない。
一つは誠爾さんからのお返事。江戸川乱歩の短編集を開き、ふと裏表紙の見返しを見た時に見つけた。
<宗正とは仲良くやってます。柘植の櫛大切に使って下さい。誠爾>
あの時はポストカードしか見てなかったから気が付かなかったけど、これは中園さんが艦を降りる前に仲直りできたってことなのかな?いや、でも、私が柘植の櫛を受け取っている前提の様な気もするし・・・。
あと、もう一つ。飾り棚に置いてある写真を見つめる。三人の顔、こんな表情だったかな?これ、明らかに笑っているよね?




