106話、片付け
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さて、まずはテイムしたボスの情報から見てみようかな。
クーロン。
九種類のドラゴンのハイブリッドを目指した実験生物。無敵最強のドラゴンをつくるという願いは叶わなかったが、エルダーに匹敵するほどの魔力量と魔法攻撃力を得た。
実験の失敗により素の肉体は脆弱だが、ありあまる魔力での身体強化によって普通のドラゴンほどの耐久性をもつ。
なんでも食べる。日によって体が求める食べ物が変わる。
おおう、また実験生物? 前も似たようなの居たよな。
しかし、強そうだ。エルダーといえば、うちのマウドラ君がそうだ。それに匹敵するほどの魔法使いというわけだ。戦闘員として優秀だな。
で、続いては宝箱からの戦利品を見てみよう。
「これめちゃくちゃほしいっす」
「いいかもだけど、効果だけ見せてね」
「ほいっす!」
さてさて、どんな効果が……おお?
奪魔の指輪。
トドメを刺した相手の残り魔力の一割を奪う。
奪った魔力はこの指輪に貯めておくことができる。上限無し。奪った魔力は古い順から消費され、使わなければ取得から24時間で順次消えていく。
うおお、めちゃくちゃ当たりじゃね?
でもうちで必要になりそうなのって……ヒナとイサムくらいか?
「イサム、これどう?」
「あ、はい。……うわ、すげぇ。ほしいな」
やっぱそうだよね。じゃあ……
「二人でジャンケン!」
「えっ」
「まじすか」
というわけで結果はイサムの勝利。
ま、ヒナは武器があるし。次回は優先権を持たせよう。
さて、テイムをつかったし、帰るか。
クーロンは飛べた。みんなで乗って帰る事にした。
「これは?」
「ああ、片付けといたぞ」
街の前に、死体が数万程転がっている。
おそらくいつものだろう。ま、私が居ない時にも来るよな。
今回はゼストが指揮をとってくれたようだ。当然、街には被害なし。いいね。
「大したもんはなかった。適当に処分するか? 」
ああ、スラちゃんに片付けさせ…………あっ。
「今までなんで誰も言ってくれなかったんだろ」
「なにがだ?」
「コレの肉、召喚につかえるじゃん……」
「……あァ、そうだったな。完全に忘れてた」
ゼストも忘れてたならみんな気付かないよな!
毎日使ってるのに、こういう時に思い出せないんだよね。
というわけで襲撃者の肉を腕輪に食わせる。
消失してるものを除いても百万キロくらいか。一番いいのを数体つくるかな。
最大でキングサイクロプスを七体、生み出せる分の肉があるようだ。
うーん、キングサイクロプス四体、キングトロル四体、キングオーガ一体、でいいかな?
「キングサイクロプス、キングトロル、キングオーガ……俺が知ってるキングじゃねぇな。そもそも色が違う。なんで黒いんだよ」
うーん、なんでと言われても。
ていうか名前も違くね?
「アグニサイクロプス、アグニトロル、アグニオーガ……あれ、キングじゃないじゃんそもそも。なに? アグニってキング相当ってこと? 」
じゃあ最初のころにテイムしたオークがアグニオークになったのって、めちゃくちゃ進化してるってことでは? すごいねあの子。
「進化の分岐にアグニが追加されたのか。どういう意図かはわからんが、まぁいいんじゃねぇか? 黒、かっこいいしな」
うん、まあ、かっこいいんだけどね。
ということで、アグニを冠する魔物が増えた。
アグニオーガは、二層の肉集め班に。
アグニトロルは、建築班と二層班で二体ずつ。迷宮のゲートは潜れそうだ。
アグニサイクロプスは、街のお手伝いかな。建築班、調理班、畑班、ドワーフのお手伝い。そのあたりで重い荷物運びがあったときにしっかり働いてもらおう。ついでに街の見回りもね。
「ううん、こうなってくると……襲撃が楽しみになってきたな」
「いや、不謹慎すぎるだろそれは……」
他所の襲撃、全部うちに来てくれるようにならないかな。うちならいくらでも潰せるのに。
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