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金欠になりました!!  第一話 自動販売機


「うわぁ、次の給料まで2週間500円生活かぁ、きちぃー!」

 俺、楠和也(くすのき かずや)は学校に設置されている自動販売機前で財布を眺めながら悶絶(もんぜつ)していた。もしかしたら何処かに、100円くらい落ちているだろうと思い、自動販売機の下やお釣り受け取り口などを漁った。すると、自動販売機の下から銀色に光る硬貨を見つけた。

「100円だ!おっしゃ!ラッキー!」

 俺はその100円を財布をしまい、教室へ向かった。向かってる途中、一人の男子生徒に遭遇した。その生徒の名は、橘雄太(たちばなゆうた)、俺の心の友だ。

「和弥どうしたん?そんなこの世の終わりみたいな顔をして。小生は見たことないぞ。」

「俺、再来週まで500円生活、しかもバイトあと4回あるのに……。」

「大変だな、小生がなんか飲み物を奢ってやろう。いつも世話になってるしな。」

 俺は、瞳を輝かせて「いいんすか、兄貴!」と訪ねると、「おうよ」と返事をくれた。

再びさっきの自動販売機の前に来た。優太は「お前はなにを飲みたい?」と誇らしそうな顔で聞いてきた。

「んー、やっぱ俺は炭酸水が飲みたいわ」

 優太は、はいはいと言いながらお金を入れ、炭酸水を購入した。俺は自然と目から雫が流れ落ちてきた。そして、俺は感動のあまり日本語がカタコトになってしまった。

ア、アナタハメガミデ(あ、あなたは女神で)スカ(すか)?」

 すると、優太は呆れ顔で俺の頭をバシッとチョップをかましてきた。

「なにいってるんだお前は、そんな馬鹿なこと言ってないでお金をもう少しコントロールしろよ。そもそもなにに使ったんだ、言ってみ?」

「えっと、先月の収入が10万で、まず定期券の更新で1万5000円、先月の負債(ふさい)が3万、あと、外食費で一万だよ。」

「おい、残りの45000円はどうした?」

俺は財布を取り出し、堂々と優太に財布の中を見せつけた。

「ここ。」

すると、優太の表情はフリーズしていた。ぽかんとしているような、今現在置かれている状況が理解できていなようなそんな表情のままだった。

「おい和弥(クズや)その炭酸飲料を返せ。」

「え、無理だよ?渡さないよ?」

 優太はもうだめだという顔をしていた。そして、「わかった、あげるよ。」といって教室へと帰っていった。

 ちなみに、さっき優太に見せつけた45000円はすべておもちゃのお金だった。この前いとこが家に来たとき、俺の本物の財布を使ってお買い物ごっこしてた。そのときに入れていたお金がまさしく今のこれである。つまり、俺は本物の金欠者である。あと2週間、日数換算すると14日。はぁ…給料日までまだまだかぁ……。

「誰か俺に金を恵んでくれぇ……。」

俺のギリギリの生活はまだつづく。

 

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