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40話、また拾い物

よろしくおねがいします。



31日目昼。

イカちゃんからまた呼び出しがあった。


「またなにか拾ったかな?」


マリアと共に、馬ちゃんに乗って扉に向かうことにする。


「黒い馬です」


「黒い馬だよ。速いから舌噛まないようにね」


「はいです!」





「あはははははははやいのですはやいのですあはははははは!!」


「はやいでしょあははははは!!」


扉に到着。マリアは馬ちゃんを気に入ったようだ。

増やして一体プレゼントしちゃおうかな……

マリアは魅力持ちだが、私は魅力されていない。されてないったらされてない。ただ可愛いだけだ。母性だ。誰がなんと言おうとこの子は私の娘だ。だからプレゼントのひとつくらいあるものなのだ。そうだろう。


さておき。

扉をくぐる。


「クラーケンなのです」


「イカちゃんだよ、よろしくねって」


「よろしくなのです、イカちゃん!」


目の前に鎮座するイカちゃんと挨拶を交わす。


さて、イカちゃんに呼び出された理由だが。


「あー、その……やあ」


「あ、どうも」


イカちゃんの横に、人が居た。人か?人っぽいが。

どうやら海底を散歩していたところを拾ってきたらしい。


「自己紹介、だっけ、ごめんね、人と会うのがひさしぶりすぎて……僕は、えーっと、名前なんだったっけ……姓忘れちゃった。名前はハヤト。元勇者の、今はただのオートマトンだよ。よろしくね?」


えっと、うん。なるほど。……なにもわからんな。


「えっと、タキナです」


「マリアなのです!」


「……詳しく、説明していただいても?」


「あ、そうだよね、そうか。ていうか日本人じゃん!わぁ、久しぶりに人に会えたと思ったらまさかの同郷じゃん。すごいね……吸血鬼の子も、よろしくね。で、説明だね、えっと……」


ハヤトの説明によると、彼は300年ほど前の勇者だった。

当時の魔王は悪逆非道で、複数国家が疲弊しきっていた。藁にもすがる思いで召喚したのが、彼一人。

彼はそのスキルを以て、当時の魔王とその軍勢、全てを文字通り消滅させた。

その圧倒的な力を前に人類は自分たちを救ったはずの勇者に恐怖し、彼を追放する運動が起こった。

彼はそれに辟易し、自ら行方を眩ませた。

それから300年、今まで世界の未踏の地を旅しながら、今に至る。


「能力は、兵器召喚。この世界で材料が集まる兵器なら何でも好きなだけ召喚できるんだ。……今はもうその能力はほとんど使えなくなったんだけどね。能力って、肉体に依存してるんだと思うんだ」


どうやら、老いていく体を改造していって、オートマトンになったそうだ。

その過程で、体の組織は減っているわけで、それによって能力も弱体化していったようだ。


「今はもう、材料が目の前にあっても、聖剣くらいしかつくれないよ。ああ、聖剣は材料と魔力が要るんだったか。普通の剣なら魔力が無くてもよかったんだ。最近あんまり造ってないから忘れちゃいそうだよ……」


……あれ?この人、今でもめちゃくちゃなチートでは?

そうか、普通ならパーティ単位で召喚されて、それぞれに強い力をわけて与えるところを、この人はひとりで全員分の強さを貰ったんだよな。……え、チートじゃん!すげー!うちの子たちの武器つくって貰いたいな!


「うちで暮らしませんか?」


「おっと急だね……まあ僕としては、300年振りに人と会えたし、100年くらいなら人里に居てもいいかなと思うけど……大丈夫?」


「ああ、うん、多分私の能力の方が、人ウケが悪いので……迫害はされないと思います。むしろ多分ドワーフが喜んでくれるはず……?」


どうだろう。ドワーフは物作りが好き、だから簡単に物を生み出せる能力はどう思うんだろう。……と思ったけどあの人らなら喜ぶだろうな。うちのドワーフたちは物作りより研究のほうが好きだから、物作りの時間を研究の時間に充てられるなら喜んでくれる。多分。


「あ、いや、それもたしかにあるけど、そんな簡単に僕を信用して大丈夫?ってこと」


「ああ、それは……大丈夫です」


私のジョブ、イドラのもつスキルのひとつに、相対した相手が敵対者かどうかがわかるものが発生した。

つまり、それに反応しない限りは、少なくとも、敵ではないということ。

そして。


「敵対したいとは思わないはずですし」


一度こちら側になったのなら。

私の敵には、なれないのだ。

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