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序
この作品はフィクションです。
我も花も 護国に散れど 花はまた
永代を経て 綾を織りなす
プロローグ
「俺は不要だ。二人で写れ」
軍服の青年がぶっきらぼうに言う。
「何を言っている。兄弟同然の貴様だ。当然三人での写真だ」
もう一人の軍服の青年が帽章の入った紺色の帽子を整えながら応える。
そして和装の若い女性が言葉を継ぐ。
「そうよ。わたしにとっても二人は兄同然、いいえ、兄と弟なんだから」
「誰が弟だ!」
「ふふっ。そうやってムキになるところが弟なのよ」
「そうだな。そうに違いない。お似合いの姉と弟だぞ!」
「なにを!夫婦だぞ!」
写真館は三人の朗らかな笑い声に包まれる。
では、撮りますよ、と写真屋が声をかける。
一瞬、シンと静まりシャッターとストロボの音がした刹那、再び写真館に笑い声が響き渡った。




