あとがき
この短編集は、目に見えないものを追い求める心の旅を描いた物語たちを集めたものです。読者の皆様が手に取ってくださったこと、心から感謝申し上げます。
「雲を掴む科学者」では、手の届かない高みにある理想を追い求める科学者の姿を通じて、挑戦の大切さを描きました。私たちが日々見上げる雲は、捉えどころのない夢の象徴でもあります。しかし、その雲を掴むためには、足元にしっかりと根を張り、科学という梯子を一段一段登っていく必要があります。この物語は、夢に向かって進むすべての人へのエールでありたいと願っています。
次に、「海底に咲くサボテン」は、場違いな存在であっても、生き抜く力強さを持つことの大切さを伝える物語です。水中で息をすることはできないサボテンが、不可能と思われる場所で花を咲かせる様は、私たちにとっても大きな勇気と希望を与えてくれます。障害や困難に立ち向かい、環境に適応する力は、私たち人間にも求められる資質です。
そして、「月光の下のチェスゲーム」では、冷静な計算と情熱的な直感が交錯する場面を、月明かりの美しさとともに描きました。月光の下で繰り広げられるゲームは、私たちの人生そのものかもしれません。選択の連続が未来を創る... その一手一手には、計り知れない価値があるのです。
これらの短編は、科学という名の光を通して、私たちの周りに満ち溢れる不思議を探究する試みです。時には直感に従い、時には理論に基づきながら、それぞれの物語は「水平思考」という方法で現実とは異なる世界を構築しました。日常を横断し、時にはその枠を超えて、読者の皆様に新たな視点を提供できれば幸いです。
私たちの想像力は、現実の枠を超えた場所で最も豊かに花開きます。この短編集が、読者の皆様の心に少しでも新しい風を吹き込むことができたならば、筆者としてこれ以上の喜びはありません。
最後になりますが、この物語を手に取ってくださった全ての方々に、心からの感謝を込めて。物語は終わりましたが、私たちの探求はまだ終わりを迎えていません。新たな物語が皆様を待っています。未知への扉を開く鍵は、もう皆様の手の中にあります。
どうか、これからも想像力を翼に、限りない物語の空を飛び続けてください。
敬具
アスカ・ヴィヴィディア




