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【完結】眼鏡ギャルの近間さん 〜陰キャの俺がギャルと友達になれたのは、眼鏡女子が好きだったお陰です〜  作者: しょぼん(´・ω・`)
第七章:怪我の功名?

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第二話:新たな初体験

 帰りの電車の時間でスマホゲーを消化し、家に戻った後もささっと有り合わせの野菜で炒め物を作り晩飯を済ませた俺は、早めに風呂も済ませると、少しの間スティファイをして時間を潰した。

 あんまり早くにメッセージを送っても、近間さんが慌てそうだったしさ。


 ちなみに、黒縁先輩との約束は今週金曜が球技大会なのもあったから、候補日からその後になる日曜日に会う事にした。

 多分対戦だけで終わらないだろうし、それなりに時間をきちっと取っておかないといけなそうな気がしたからだ。


 近間さんのテニス練習はここ数日の話からすると、大体夜六時くらいまでは頑張ってるみたいだし、そこから一時間電車に乗って家に戻り、色々済ませてもきっと早くて九時過ぎ辺りかな?


 って事で、俺はその時間までしっかり集中してセブンスでランクマに挑んだ。

 結果かなり勝ち越せたし、中々に良い集中力だったと思う。

 一応黒縁先輩と対戦する時に、情けないプレイはできない。だから、当日までにしっかり仕上げておかないと。


      ◆   ◇   ◆


 あれから数時間後。

 予定通り九時くらいにはこっちが落ち着いたってMINEを送ったんだけど、直後に『あたしも大丈夫!』って返ってきたのには流石に驚いた。

 とはいえ、明日も学校だってあるし、疲れてるなら早めに行動して早めに寝かせて上げたほうがいいかなと思って、俺もそのまま通話する流れに持っていった。


『やっほー! 聞こえてるー?』

「あ、うん。聞こえてる」


 前回の通話の時と同じ挨拶。

 多分これ、近間さんの癖になってるんだろうな。


 因みに今俺はベッドに横になり、通話も可能なヘッドホンをして会話している。

 今日は時間もあったから、こういう準備もしてゆったりした体勢で通話することにしたんだ。


「今日もお疲れ様。練習どうだった?」

『正直マジヤバだったっしょ。真田さんやっぱめっちゃうまくってさー。正直かなりハードだったしー、球技大会でそこまでする!? って感じでさー』

「それはかなり大変だったでしょ?」

『うん。お風呂で寝そうになるくらい。あ、でもでもー、それでも結構いい勝負はしてたよ』

「そういや近間さんって、テニス経験遊びでしかないって女子と話してたよね?」

『え? うん。そうだけど』

「それで良い勝負できるって、本当に凄いよね」

『そっかなー? ま、でもー、今日の特訓頑張れたのは、遠見君のお陰っしょ』


 「にっしっし」という笑い声までセットで聞こえてきて、何となく普段の元気な近間さんらしさを感じてほっとしていると、


『そういえばさー。通話ついでに、ちょっとお願いがあるんだけど……』


 彼女が急に声のトーンを変え、どこかおずおずとした声を出す。

 ん? なんだろう?


「お願いって、どんな?」

『あ、うん。そのさー。えっと……ビデオ通話とか、してみない?』

「ビデオ通話?」


 MINEには確かに、スマホのカメラで映した互いの映像を見せる機能が付いている。

 それをわざわざするって事は……。


「えっと、何か見せたい物がある、とか?」


 何となく理由を知りたくなって、当たり障りのない問いかけをしてみたんだけど、少しの沈黙の後。


『そういうわけじゃないんだけど、その……なんていうか、声だけだと味気ないかなーって……』


 彼女らしからぬ遠慮気味な答えが返ってきた。

 そういえば、過去に話をするようになった矢先に通話をした事がある。

 それ以降通話ってしてないから、声だけってのはある意味新鮮。だけど、大体逢って話してるから、ちょっと味気ないといえば味気ない。

 それに……まあ、やっぱり可愛い眼鏡女子を見れるっていうのは何処か嬉しいし、きっと近間さんも同じ考えかもしれない。


 ただ、どうやってカメラとか維持すれば良いんだろう?

 手持ちだと流石に疲れるし、あんまり起き上がって通話しようって思ってなかったんだよなぁ。


 ……そうだなぁ。

 一応聞いてみようか。


「あの、ちょっと聞いてもいい?」

『うん。何?』

「あのさ。その、かなりリラックスした姿勢でもいい?」

『リラックス?』

「うん。実は俺、今ベッドに横になって話してるんだけど、あんまり起き上がって話そうとか考えてなくってさ。だから、その状態でもいいかな?」

『つまり、横になったまま話すって事?』

「うん。スマホ置き使えば、その姿勢のまま楽に話せるかなーって。本当はいけないかなって思ってるんだけど……」


 まあ、人とカメラ越しに話すのに、それは流石にって自分でも思ってたんだけど。


『それ、めっちゃ良いアイデアじゃん! あたしも手持ちだと辛いなーって思ってたし。やろやろ!』


 近間さんは超ノリノリの返事をしてきた。


「ありがとう。ちょっと準備するから、一旦掛け直してもいい?」

『おっけー! 準備できたらメッセージ送ってね!』

「うん。じゃ、ちょっと待ってて」

『うん。じゃーね!』


 ……ふぅ。良かった。

 近間さんがそういうの嫌そうじゃなくって。


 ほっと胸を撫で下ろした俺は、一旦身体を起こすと、行動を開始した。

 流石に横向きになるならヘッドホンはきついかな。

 これは机に戻して。で、こいつをここに置いてっと。


 サイドボードに置いたスマホ置きに、横向きにスマホを置く。

 多分こうして画面を縦に固定すれば、横になってもちゃんと同じアングルで見れるかな?


 試しに動画撮影のモードにして、横になって向きとかを確認して……うん。これならうまく収まってるし、丁度良い感じだな。


 何となくやった事のない事を試すってのが楽しくなって、内心緊張以上にワクワクしているのが分かる。

 まあ、別に肩を貸して彼女が寝るほどの緊張はないだろうし。

 よしっと。


『準備できたよ』


 一旦スマホを手にしてメッセージを送ると、すぐに元の場所に戻す。


 『おっけー!』と吹き出しがついた可愛いスタンプが押された後、通話が来た事がわかる画面に変わる。

 今回はビデオ通話だから、それ用のボタンを押して……。


 こうして俺達二人は、ちょっと変わった? ビデオ通話を始めたんだ。

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