113話、非人道的
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70日目、夜。
また襲撃があった。
「またぁ? 」
「またです」
ベルゼはいつも通りニコニコしてる。もうちょっと慌てた顔も見てみたいなぁ。
「うーん、また雑魚だけか……出るのは少数でいちでしょ。イサムとマナさんをロックちゃんに乗せて、私がトロちゃんに乗って、スラちゃんと、ついでにベルゼでいいかな。あとは警戒と待機で」
「そのように伝えておきます」
マナさんは戦うの好きって言ってたし、戦闘力も見たいし、いいでしょ。
さ、私も向かおうかな。どうせ今日もサクサククリアだ。
「うわ、多い……」
「これどうやって数えるんだ? 」
「今回は、ゴブリンとオークが五十万ほどですね。少しでも逃すと危険ですので、一匹残らず綺麗に潰してくださいね」
「ごじゅ……すごいわね……こんな規模、どこでも見たことないわよ? 」
どうやら今までの襲撃での最大規模のようだ。
しかし数だけ。中身はスカスカの雑魚だけ。
「あ、できるだけ肉が残るように殺してくださいね。あとで腕輪に食わせるんで」
「え、なにそれ。こわいのだけど」
マナさん、引かないで。
さて、そろそろ戦闘開始だ。
「まずは私からやらせてもらおうかしら? お肉を残すならファイアはダメだから……アイスかしら? アイスガトリング!」
ロックちゃんの上に乗っているマナさんが、両手を前に突き出す。全ての指から、超高レートで氷の弾丸が飛び出していく。まさにガトリングだ。
着弾までに威力の減衰も少なく、敵の前面が削れていく。爽快だね。
「俺もそれでいいかな。アイスガトリング」
勇者イサムも同じ事をしはじめた。コピーずるいな?
これもまたしっかりと敵を削り、実質二倍の速さで敵が減っていく。
ゴブリンとオーク、雑魚が相手なので、一発でも致命傷だ。それが秒間十発以上、が二人。
「勇者パーティ、強くね? 」
「はは、ありがとうございます」
これはたしかに、世界から求められるわ。
さて、私も働こうかな。
気を練り、敵に撃ち込む。そうだな、ガトリングを真似てみよう。
「オーラガトリング……いや、ダサいか? 」
両手から、拳大の気を撃ち出す。
最前線よりは後方に落とし、爆発。
「お、いい感じじゃない? 」
「それのほうが強くないですか? 」
いやいや、アイスガトリングのほうが肉が残って良いんだよ。
爆発を減らすために、もう少し小さく。
うん、いい感じ。
スラちゃんも、私たちをみて、似たような事をしはじめた。
アイスガトリングの……数倍はデカイな。砲弾だ。
それを、腕を十本ほど生やして、各腕から秒間一発くらいずつ。
「スラちゃん……戦艦みたい!かっこいい!」
「うおお、巨大スライム娘が砲撃って!ロマンじゃん!」
「なにをそんなに盛り上がってるのかわからないけれど……強いわね、スラちゃん」
みんなで乱射、楽しいな。なんというか、棍棒もった雑魚に超大型装甲車の上から機銃乱射するのって、ちょっと、アレだけど。ね。
ベルゼは、端の方のはぐれを丁寧に潰していってくれている。ありがと。おかげでストレス発散に集中できる。
それから数時間。
なんだかんだ時間はかかったが、何事もなく殲滅終了。全てを肉にかえた。
「おお、百万kg!すげー」
「倒した敵を重さで計るの、なんか……いや、なんでもないです」
イサム、人間には、言葉にしないほうがいい事もあるんだよ?
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