114話、運がよくなる
よろしくおねがいします。
71日目。
襲撃の処理は夜のうちに済ませたので、朝はのんびり。
朝ごはんをみんなで食べて、街の見回りをして、それからなにをするか悩んで。いつもどおり。
そういえば、鬼人族の魔物使いアデクが、私の魔物たちのケアもしてくれるようになった。近いうちに私もやりかた教えてもらおう。
さて、今日はなにをしようかな、と思っていたのだが。
アビスの迷宮、二層への呼び出しがあった。
何かがあったようだ。向かおう。
アビスの迷宮、二層。私が食料階と呼んでいる場所。ウチで出てくる肉は、殆どがここのものだ。
あと、ミルクも、ここでテイムしたゴールデンホルスタインからの産出だ。あれはほんと良い拾い物だったね。
で、今回は。
「洞窟? 洞穴? 」
穴があった。
迷宮の各階層は、マップの全体を把握しているわけではない。だからこそ、こういう発見がたまにある。迷宮ぽくて楽しいね。
さて、今回は当たりかハズレか。
侵入してみよう。
「暗いねぇ。見えはするけど……なんかあるかな」
わりと深い。真っ暗ではないので、進めはするが。
結局最奥まで来てしまった。
そこは少し広い円形の空間で、外周に水が流れている。
そして、中央には宝箱があった。
「お? ヒナ呼んでおけばよかったかな? 」
今日はひとりで来たから、仕方ない。
私があけよう。
「おお、指輪。効果は……おお! おお? 」
ボスの開運の指輪。
群れの長のみに効果がある。
群れが大きいほど、運があがる。
うん……運? 運なんてステータスあるの?
よくわからんが、多分群れは大きい。私が付けておこう。
ああ、テイムも済ませておこうかな?
「なにが居るかなぁ。いい感じのがいればいいんだけど」
二層を、近くにいた二層班の魔物とともに歩く。
なんか面白い魔物がいればいいんだけど。
しばらく歩いて、ふと水辺を見た。
「……運、あがってる? 」
そこには、銀色の牛がいた。
「はいテイム!ゴールデンホルスタインの亜種かな? 」
魔物情報をみてみよう。
ミスリルカウ。
魔銀牛。その昔、世界一のブランド牛として育てられた魔物。
その肉は最高の品質で、脂のくどさがほぼ無く、濃厚な肉の味をダイレクトに楽しめる。
グルメな性格のために食費がかかるので、肉の値段が高くなる傾向にあった。
この個体は果物が好き。
うーん、肉牛。めちゃくちゃいいやつだけど、でも……
「オスだけ。で、魔物生成で増やしてもオス……」
繁殖させられないよね。
運がいいのか悪いのか……。
ま、それはさておき、帰路へ。
魔物生成は、ゴールデンホルスタインにしておこう。なんだかんだで増やしていたので、これで四体目。
ミルクはなににでも使うからな。いくらあってもいい。
ミスリルカウは……どうしよ。今育てられている、ゴールドの領地のブランドの牛と交配させるか? 新しいブランド牛だ。ゴールドにも相談しないとか?
いろいろ考えたりして、夕方。
晩御飯が気になったので、調理班の元へ。
お、今日は……カキフライとエビフライ!
これはほんとに、指輪の効果かな?
「運がいいのかもしれない」
ちょうどフライ食べたい気分だったんだよな。
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