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115話、亜種

よろしくおねがいします。


72日目。

マリアが旅に出て十日か。さみしいな。


レギオンからお話があった。

この大陸のあらゆる書物やらを見た結果、地獄迷宮とアビスの迷宮がいろいろとあやしいらしい。

クリアしたら邪神の手がかりが見つかるかもしれない。はやく攻略して、世界平和に貢献したいな。


さて、今日はアビスの迷宮にいこう。

最奥、なにがあるか楽しみだからね。





アビスの迷宮、十七層。

砂漠の探索の続きだ。


前回はボイドスコーピオンをテイムして帰った。

今日はボスまでいきたいね。


メンバーは、ヒナと私。それとトロル君。


「砂が靴に入らなくなる技とかないんすかね」


「私もそれほしいな」


風がふかないので口などには入らないが、靴にはバンバン入っていく。

ちなみに靴は、こっちの世界仕様だ。ドワーフがつくってる。


デカいワイバーン、デカいワーム、デカいスコーピオンなどを倒したりスルーしたりしながら進んでいく。

珍しい魔物がいればいいんだが。いないなら良いボスに出会いたい。


「あれ、アレなんすかね」


「あれって……ロックドラゴン? なんかちがう? 」


大きくて黒い、トロちゃんに似た魔物がいる。

なんかちょっとちがう。そしてボスでもなさそうだ。


「よし、テイム。……でかいねやっぱ」


「トロちゃんよりは弱いっすね。最初の頃のトロちゃんよりは強いかな……? 」


さて、魔物情報を。



ブラックロックドラゴン。

ロックドラゴンの亜種。ロックドラゴンより小柄な個体が多いが、ロックドラゴンより強い個体が多い。地魔法を使える。

気性は荒くないが、プライドが高く負けず嫌いで、敵と見るやすぐに戦いを挑む。

ロックドラゴンとおなじく岩石を食べる。鉱石が好物。



おお、強いのか。魔法を使えるのはすごいな。

この子も、トロちゃんたちと仲良くしてくれたらいいんだけど。


「黒、かっこいいすねぇ」


「ね、かっこいい。魔法、どれくらい使えるんだろうなあ」


十七層のクリアには至らなかったが、いい拾い物ができたのでヨシ。

一旦帰って、トロちゃんたちに紹介してあげよう。




帰宅後、トロちゃんたちにブラックロックドラゴンを紹介した。

名前どうしようか。ブロドラ……ブロちゃん。ブロちゃんでいいか。よお兄弟。

トロちゃんとロックちゃんより少しだけ小さいけど、力強くじゃれている。地面が揺れるのでもう少し遠くでやってほしい。土埃もすごい。


晩御飯を食べ、銭湯に入り、就寝の準備をする。

まだじゃれてる音がする。あ、マウドラ君が唸った。……静かになったね。





73日目。

朝。ゼストに起こされる。


「おい、帰ってきたぞ」


「誰がよ……」


「一人しかいねぇだろうが……。マリアが帰ってきたぞ。ドラゴニュートを連れてな」


……マリア!!

即起床、顔洗って、服着て、門前までゼストと一緒に飛んでいって……


「ただいまなのです」


「マリア〜!!無事だった!? 怪我してない? 体調は? 」


「なにもないに決まってるのですよー」


無事帰ってきてくれた。

思ったより早かったけど、早いに越したことはない。無事でよかった。さみしかったからな……。

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