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37話、恵みの神獣

よろしくおねがいします。



「え、くじら?なんで?……異世界だからか」


「納得するな。……まあ、害はない、ただ恵みの雨を降らせるだけの魔物だからな。……で、そう、テイムをするなよ、と伝えに来たんだ。アレは世界を飛び回り、その恵みの雨で貧しい村などを救い」


「はいテイム」


「おい!?え、嘘だろお前マジか!?話きいてたか!?」


ゼストが怒ってる。なにさもう……


「ちゃんとしたルートで飛ぶように言えばいいでしょう?豊作のところで恵んでも仕方ないじゃない。もっと、ダメそうな村を恵んでくれなきゃ。……うちの畑はもう追加の恵みなんて要らないからね?」


「……なるほどな、変に疑って悪かった。独占でもして儲けようとしているのかと」


「まあそれは世界次第だけどね」


「おい……!」


まあとりあえずは、くじらちゃんにはお願いをしておいた。

恵まれてなさそうな、荒れてる土地の上を主にとんでほしいな。

魔王によって世界が荒らされているのは、エルフたちの一件でしっかりわかった。

私には、私の出来ることで、みんなの助けになりたい。

もう、この世界は私の住む世界だからね。


「ということなので、私は人間達の味方、のつもりで生きたいなーと」


「そうだな……俺も、協力するぜ」





というわけで魔物生成もくじらちゃんに使った。

これで二倍恵まれてくれ、人類。


「ことごとく常識をぶち壊していくな、タキナの能力は……」


「文句はこんなものを寄越した人に言ってください」


「……何を考えてるんだろうな、上の神は」


さて、やることやったし、ちょっと濡れて嫌な感じだし、帰って水浴びしてからケルちゃんと寝よう。





「で、またトラブルかぁ」


早く寝ようと思ったら、遅くにトロちゃんが帰ってきた。

背中に、意識のない人を乗せている。

ひとまずゆっくり降ろして……人でもエルフでも獣人でもドワーフでもないな。魔物でもない。つまり?


「魔族かなー。ゼストさん呼ぼう」





「魔族だなぁ」


「ですよねぇ」


やっぱり魔族だった。

どうしたらいいのだろう。一応、魔王と戦争してるのだから、魔族は敵、なのか?


「レギオンの配下なら俺が消そう。だが、そうでないなら……魔族にも、人間のようにいろいろな所属があるんだ。生かす選択肢もアリだぞ」


それならひとまず、起きるまで待とうかな。眠気もちょっと覚めたし、紅茶飲んで待とう。

ゼストに見張りをお願いして、二人分の紅茶をつくりに行く。





「殺さないで欲しいのです」


魔族が起きた。

背中の小さな羽をパタパタさせ、目を潤ませている。


「所属は?」


「レリアさまの配下だった、のです」


「……だったァ?」


詳しく説明させた。

どうやら吸血鬼の王、レリアという魔族の配下だったらしい。

だった、というのは、そのレリアが殺されたから、配下じゃなくなった、という事だ。

殺したのは、レギオン。本体が直接襲ってきた、と聞いたという。

この子は、襲撃のあった時には、サキュバスの集落に届け物をしていたらしく、難を逃れたカタチだ。その集落に逃げ延びた吸血鬼から話を聞いたのだ。


「ま、十中八九、本体じゃないだろうがな。だがそれと間違うほどに強大な魔族だったんだろう、吸血鬼の王を仕留めるのは俺でもめんどくさいぞ」


「ころさないでほしいのです……」


「あー、めんどくさいなコイツ。タキナ、引き取るか、殺すか」


魔族だもんなぁ。話を聞く限りでは害は無さそうだけど、どうだろうなぁ。吸血鬼かぁ。


「ところで、どうやって……砂漠側に?」


「くじらさんに乗せてもらったのです」


「マジかー」


途中で落ちたところを、トロちゃんに拾われたそうだ。……あの高さから落ちて無事か。頑丈だねぇ。


「ま、とりあえずは様子見で引き取りましょう。害がでたら処分でいいや」


とりあえず問題は後回し。問題が起きなかったら、この子は新しい住民だ。


「あ、ありがとうございます!わたし、吸血鬼の、マリアです!よろしくお願いします、です!」


マリア。聖女かな?


「ところで、吸血鬼なら昼間は厳しいだろうけど、住むからには何かしら仕事はしてもらわないとだよね。何が出来る?」


「えと、もってるスキルは、眷属召喚、眷属生成、血液操作、全種族魅了、飛行、霧化、日光完全耐性、身体強化……」


「まってまって、アレ?もしかしてなんだけど、ねえゼストさん?」


「ああ……そうだな」


「そうだよね、さすがにね?」


「コイツ……ヴァンパイアロードだろ」


スキル強すぎるもんね……?

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